○ 実機レビュー (2009冬モデル)
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HP(ヒューレット・パッカード)さんのパソコンの特徴として、「本体が小型」という点があげられます。
省スペース型の Pavilion s5000 シリーズはもちろん、高性能型の Pavilion e9000 シリーズでも、他のメーカーのパソコンと比べると一回りサイズが小さいです。
右の画像は s5250、e9290、一般サイズのパソコン(普段使っていたパソコン工房さんのモデル)を並べたものですが、大きさがそれぞれ違うことが解りますね。
一番右のパソコンが一般的な 「ミニタワー」 のサイズで、比較すると HP さんのモデルは総じて小さめです。
HP さんのパソコンは多機能で特殊なケースを独自開発しており、その作り込みようは既存メーカーでもトップではないかと思います。
外付けハードディスク(HDD)を本体に着脱できたり、マザーボードの向きを上下逆にしてエアフロー(通気性)を確保するなど、他のメーカーとは異なるケースを作っていて、本体が小さいことも出来るだけ省スペースにしようという工夫が凝らされているためです。
ただ、本体が小さいと中が密集し、入れられるパーツにも制限が出来ます。
この辺りの詳細は後述しますが、とりあえず「本体が小さめ」というのは HP さんの特徴・利点なので、先に明記しておきましょう。
性能面ですが、今回お借りした高性能型の Pavilion e9290 jp の主要なパーツ構成は以下のようになっています。
CPU | : | Core i7 975 EE (3.33 GHz、4コア) |
メモリ | : | DDR3-1333 12GB (DDR3 の 1333MHz、2GB×6) |
ビデオカード | : | GeForce GTS 250 |
HDD | : | 容量 300 GB で 10000rpm の HDD 2つで RAID 0 |
近年のCPUのランク | ||
ランク | 既存型 | 新型 |
旧型 | Core 2 Duo | -- |
廉価型 | Core 2 Quad | Core i5 |
中間型 | Core i7 920 | Core i7 860 |
上位型 | Core i7 950 | Core i7 870 |
フラグシップ | Core i7 975 EE | -- |
※フラグシップモデルは性能をアピールするために 作られたもので、高価格で一般向けではありません。 Core 2 Duo は現在、主に小型 PC 向けとなっています。 |
他にブルーレイドライブや地デジチューナーが付いていました。
CPU は 10 万円以上する現在最強 CPU 「Core i7 975 EE」で、メモリも最大量搭載、HDD(ハードディスク)もあとで詳しく説明しますがキワモノ構成です。
e9290jp の最高構成であり、これだとお値段は 25 万円を超えてしまいますね・・・
実際にはもっと安い12万〜15万円ぐらいの構成にする人が多いのではないかと思います。(一般的と思われる構成例については後述します)
今回の構成は、HP さんの「本気出したらこのぐらいになるんだぞ!」というアピールなんじゃないかと思います。
なお、この e9290jp はマザーボードが新型 Core i7 (Core i7 860、870)に対応したものではないようです。
ですので、使える CPU は Core i7 975、950、920 のどれかとなります。
新型ではありませんが、もともと Core i7 860 や 870 は「改良廉価型」であって「強化型」ではないので、性能差はあまりありません。
(新型は発熱や消費電力の低減などの面が主に改善されています)
一方、小型タイプのパソコン Pavilion s5250 の主要なパーツ構成は以下のようなものでした。
CPU | : | Core i5 750 (2.66 GHz、4コア) |
メモリ | : | DDR3-1333 4GB (DDR3 の 1333MHz、2GB×2) |
ビデオカード | : | GeForce G210 |
HDD | : | 容量 1.5 TB (1500GB) |
同等の旧製品 | 性能 | 一般販売 | |
GeForce G210 | GeForce 9400 | 低い/安い | ない |
GeForce GT 220 | GeForce 9600 | 中間 | ない |
GeForce GT 230 | GeForce 9600 GT | 中の上 | ない |
GeForce GTS 250 | GeForce 9800 | 高い | あり |
テレビが見れる「地デジチューナー」を含め、価格としては 12 万円ほどの構成です。
地デジチューナーがなければ 10 万円ぐらいになりますね。
こちらは価格を抑えた構成と言えますね。
ポイントは、ビデオカードの「GeForce G210」でしょうか。
これは登場したばかりの新型なのですが、性能がもっとも低い廉価型であり、「安さで勝負」のパーツです。
これでどこまでの性能が期待できるのか、3D グラフィックを使ったソフトは動作可能なのかも検証していきたい点です。
新型の廉価版 CPU である Core i5 の性能や、この小型のパソコンでどこまで出来るのかもチェックしたい点ですね。
ここからは、パソコンのベンチマーク(性能測定)ソフトで性能を調査した結果をご報告します。
まずはベンチマークソフトとしては世界標準と言える「PC Mark 05」で調べた、CPU やメモリの測定結果です。
比較対象として、1つ前のモデル(s5150jp)と、普段使っているパソコン(パソコン工房さんの今年春購入のもの)も合わせて表記しています。
HP Pavilion s5150jp 2009年 秋モデル(スリム) |
HP Pavilion s5250jp 2009年 冬モデル(スリム) |
HP Pavilion e9290jp 2009年 冬モデル |
パソコン工房 GS9 2009年 夏モデル |
・OS: Windows Vista ・CPU: Core 2 Quad Q9650 ・メモリ: DDR3-1066 4GB ・VGA: GeForce GT 220 |
・OS: Windows 7 32bit ・CPU: Core i5 750 ・メモリ: DDR3-1333 4GB ・VGA: GeForce G210 |
・OS: Windows 7 64bit ・CPU: Core i7 975 EE ・メモリ: DDR3-1333 12GB ・VGA: GeForce GTS 250 |
・OS: Windows 7 64bit ・CPU: Core i7 950 ・メモリ: DDR3-1333 6GB ・VGA: GeForce GTX 295 |
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今回検証している HP さんのパソコンは、中央の2つ(背景が黄色)です。
「s5250jp」(左から2番目)の新型 CPU の 「Core i5 750」 は、Core 2 Quad の上位型(一番左)よりスコアが少し低くなっています。
これは基本性能(クロック数)が Core i5 750 が 2.66GHz、Core 2 Quad は 3GHz なので、その差だと思われます。
しかし Core i5 の方はが技術が使われているため、実際の使用感では Core i5 の方が上だと思われます。
価格も最新 CPU の中では安めなので、それでこのスコアを出しているというのは、コストパフォーマンスの高さを物語っています。
また、メモリのスコアは Core i5 や Core i7 を使っているパソコンが、Core 2 Quad のパソコンに2倍近くの差を付けていますね。
これは Core i5 や Core i7 以降、メモリの制御を行う「メモリーコントローラー」というシステムが CPU に内蔵されたからで、これにより新型 CPU の方が高性能なメモリをより効率よく使えるようになっています。
グラフィックのスコアは・・・ s5250jp は予想以上に悪いです。
これは 「GeForce G210」 の性能がそのぶん低いことを意味します。 これでは 3D グラフィックが使われた新しいゲームなどは難しいでしょうね・・・
s5250jp には、s5150jp(一番左)で使われている GeForce GT 220 も搭載可能なので、ゲームをやる方はそちらの方がいいでしょう。
HDD(ハードディスク)のスコアも s5250jp は低くなっていますが、これは 1.5TB(1500GB)という大容量の HDD が搭載されているからだと思われます。
計測で使った s5150jp の HDD は 320GB という小サイズのものだったので、そのぶん速度が速かったようですが、このぐらいの速度差なら大容量の方がいいですね。
一方、高性能型の「e9290jp」は・・・ さすがに全てにおいて高いスコアが出ています。
1つ前のモデル「e9190jp」と比べると、CPU のスコアはほぼ同じで、メモリは以前より 700 ほどスコアが高くなりました。
ただ、CPU・メモリ・ビデオカード、すべて種類は e9190jp の時と同じですので、このスコアの差は Windows が 7 になったことによるものだと思われます。
そして e9290jp で特筆したいのは、HDD の性能。 他を大きく引き離す高いスコアを出しています!!
これについては、HDD(ハードディスク)の測定を行う定番ソフト「CrystalDiskMark」の結果を基に、詳細に解説しましょう。
測定結果は以下の通りです。
左の「通常のHDD」と言うのは、s5250jp での測定結果です。
最近の普通の HDD はこのぐらいの性能で、これでも決して悪くはありません。
しかし今回 e9290jp に搭載されていた HDD の速度は・・・ もう HDD とは思えない領域になっています!
先日測定した、一番右の新型記録装置 「SSD」 を超える部分も多くあるほどです!
3段の測定結果の一番上の段(連続)は「シーケンシャル速度」と言い、大きなデータファイルの読み書きの速さです。
大きなファイルの読み込みやコピーの際は、これが影響しますが・・・ その速度がもう驚異的。
読み込みは SSD を超え、書き込みに至ってはハンパじゃない数字(200以上)になっています。
真ん中の段と一番下の段は「ランダムアクセス」の速度で、色々なファイルを次々と読み書きした場合の速度です。
2段目はやや大きめのファイルを、一番下はサイズの小さなファイルを次々と読み書きする時の速さで、大きなソフトウェアを動かす時や、Windows
の起動時の速さは、このランダムアクセスも大きく影響します。
ここはやはり SSD の方が早いのですが、e9290jp の HDD もかなり健闘しています。
2段目(ランダムアクセス512K)の書き込みは SSD に勝っています。
さすがに下段(ランダムアクセス4k)の方は SSD より低めですが、ここも HDD としてはかなりの速さです。
実は今回お借りした e9290 の中には、「Veloci Raptor」と呼ばれる最高速クラスの HDD が搭載されていました。(VelociRaptor 300GB WD3000HLFS)
この「Raptor(ラプター)」シリーズはマニアには有名な製品で、一般販売されている中では世界最速と言われている HDD です。
容量は 300GB とやや小さめ(それでもラプターの中では大型)ですが、10000rpm(毎分1万回転、通常の物は 7200rpm〜5400rpm)という高速の
HDD で、さらに高速と信頼性を高めるための数々の技術が導入されています。
そのぶんお値段は通常の HDD よりかなり高いのですが・・・ これがなんと RAID 0 (2つの HDD を組み合わせて高速化する技術)で搭載されていました。
ふつう、自作マニアしかしないような構成ですが・・・ 実際にコレを発注可能です。
HP さんはまだ SSD 搭載型のデスクトップパソコンは用意されていませんが・・・ 「HDD もまだまだ戦える!」 というアピールなのでしょうか? ^^;
実際にかなりの速度と言え、1万回転とやらの性能を見ることが出来ました。
CPU やメモリ、グラフィック機能が高速になっている昨今、HDD からの読み込み速度が処理のボトルネック(足かせ)になっているケースは多く、HDD
や SSD の速度が注目を浴びています。
高速の HDD は価格は高く付きますが、SSD に比べればよほど安上がりなので、「高速 HDD を選ぶ」というのも選択肢の1つと言えそうですね。
さて、このパソコンで 3D グラフィックが使われたゲームやソフトウェアを使用した際に、どのぐらい快適なのか・・・
3D グラフィックやゲーム関連のベンチマーク(性能測定)ソフトで調べた結果は以下の通りです。
参考に他社のモデルも合わせて表記しています。
HP Pavilion s5150jp |
HP Pavilion s5250jp |
HP Pavilion e9290jp |
パソコン工房 GS9 |
ドスパラ Galleria XF |
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2009年秋モデル | 2009年冬モデル | 2009年冬モデル | 2009年夏モデル | 2009年冬モデル | ||
OS | Windows Vista 32bit | Windows 7 32bit | Windows 7 64bit | Windows 7 64bit | Windows Vista 32bit | |
CPU | Core 2 Quad Q9650 (3GHz) |
Core i5 750 (2.6GHz) |
Core i7 975 EE (3.33GHz) |
Core i7 950 (3.06GHz) |
Core i7 860 (2.8GHz) |
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メモリ | DDR3-1066 4GB | DDR3-1333 4GB | DDR3-1333 12GB | DDR3-1333 6GB | DDR3-1066 4GB | |
VGA | GeForce GT 220 | GeForce G 210 | GeForce GTS 250 | GeForce GTX 295 | GeForce GTX 285 | |
HDD | ふつう | ふつう | 10000rpm RAID 0 | ふつう | SSD | |
構成価格 | スリムサイズ | スリムサイズ | やや小型 | 通常型 | 通常型 | |
ベンチマークソフト 3D mark 06 |
総合 | 6200 | 2600 | 16000 | 19250 | 17850 |
CPU | 4350 | 4200 | 5850 | 5500 | 5200 | |
大航海時代 Online |
ノーマル | 2600 | 1700 | 3850 | 3300 | 3160 |
FFXI (ファイナルファンタジーXI) |
HIGH | 8600 | 7300 | 11500 | 10250 | 9000 |
モンスターハンター フロンティア |
1280x1024 | 5800 | 1150 | 9500 | 14500 | 17000 |
ロストプラネット EXTREME CONDITION |
Snow+Cave | -- | 19 + 25 | 125 + 145 | 285 + 165 | -- |
※3D mark 06 はゲームではありませんが、最も一般的に使われる測定ソフトなのでリストに含めています。
大航海時代 Online はノーマル、FFXI やモンスターハンターも初期設定のままでの測定を行っています。
目安として、大航海時代 Online は 300 以上で快適、FFXI は 4000 以上で快適、モンスターハンターは 3500 以上で快適です。
「3D mark 06」の測定結果は、ほぼパーツの性能がそのまま数値に表れています。
やはり CPU は Core i7 975 が最高、しかしビデオカードの性能を含めると GeForce GTX 295 や GTX 285 が高いです。
正直言って、s5250jp のビデオカード「GeForce G210」は、性能が低いようですね。
新型だからある程度の能力は持っているとかと思いきや・・・ モンスターハンターやロストプラネットなどの最近のゲームを動かすと、ガクガクになっていました。
s5250 には GeForce GT220 も搭載できますから、ゲームをやるならそちらにした方が良いでしょう。 そうすればモンスターハンターなども十分可能です。
ただ GeForce G210 でも、大航海時代 Online や FFXI などの一世代前のゲームなら、快適にプレイすることが出来ます。
一方、e9290jp はどのゲームでも快適にプレイできました。
今回、最新のグラフィック機能を使っているゲームとして「ロストプラネット」のベンチマークも含めたのですが、これも快適に動作しています。
ただ、「モンスターハンターフロンティア」に関しては、なぜか秋モデルの「e9190jp」よりスコアが落ちました。
原因は不明ですが、ほとんどパーツ構成は同じなので、Windows 7 の対応(ソフト側やドライバなど)の問題でしょうか・・・?
(でもうちのパソコンは Windows 7 に変えてもベンチマークに差が出なかったです・・・)
また、吹雪や陽光などの「光や風の効果」を伴うシーンが多いところでは、やはり GeForce GTS 250 だと高性能型のビデオカードに劣る部分があるようです。
(ロストプラネットの1つ目の数値は、そうした光や風の効果が多用されているシーンでの測定です)
しかし GeForce GTS 250 で現時点で快適に動作しないゲームはおそらくないでしょうし、価格を考えるとやはりコストパフォーマンスは非常に高いですね。
GeForce GTS 250 は2万円ほどで買えますが、GeForce GTX 285 は4万円、GTX 295 は5万円ぐらいしますので。
なお、「大航海時代 Online」は e9290jp になって、e9190jp よりスコアが大幅に伸びました。(以前は 2680、今回は 3850、1.5
倍も伸びた)
これは推測も含みますが、このゲームは高度なグラフィック表現が使われていないため、Windows 7 になって最新の高性能な CPU やメモリを効率よく使えるようになった事が、この結果に反映されたのではないかと思われます。
FFXI でもスコアが伸びており、GeForce GTX が搭載されたパソコンを差し置いて、e9290jp がもっともスコアが高くなっています。
ここからはパソコンの外観と内部構造、ケースについてご紹介します。
パソコンのケースがどうなっているかは、実際の使用感にも繋がってきますからね。
と言っても、ケース自体は1つ前のモデルである e9190jp や s5150jp と変わっていません。
今回、中身はモデルチェンジしましたが、HP の e9000 シリーズや s5000 シリーズのケースはそのままです。
よって以前の紹介とダブる部分もありますのでご了承下さい。
パソコン本体のサイズについては、冒頭で述べた通りです。
他のパソコンより一回り小さいのが特徴ですね。
特に s5250jp はかなり小さく、一般規格のマザーボード(Micro ATX という規格のサイズ)としてはもっとも小型のパソコンになると思います。
前面パネルには黒光りする光沢処理が施されており、「高級感」があるのも大きな特徴です。
また、「東京生産」と書かれたシールが貼られており、国内生産であることもアピールされています。
ケースの大きな特徴として、「拡張 HDD」を入れられるスペースが用意されています。
e9290jp は右側下部の扉を開けると開口部があり、ここが「拡張 HDD スロット」となっていて、専用の HDD ドライブ(パーソナルメディアドライブ)をガチャっと差し込む事ができます。
これによりパソコンのデータの記録容量が増設され、さらにこの HDD ドライブは外付け HDD として持ち出し他のパソコンとUSB で接続する事が可能です。
要するに、「外付け HDD を内蔵してしまおう!」 という事ですね。
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前面の中央部にも着脱式の「ポケットメディアドライブ」というのを差し込めるようになっていて、これも USB 接続も可能な外付けの HDDであり、250 GB などの容量があります。
s5250jp も、大型のパーソナルメディアドライブの接続口はないのですが、「ポケットメディアドライブ」なら最下部に挿入口が存在し接続可能です。
日本HPさんは「ゲームも出来るような高性能モデルを使う人は、他にも多目的な使い方をする」と考えておられるそうで、そのためこうした前面からアクセスできる増設スロットが用意されているそうです。
なお、HP Pavilion シリーズのパソコンには全機種「PC Dock」と呼ばれるメニューウィンドウが付いて、ここを通してパソコンの各種の機能にアクセスすることが可能になっているようです。
各モデルに「地デジ」や「ブルーレイ」を搭載可能なためか、「MediaSmart」という音楽/映像閲覧ソフトや、「Station TV」というテレビ閲覧ソフトも付属されています。
こうした機能はパソコンの上級者の人だと不要なのですが、PC Dock はいつでも ON/OFF が可能で、「基本設定」で簡単に起動しないようにすることが出来ます。
基本的には初心者向けの機能のようですね。 パソコンを使い慣れていない方は、この機能を通して各種のソフトや設定画面を起動する事ができるでしょう。
さて、では最後に今回ご紹介した e9290jp と s5250jp のオススメの構成例をご紹介します。
※以下にパーツ選択リストの画像を例として表示していますが、あくまで一例であり、実際に選択可能なパーツや価格は時期によって変わる可能性がありますのでご了承下さい。
今回お借りした「
HP Pavilion e9290jp」は CPU に現在最強の Core i7 975 が搭載されていましたが、これだけで 10 万円以上してしまうものなのでお勧め出来ません。
このパソコンは Core i7 920 や Core i7 950 という CPU も選択可能です。
コストパフォーマンス重視なら Core i7 920、高性能重視でも Core i7 950 の方がいいでしょうね。
メモリはこのパソコンの場合、3の倍数で選ばなければなりません。
ここは高性能を生かすためにも、多めの 6GB を選択するのをオススメします。
9GB や 12GB も選べますが、普通の使用方法ではそこまでは必要ないと思います。
なお、メモリを 4GB 以上にするには Windows を 64bit 版にする必要がありますが、e9290jp は最初から Windows 7
64bit 版限定です。
そしてハードディスクは、最初の状態では 320GB のものが選ばれていますが、これでは足りないと思います。
用途にもよりますが、640GB や 1TB(1000GB)、1.5TB のものを選ぶといいでしょう。
ただ、このパソコンはご紹介したように、現在最速の HDD と言える1万回転の HDD を選べます。
もちろん高いので、普通はそこまで必要ないのですが・・・ そんなレベルの HDD が選べるメーカーってほとんどなく、このパソコンの特徴とも言えます。
速度を重視したいなら、今回ご紹介したように 10000rpm の HDD を RAID 0 で注文するのも面白いかもしれませんね。 価格は高くなりますが。
ビデオカードはこのパソコンを選ぶのなら、GeForce GTS 250 を選択するべきです。
このパソコンを選ぶということは、ゲームなどの用途も考え、かつ相応の性能が欲しいと思っている場合だと思います。
それならば、GeForce GT 220 では満足できないと思います。
と言う訳で、コストパフォーマンスも考慮した 「HP Pavilion e9290jp」 の(当方でオススメの)構成は、こんな感じになります。
CPU | Core i7 920 (2.66GHz) |
メモリ | 6GB (DDR3 3x2048 1333MHz, 3DIMM) |
グラフィックス | GeForce GTS 250 |
HDD | 1TB ハードディスクドライブ |
お値段はこれで税込み約 12 万円です。
性能はほぼ最新で高性能、最近の 3D グラフィックのゲームもサクサク動き、価格も性能の割にはかなりリーズナブルだと思います。
テレビチューナーを入れたら2万円高くなりますね。
ちなみに、1万回転の最速 HDD を RAID 0 で導入して、CPU を Core i7 950 にしたさらに高性能な構成にすると、価格は約17万7千円になります。
「HP Pavilion s5250jp」 の方は、最大の特徴は 「この小さいパソコンで高い性能を持っている」 ことだと思います。
多くのスリムタイプのパソコンは、普通ビデオカードがありません。 CPU も弱い場合が多く、価格も高めで、小型である事以外に利点がないのが普通です。
しかし s5250jp はスリムタイプとしては最高性能と言えます。 構成が良ければ 3D グラフィックが使われたゲームも出来ますし、「小型のパソコンで出来るだけ性能の良いものが欲しい」と思っている人は、最終的にここに行き着くことになると思います。
ですので、やはりスリムでありながら、高い性能を求める構成をオススメしたいと思います。
このパソコンの CPU は Core i5 750 の他に、新型 CPU の上位型 Core i7 860 や 870 も選択できます。
Core i5 750 もコストパフォーマンスに優れていて悪くないのですが、性能を重視するなら Core i7 860 を選択した方が良いと思います。
ただ、ここはどれを選ぶか難しいところですね。
メモリは初期の状態では 2GB が選ばれています。 通常の使用ならこれでも問題はないのですが、やや少なめと言えます。
性能を重視したいなら 4GB 搭載したいところですが、その場合は Windows を 64bit 版にしないと、3.12GB 分しか活用できなくなります。
ここは Windows を 64bit 版にして、メモリを 4GB にするのをお勧めしますが、これもちょっと考えどころですね。
(Windows の 32bit/64bit の違いについては こちら をご覧下さい)
ハードディスクドライブ(HDD)は、拡張しづらいパソコンなのですから多めに搭載したいところです。
一般には 1TB(1000GB)あればいいと思います。 ただ、テレビが見たくて録画もするなら、多めの方が良いでしょう。
ビデオカードは、今回の検証で使った「GeForce G210」はお勧めしません!
「RADEON HD 4350」 というものも選択できますが、これも GeForce G210 とどっこいどっこいの性能です。
ここは「GeForce GT 220」を選んだ方が、ゲームも出来ますし、普通に映像を見る際にも安心できると思います。
と言う訳で、性能と価格を考慮した 「HP Pavilion s5250jp」 のオススメ構成は、こんな感じになります。
OS | Windows 7 HomePremium 64 bit |
CPU | Core i7 860 (2.8GHz) |
メモリ | 4GB (DDR3 1333MHz, 4DIMM) |
グラフィックス | GeForce GT 220 |
HDD | 1TB ハードディスクドライブ |
お値段はこれで税込み約 12 万円です。 e9290jp のオススメと、価格はほぼ同じになりました。
性能としては同じ価格ですが e9290jp の方が上と言えます。 ただパソコンという物は、「小さいほど価格は高くなり、同じ価格なら性能は低くなる」というのは、常識として知っておいて下さい。 ノートパソコンなんかは、性能が低いのに価格は高いですが、それと同じです。
もちろん小さければ小さい事の利点がある訳で、そこを価格や性能と比較してどう考えるか、ということですね。
でも s5250jp は、この性能でこの価格なら決して悪くはないと思います。
それに、スリムサイズでこの性能が欲しいなら、このパソコンしか選択肢はないと思います。
(他のメーカーでこのクラスの性能のスリムサイズ PC は見たことありません)
なお、テレビチューナーを入れたら2万円高くなります。
最近の CPU やビデオカードの性能については 2009年度 パーツ比較リスト も参考にして下さい。
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日本HP Pavilion Desktop PC シリーズ ※すでに後継モデルが登場しているため、リンクは HP Pavilion シリーズのトップページに移動します。 ・OS は Windows 7、e9290jp は 64bit 版限定、s5250jp は 32bit も選択可能 ・他社の同クラス PC よりも小さめです ・カスタムモデル/ダブル地デジモデルあり ・e9000 シリーズには廉価型、中間型、高価格型の3タイプあり ・サイト上から購入可能なモデルと店頭販売のモデルは異なります |
※すでに s5000 シリーズと e9000 シリーズは春モデルが登場しています。 春モデルの新型については以下のページをご覧下さい。
・HP Pavilion Desktop PC HPE 190jp 実機レビュー
・HP Pavilion Desktop PC s5450jp 実機レビュー