○ 実機レビュー (2010年 夏モデル)
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パソコンの概要と外観、内部構造 |
G-GEAR シリーズはツクモ電機さんのゲームミングモデル(ゲーム用パソコン)のブランドです。
やや解りにくいのですが、ツクモ電機のパソコンは eX.COMPUTER というブランドになっていて、G-GEAR はそのうちの1つです。
現在のツクモ電機の親会社はヤマダ電機ですが、ヤマダ電機は他に FRONTIER(旧フロンティア神代)という老舗メーカーなども子会社にしているため、ヤマダ電気のパソコンには eX.COMPUTER や FRONTIER など複数メーカーのパソコンが存在します。
店頭では eX.COMPUTER や G-GEAR と書いてあればツクモ製だと思えばいいでしょう。
G-GEAR に使われているケースは横幅は標準的(21cm)、高さはやや高め(46 cm)、奥行きはやや小さめ(46 cm)です。
このクラスとしてはほぼ標準サイズだと言っていいのですが、高さにはやや注意。
デザインは中央にシルバーのラインが入っている以外は非常にシンプルなのですが、電源を入れると前面下部にあるケースファンの辺りが青色に発光し、さらに電源スイッチ周辺も青くぼんやり輝きます。
この青いライトのおかげで、スイッチを入れている時はむしろ綺麗な本体ですね。
発光が抑えめで、嫌みのないライトアップになっている所が良いです。
前面下部にはメッシュ(細かい穴)が付いた吸気口があるのですが、さらにこのケースは CD/DVD ドライブがある辺りの前面カバーも空気が通るメッシュカバーになっています。
これによって前面の広い範囲から空気が取り込めるようになっていて、少しでも通気を良くしようとしているのが伺えます。
側面のパネルにもかなり大きなメッシュ付きの穴が空いていて、側面の開口部がこれだけ大きいのは珍しいですね。
側面にはスライド式のレバーが2つ付いていて、これでカバーを簡単に取り外せるようになっています。
青く光っている様子。 あまり強い光でない所がいいです。 |
側面カバーにはかなり大きな開口部と2つのレバーが。 ネジも2本付いてますが、レバーがあるからネジはいらないような・・・ |
前面の上部には2つの USB 端子があり、さらに背面には 10 個もの USB があります。
ただ、このパソコン(G-GEAR シリーズで CPU が Core のモデル)には、IEEE1394 や eSATA と言った端子は付いていません。
これは使用されているマザーボード(PD55-SD50)がそう言った仕様だからで、ケース自体には前面に IEEE1394 用の端子部も用意されているのですが、使用できません。
IEEE1394 や eSATA は使わない人には必要ないのですが、端子の種類の少なさは欠点と言えるでしょうか。
内部の様子は以下のようになっています。
オーソドックスな内部と言えますが、CD/DVD ドライブなどを付けられる「5インチベイ」がズラっと5つも並んでいるのが特徴でしょう。
(そのため小型の 2.5 インチベイは存在しません)
これだけあれば、相応にパソコンに詳しい人なら、たくさんの5インチベイ用パーツを付けまくってオリジナルなパソコンに仕上げることも出来そうです。
前面ファンの後ろ、5インチベイの下部には HDD(ハードディスク)を装着する 3.5 インチベイ(HDD ベイ)が4つ用意されています。
HDD は横向き(コードの接続部が手前側)に入れるようになっていて、着脱しやすくなっています。
また、この HDD ベイは丸ごと取り外し、それにより横幅の広い大型のビデオカード(グラフィックカード)も装着できるようになっています。
まあその場合、HDD はどこに置くんだって話になりますが・・・
(今回の検証機とは異なりますが大型のビデオカードを搭載したモデルを選んだ場合、通常の HDD ベイが取り外され、5インチベイのいくつかが HDD ベイの変わりとなり、そこに追加でケースファンも付けられる形になるようです)
拡張カードスロットも豊富に用意されていて、ビデオカード(グラフィックカード)直下の1つは使えませんが、ビデオカードの上部に PCI Express x1 スロットが1つ、さらに本体の下部には PCI スロットが3つ用意されています。
これなら必要な人は、地デジチューナーカードなりサウンドカードなりを自由に取り付けられますね。
ただし・・・ 各種スロットやスペースに余裕があるパソコンなのに、注文時に選択出来る拡張カードや追加パーツはかなり少なめです。
サウンドカードや地デジチューナーなどは選択できず、5インチベイがズラっと並んでいるのに追加の CD/DVD ドライブや5インチベイ用のパーツの選択もなし、IEEE1394 や eSATA といった端子がないのにこれらを増設するカードも BTO(パーツ選択)には含まれていません。
もちろん、取り付ける場所はあるので、後で自分で買って付ける事は可能なのですが・・・ 初心者の方だと「その方法が解らない」という方は多いでしょう。
ツクモ電機は元々マニア向けのパーツショップと言え、中級者〜上級者の方に特に支持されていたお店です。
ですのでこのパソコンも、「拡張パーツは自分で選んで購入し、自分で付ける」と言うのが前提になっているのかもしれません。
そう言う意味では、ツクモらしいケースと言えるかもしれませんね。
なお、今回お借りしたパソコン(G-GEAR GA7J-B23/S)のパーツ構成は以下の様になっていました。
OS | Windows 7 Home Premium 32bit 版 |
CPU | Core i5 760 (2.8GHz、4コア) |
メモリ | DDR3 4GB |
ビデオカード | GeForce GTS 250 (VRAM 1G) |
HDD | 500 GB (製品名 WD Caviar Blue、WD5000AAKS) |
マザーボード | P55 チップセット (製品名 MSI P55-SD50) |
電源 | 470W 電源 (製品名 TOPOWER SilentPuls 470) |
本体価格 89,980 円の構成です。 税込みで約 92,000 円ですね。
10 万円以下のリーズナブルなパソコンですが、相応に高い性能を期待できる組み合わせと言えます。
ちなみに電源ユニットは TOPOWER という台湾のメーカーのものが使われていました。
品質に定評のあるメーカーで、ツクモ電機とは提携があり、ここの電源が使われるのは利点の1つと言えるかもしれません。
標準品でも 80PLUS 認証のものが付けられているのが特徴です。
HDD は Western Digital(ウェスタン・デジタル)というアメリカの会社のもので、定番のメーカーです。
性能の検証(HP Pavilion HPE290jp、及び Core i7 980X Extreme Edition) |
HP Pavilion s5450jp 2010年 夏スリムモデル |
DELL Alienware Aurora 2009年 秋モデル |
ドスパラ Galleria XT 2010年 夏モデル |
ツクモ G-GEAR GA7J-B23 2010年 夏モデル |
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CPU | Core i5 650 (3.2GHz、コア2つ) |
Core i7 920 (3.2GHz、コア4つ) |
Core i7 860 (2.8GHz、コア4つ) |
Core i5 760 (2.8GHz、コア4つ) |
メモリ | DDR3 4GB | DDR3 4GB | DDR3 4GB | DDR3 4GB |
VGA | GeForce GT315 | GeForce GTX 260 | GeForce GTX 470 | GeForce GTS 250 |
Core i7 950 | 3.2Ghz x 4 | 10536 | |
Core i7 920 | 2.6GHz x 4 | 9304 | |
Core i7 860 | 2.8GHz x 4 | 10130 | |
Core i5 760 | 2.8GHz x 4 | 9460 | |
Core i5 650 | 3.3GHz x 2 | 9026 | |
Core i3 530 | 2.9GHz x 2 | 7820 | |
Core 2 Quad Q9650 | 3.0GHz x 4 | 9528 | |
Core 2 Duo E8400 | 3.0GHz x 2 | 7460 |
Core i7 960 | 3.2Ghz x 4 (8) | 5.48 | |
Core i7 920 | 2.6GHz x 4 (8) | 4.75 | |
Core i7 860 | 2.8GHz x 4 (8) | 5.05 | |
Core i5 760 | 2.6GHz x 4 | 3.71 | |
Core i5 650 | 3.3GHz x 2 (4) | 2.90 | |
Core i3 530 | 2.9GHz x 2 (4) | 2.45 | |
Core 2 Quad Q9650 | 3.0GHz x 4 | 3.65 | |
Core 2 Duo E8400 | 3.0GHz x 2 | 1.80 |
※3D mark 06 はゲームではありませんが、世界標準と言える 3D グラフィック性能の測定ソフトです。
3D mark Vantage は最新の標準的な測定ソフトですが、スコアの差やブレが大きめに出るので目安程度にして下さい。
大航海時代 Online はノーマル測定です。 このソフトは 2D(平面)グラフィックの描画速度もスコアに影響する特徴があります。
どのベンチマークソフトも特に表記がない限り標準設定のままで測定を行っています。
目安として、大航海時代 Online は 300 以上、FFXI は 4000 以上、モンスターハンターは 3500 以上、バイオハザードは
60 以上で快適です。
ハッキリ言って、「10万円以下のパソコンとしては非常に優秀」と言える結果が出ました。
新型 Core i5 と GeForce GTS 250 というコストパフォーマンス最重要視の組み合わせですから、予想外という訳ではありませんが・・・
モンスターハンターやバイオハザード5と言った新しい 3D グラフィックがフル活用されるゲームでは、上位型のパーツが使われているマシンにはやや劣る結果となっていますが、FFXI
はかなりの高スコアです。
価格を考えると十分なスコアだと言えるでしょう。
そしてなんと言っても注目なのは、FFXIV のベンチマーク(性能測定)の結果でしょう。
3230 という、このクラスのパソコンとしてはかなり高いスコアを出しています。
FFXIV のベンチマークのスコアの目安は以下の様になっています。
3200 と言う事は、「やや快適」の範囲内になりますね。
FFXIV は最新のゲームではありますが、多くのパソコンで動作することを重視して、グラフィックは DirectX 9 というやや古めのものが使われています。
GeForce の最上位型 GeForce GTX シリーズは DirectX 10 や 11 という最新のグラフィックに対応したビデオカードですが、この点は
FFXIV では生かせないので、そのため GeForce GTS 250 でも十分なスコアが出るのだと思われます。
また CPU も、FFXIV は4スレッド(同時に4つの処理)までしか使用しないようです。
そのため Core i5 760 の「4コアで4スレッド処理」というのは、実は FFXIV にマッチしていたようです。
もちろん、もっと上位の CPU やビデオカードの方が、スコアは良くなります。
しかし「出来るだけ安く FFXIV を始めとする 3D グラフィックのゲームを快適に動かしたい」と考える場合、この構成はかなり効率的だと言って良さそうですね。
3D グラフィックのゲームに必要な性能については、こちらのページで詳しく解説しています。
ツクモ G-GEAR シリーズのパーツ構成と価格 |
・Windows7 の 32bit / 64bit 版 ※32bit 版だと使用できるメモリは 3GB まで ※64bit でも Home Premium だとメモリは 12GB まで。 |
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モデルによって選択出来るものが決まっています。 Core i3、Core i5、Core i7 の各種 CPU が使用可能。 AMD の CPU のモデルもあり。 |
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モデルによって選択出来るものが決まっています。 GeForce GT 240、GTS 250、GTX 460 / 470 / 480 など。 RADEON HD 5770 や 5870 も選択可能。 |
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メモリの種類は DDR3-1333(昨今の一般的なタイプ)。 4GB、8GB、16GB が選択可能。 |
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500GB〜2TB の各種容量を選択可能。 高速回転の HDD や SSD なども選択可能。 ハードディスクは3台まで選択できます。RAID はなし。 |
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80PLUS 認定品が標準装備されています。 80PLUS の BRONZE、SILVER、GOLD の高性能型を 任意に選択することも可能。 |
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・CD/DVD ドライブはブルーレイに変更可能 ・カードリーダーが初期設定では付いていない ・サウンドカードなし、追加ボードは USB 3.0 ボードのみ |
・ツクモ eX.computer G-GEAR シリーズ ・ツクモのパソコン eX.computer の中の「ゲーミングモデル」です ・CPU とビデオカードの組み合わせによる各種モデルが存在 ・一部のモデルはケースが大型ビデオカード対応の G-GEAR Plus になります (G-GEAR Plus は内部構造が一部違うだけで、ケースサイズは同じです) ・各ゲームの推奨モデル、3D Vision 対応モデルもあり |
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