○ 実機レビュー
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今回送って頂いたのは Pavilion m9580 jp 。
前面パネルに光沢があり、黒光りしていて高級感がありますね。
高さは最高部で 394mm、奥行きは 422mm で、「ミニタワー」と呼ばれるサイズです。
いくつかモデルがあるのですが、今回貸し出しして頂いたのはオンラインゲーム 「ファイナルファンタジーXI 推奨モデル」 です。
ここでのレビューや検証はこのモデルを使って行っています。
CPU は全モデル Core 2 Quad のクアッドコア、
メモリ はオンラインゲーム推奨モデルだとなんと 4G!
(通常は 3.12G しか認識しないけど)
グラフィックは GeForce 9800 などが搭載されています。
HDD 容量はこの FFXI 推奨モデルだとなんと「1テラ(1000GB)」を超えます! しかも RAID 0!
これでも 12 万円台ですからコストパフォーマンスは相当高いですね。
やや性能が押さえられた約8万円のモデルもあり、各種パーツを自分でカスタマイズ(BTO)する事も可能です。
(パソコンの性能の意味が解らない方は上記用語のリンク先を参考にしてみて下さい)
これだけの性能があれば、画像・映像加工ソフトや、3D グラフィックの使われたゲームなど、多くのソフトウェアを快適に動かす事が出来るでしょう。
実際、各種ソフトの起動・終了が速く、パソコンがきびきびと動くので、使っていて気持ちよかったです。
なお、コア(CPU の中心部)が4つある 「クアッドコア」 は、一般には 「それほど活用できない」 と言われていますが、現在は高負荷で定番のソフトウェアは、ほぼクアッドコアを十分に活用できるように対応されています。
(Microsoft の表計算ソフト「エクセル」、Adobe の画像加工ソフト「フォトショップ」や「イラストレーター」など、映像エンコードソフトの「メディアエンコーダー」や
TMPEG、H.264 など)
ここからは、パソコンの基本性能を見ていきます。
パソコンの性能を数値(スコア・点数)で比較できるソフト「HD BENCH」による測定結果は以下のようになっています。
参考に、他のパソコンのデータも載せておきますので比較対象にしてみて下さい。
(HD BENCH は古いソフトなので、グラフィック関連とハードディスク関連の測定は正確ではありません。 よって下記では CPU と メモリの性能のみ記載しています)
(また、性能を正確に表したものではないので、あくまで目安・比較用と考えて下さい)
エプソン製 Endeavor Pro3300 デスクトップパソコン、2005年秋に発売 CPU : Pentium D 830 (3GHz、デュアルコア) メモリ : 2G (PC2-5300) マザーボードチップセット : Intel 955X |
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東芝製 Qosmio F40W ノートパソコン、2007年秋に発売 CPU : Core 2 Duo T7500 (2.2GHz、デュアルコア) メモリ : 2G (PC2-5300) マザーボードチップセット : Intel P965 |
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HP(ヒューレットパッカード)製 Pavilion m9580 jp デスクトップパソコン、2009年春に発売 CPU : Core 2 Quad Q9550 (2.83GHz、クアッドコア) メモリ : 4G (実質 3.12G、PC2-6400) マザーボードチップセット : Intel G33 |
やっぱり CPU の性能 は、新型になるほど上がっていますね。
特に m9580 の Core 2 Quad (上位型) の性能のスコアは、他と比べると圧倒的です!
メモリの読み書きの速さも、新型&新技術によって上がっているのが解りますね。
続いて、パソコン性能測定ソフト(ベンチマークソフト)「CrystalMark 2004」による結果です。
こちらも、比較対象として他のパソコンの測定結果と並べて表記します。
エプソン製 Endeavor Pro3300 デスクトップパソコン、2005年秋に発売 CPU : Pentium D 830 (3GHz、デュアルコア) メモリ : 2G (PC2-5300) マザーボードチップセット : Intel 955X ビデオカード : RADEON X1950 pro (こちらで付け替えたもの) |
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東芝製 Qosmio F40W ノートパソコン、2007年秋に発売 CPU : Core 2 Duo T7500 (2.2GHz、デュアルコア) メモリ : 2G (PC2-5300) マザーボードチップセット : Intel P965 ビデオカード : GeForce 8600M GT |
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HP(ヒューレットパッカード)製 Pavilion m9580 jp デスクトップパソコン、2009年春に発売 CPU : Core 2 Quad Q9550 (2.83GHz、クアッドコア) メモリ : 4G (実質 3.12G、PC2-6400) マザーボードチップセット : Intel G33 ビデオカード : GeForce 9800GT (オンラインゲーム推奨モデル) |
CPU と メモリの性能は、HDBENCH で調べたものと同じような比率ですね。
やはり m9580 の Core 2 Quad がかなり高性能です。
ここでの注目は 3D グラフィックの性能です。(上記の画像では 3D と書いています)
3D グラフィックの性能は、立体的なグラフィックが使われたゲームをプレイする時に大きく影響し、ビデオカード(グラフィックカード、VGA)の性能が大きく影響します。
ゲームのプレイも考慮した「ゲーミングPC」にとっては、特に重視すべきポイントです。
見ての通り、やはり m9580 が 32000 を越える非常に高いスコアを出しています!
ビデオカードの「GeForce 9800 GT」は現在最高クラスのものなので、当然と言えば当然ですけどね。
2番目の Qosmio F40W の「GeForce 8600」は中間的な性能のタイプ。
これでも十分、オンラインゲームや 3D グラフィックが使われたゲームはプレイ出来るのですが、性能が高いほど快適に綺麗な画面を表示できます。
一番上のパソコンのビデオカード「RADEON X1950」はやや古いタイプで、大抵のゲームはこれでもプレイ可能なのですが、最新の 3D グラフィックが使われたゲームだとプレイ時に動作が重くなるかもしれません。
最後に、ハードディスク(HDD)の性能を測定する「CrystalDiskMark」というソフトで、データの読み込みや書き込みの速さをチェックしてみます。
エプソン製 Endeavor Pro3300 デスクトップパソコン、2005年秋に発売 HDD : SAMSUNG SP2504C 250GB、回転数 7200 rpm |
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東芝製 Qosmio F40W ノートパソコン、2007年秋に発売 HDD : (種類は不明) 160GB、回転数 5400 rpm |
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HP(ヒューレットパッカード)製 Pavilion m9580 jp デスクトップパソコン、2009年春に発売 HDD : (自社製のため詳細不明) 640GB×2、回転数 7200rpm、RAID 0 |
まずなんと言っても m9580 の「ファイナルファンタジーXI推奨モデル」は RAID 0 構成が最初から利用可能になっている事。
この検証もそのモデルで行っています。
この 「RAID 0」 は同じ種類の2台のハードディスクを同時に使ってデータを分散して読み書きする技術で、そのため処理速度が大幅に向上します!
2台同時に使うのでハードディスクが壊れる可能性が高くなるデメリットもあり、実際にどのぐらい早くなるのか私も気にしていたのですが・・・ 調査結果は上記の通り。
もう圧倒的な書き込み・読み込み速度です!!
ここで調査しているハードディスクは全て Sirial ATA(SATA)という技術に対応したもので、上の2つが SATA のちょっと古いタイプ(SATA1)だと思われ、m9580 が SATA2 という新型のものなので、その点で性能差があるのですが、にしてもここまで速度が違うのはやはり RAID 0 の効果でしょう。
一番上の Endeavor 3300 と m9580 は速度が2倍ほど違うので、「2台のハードディスクを同時に使って速度を向上させる」という理論からして、納得のいく数値と言えます。
以前パソコンの開発部の方から「性能の高いパソコンで RAID 0 を体験してしまうと、もう元には戻れない」という話を聞いた事があるのですが、それが頷ける結果です。
中間の Qosmio F40W が遅いのは・・・ ノートパソコンだからだと思われます。
ノートパソコンはバッテリーの消費を押さえるために、HDD の動作速度を抑える事があるため、その影響が出ているのではないかと思います。
とにかく性能面に関しては、Pavilion m9580 は現在(2009年春の時点)では、最高クラスのものと言っていいでしょう。
さて、ここまではパソコンの基本性能について見てきた訳ですが・・・
今時のパソコンの性能というのは、使われている「パーツ」で決まります。
つまり同じパーツが使われているなら、他社のパソコンでも基本性能は似たものとなります。
そこでここからは、もっと別の視点から見ていきましょう。
まずは前面パネルの内容。
本体下部に USB 2.0 のポートが2つと、マイク&イヤホン、IEEE1394 端子が1つ。
SD カードなどを入れるメディアカードリーダーも標準装備。
まあ、この辺は普通ですね。
特徴的なのがその右側の開口部。 なんとここは拡張 HDD スロットです!
ここに専用の HDD ドライブ(パーソナルメディアドライブ)をガチャっと差し込むと、そのまま容量が増設されるというもので、この HDD ドライブは外付け HDD として持ち出し、他のパソコンとUSB 接続する事も可能になっています。
要するに、「外付け HDD を内蔵してしまおう!」 という事。
日本HPさんは「ゲームも出来るような高性能モデルを使う人は、他にも多目的な使い方をする」と考えているようで、そのためこうした前面からアクセスできる増設スロットが用意されたようです。
さらに前面の中央部にも着脱式の「ポケットメディアドライブ」というのを差し込めるようになっていて、これも USB 接続も可能な外付けの HDDであり、250 GB などの容量があります。
ノートパソコンやネットブックを持っている人だと相性がよさそう。
これらの点が、この本体の最大の特徴かなと思います。
また、これらの機能を生かすため、前面パネルに「イージーバックアップ」というボタンが付いていて、これを押すと設定しておいた種類のファイルを自動的にバックアップしてくれる機能が付いています。
これならテレビを録画しまくってる人とか、動画を集めまくりな人とかも、そうとう容量に余裕がありそうだし、バックアップも簡単そうですね。
イージーバックアップはボタンを押すと右のような案内画面が出てウィザード方式で説明してくれるので、迷う事はありません。
なお、スケジュールに沿った自動バックアップも可能になっています。
・日本HP Pavilion Desktop PC シリーズ ※すでに後継モデルが登場しているため、リンクは HP Pavilion シリーズのトップページに移動します。 モデルは以下の5種類、カスタマイズ可能 ・カスタムモデル(BTO) ・ファイナルファンタジーXI 推奨認定モデル2種 ・モンスターハンター フロンティア オンライン推奨モデル ・ダブル地デジモデル |