○ 実機レビュー (2010年 秋モデル)
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パソコンの概要と外観、内部構造 |
今回取り上げている 「Prime Galleria」シリーズ はドスパラのゲーミングパソコンです。
Galleria HX は CPU に Core i7 870 という高性能で、かつ価格が高すぎないものが使用されていて、ビデオカード(グラフィックカード)にも
価格は標準構成で約 11 万円と、ゲーミングモデルとしてはリーズナブルなパソコンと言えますね。
冒頭で述べたようにドスパラさんの Galleria シリーズは、同じモデルでも時期によって中身が変わっています。
以前(半年前)の Galleria HX は CPU が Core i7 860、ビデオカードは
これにより、同名・同価格でも以前より性能が向上しています。
性能に関する詳細と、検証の結果については後述します。
本体の大きさは、幅は約 19 cm、高さは約 44 cm、奥行きは 51 cmで、このタイプのケースとしては標準的です。
デザインは前面の四方に面取りがあるのが特徴でしょうか。 やや鋭角的なデザインですね。
中央に柄のある光沢パネルが着いている以外は黒一色で、前面の下部にケースファンの通気口が付いているなど、設計自体は非常にオーソドックスだと言えます。
ケースは以前から使われているものと同様です。
また、最近の Gallria シリーズは、パソコンの基板となるマザーボードも変更されたようです。
以前はメーカー供給用の汎用低価格なマザーボード(MSI 社の PD55-SD50)が使われていたのですが、今回お借りしたモデルには市販されているマザーボード(ASRock
社の H55DE3)が使われていました。
このマザーボードの変更により、用意されている接続端子の種類なども変わっており、背部には USB が4つの他に、
Power eSATA は電力供給が可能な eSATA(外付けの HDD 用の端子)で、対応機器はまだ少ないのですが、普通の USB 端子としても使える特徴があります。
このマザーボードには、パソコンの起動を速くする Instant Boot などの機能もあるようですね。
Power eSATA 端子は私も初めて見ました。 キャップが付いている端子はCPU内蔵グラフィック用です。 |
中央には柄のある光沢パネルとガレリアのロゴが。 USB は縦に2つ、中央にスイッチがありますね。 |
ビデオカメラなどに使われている IEEE 1394 端子はありませんが、オプションで「IEEE 1394 ボード」を選択することが可能で、それを付ければ追加できます。
キーボードやマウスを接続するための古い端子 PS/2 ポートは1つしかないので、まだ PS/2 ポートの機器を使っている人はご注意下さい。
ゲーミングモデルには関係ありませんが、CPU 内蔵のグラフィック機能を使う時の出力端子に HDMI も用意されているのは1つの特徴でしょうか。
内部の様子は以下のようになっています。
オーソドックスなケースで、CD/DVD ドライブなどを入れる「5インチベイ」が4つ、その下に小型の HDD や SSD を装着する 2.5 インチベイがあり、前面下部には HDD ベイが用意されています。
HDD は横向き(コードの接続部が手前型)に入れるようになっている、近年一般化しているスタイルですね。
今回の検証機には、ビデオカードが装着可能な拡張スロット PCI Express x16 が2つありました。
これはマザーボードの H55DE3 が、ATI 社のビデオカード RADEON シリーズを2つ装着して処理速度をアップさせる技術「Cross Fire」に対応しているためです。
FFXIV は GeForce シリーズを発売している nVIDIA 社と提携があるため、FFXIV 推奨モデルであるこのパソコンで RADEON
を選択することは出来ないのですが、Gallria シリーズの RADEON 搭載型ではビデオカードを2枚組で装着出来るようになっています。
PCI Express x16 スロットは、PCI Express x1 や x4、x8 などの一般の拡張カードも装着できるため、普通の拡張スロットとしても使う事が可能です。
他に(使用できないビデオカード直下のスロットを除いて)、普通の PCI スロットが2つ、PCI Express x1 スロットが用意されており、相応の拡張性を備えています。
ドスパラさんは注文時に市販の地デジチューナーカードを選択できるので、テレビも見れる状態にして発注することも出来ますね。
今回お借りしたパソコン「Galleria HX」のパーツ構成は以下の様になっていました。
OS | Windows 7 Home Premium 32bit 版 |
CPU | Core i7 870 (2.93GHz、4コア) |
メモリ | DDR3 4GB |
ビデオカード | GeForce GTX 460 (VRAM 1G) |
HDD | 1TB (製品名 SAMSUNG HD103SI) |
マザーボード | H55 チップセット (製品名 ASRock H55DE3) |
電源 | 550W 電源 (製品名 Delta GPS-550AB A) |
本体価格は標準構成で約 11万円です。
HDD やマザーボードは時期によって別のものに変わる可能性もあるのでご注意下さい。
なお、もう1つのファイナルファンタジーXIV推奨認定モデルである「Galleria XT」は、以下の部分が変わります。
ビデオカード | GeForce GTX 470 (VRAM 1.2 G) |
電源 | 700W 電源 |
ビデオカードが1ランク上のものになって、それに合わせて電源も大容量のものに変わる、と言った形です。
これだと価格は約 13 万円になります。
この差がどのぐらいの影響を及ぼすのかは・・・ 次で解説します。
性能の検証(ドスパラ Prime Galleria HX / XT) |
DELL Alienware Aurora 2009年 秋モデル |
ツクモ G-GEAR GA7J-B23 2010年 夏モデル |
ドスパラ Galleria HX 2010年 秋モデル |
ドスパラ Galleria XT 2010年 夏モデル |
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CPU | Core i7 920 (3.2GHz、コア4つ) |
Core i5 760 (2.8GHz、コア4つ) |
Core i7 870 (2.8GHz、コア4つ) |
Core i7 860 (2.8GHz、コア4つ) |
メモリ | DDR3 4GB | DDR3 4GB | DDR3 4GB | DDR3 4GB |
VGA | GeForce GTX 260 | GeForce GTS 250 | GeForce GTX 460 | GeForce GTX 470 |
価格 | (旧モデル) | 約9万円 | 約11万円 | 約13万円 |
Core i7 960 | 3.2Ghz x 4 (8) | 5.48 | |
Core i7 950 | 3.2Ghz x 4 (8) | 10536 | |
Core i7 920 | 2.6GHz x 4 (8) | 9304 4.75 |
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Core i7 870 | 2.9GHz x 4 (8) | 10633 5.49 |
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Core i7 860 | 2.8GHz x 4 (8) | 10130 5.05 |
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Core i5 760 | 2.8GHz x 4 | 9460 3.71 |
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Core i5 650 | 3.3GHz x 2 (4) | 9026 2.90 |
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Core i3 530 | 2.9GHz x 2 (4) | 7820 2.45 |
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Core 2 Quad Q9650 | 3.0GHz x 4 | 9528 3.65 |
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Core 2 Duo E8400 | 3.0GHz x 2 | 7460 1.80 |
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※ x2 や x4 はコア数、(4)や(8)は同時に可能な処理数です。 |
※3D mark 06 はゲームではありませんが、世界標準と言える 3D グラフィック性能の測定ソフトです。
3D mark Vantage は最新の標準的な測定ソフトですが、スコアの差やブレが大きめに出るので目安程度にして下さい。
大航海時代 Online はノーマル測定です。 このソフトは 2D(平面)グラフィックの描画速度もスコアに影響する特徴があります。
どのベンチマークソフトも特に表記がない限り標準設定のままで測定を行っています。
目安として、大航海時代 Online は 300 以上、FFXI は 4000 以上、モンスターハンターは 3500 以上、バイオハザード5は
60 以上で快適です。
さすが FFXIV 推奨認定モデル、FFXIV のベンチマークのスコアは非常に高いですね。
他のベンチマーク(性能測定)ソフトやゲームのテストでも高いスコアを出しています。
大航海時代 Online や FFXI などの古い 3D グラフィックのゲームは、このクラスのビデオカードだと影響が上限に達してしまうようで、ほぼ
CPU の性能と相性のみが影響している形です。
逆にモンスターハンターやバイオハザード5などの新しい 3D グラフィックのゲームは、ビデオカードの性能差がダイレクトに出ていますね。
やはり GeForce GTX 200 シリーズより、GeForce GTX 400 シリーズの方が一回り性能が良いことが解ります。
価格も一回り高いので、コストパフォーマンスで考えるとそれほど大きな差はありませんけどね。
そして注目の FFXIV のベンチマーク(性能測定)の結果ですが・・・
GeForce GTX 460 の Galleria HX では 4560、GeForce GTX 470 の Galleria XT では 5040 という高スコアが出ています。
FFXIV のベンチマークのスコアの目安は以下の様になっています。
Galleria HX、XT、共に「快適に動作」の範囲内です。 かなり高いレベルと言えますね。
GeForce GTX 470 の Galleria XT だと HIGH(高画質設定)でも 3000 を越えるため、高画質でプレイする事も可能です。
FFXIV は最新のゲームではありますが、多くのパソコンで動作することを重視して、グラフィック技術は DirectX 9 というやや古めのものが使われています。
そのため最新のグラフィック技術に対応させることを重視した GeForce GTX 400 シリーズでは、その部分の性能は生かせないはずなのですが、FFXIV
のベンチマークに関しては、明らかに
FFXIV は GeForce を開発している nVIDIA 社と技術提携していて、そのグラフィック技術に最適化した開発が行われているため、
(でもベンチマークだと、なぜか nVIDIA 社のライバルである ATI 社の RADEON シリーズの方が(現時点では)スコアが良かったりしますが)
ともかく予算さえあるなら、FFXIV のプレイを視野に入れる場合、やはり GeForce GTX 460 や 470、480 を搭載したパソコンの方が良いと言えますね。
3D グラフィックのゲームに必要な性能については、こちらのページで詳しく解説しています。
ドスパラ Prime Galleria シリーズのパーツ構成と価格 |
・Windows7 の 32bit / 64bit 版を選択可能 ※32bit 版だと使用できるメモリは 3GB まで ※64bit でも Home Premium だとメモリは 12GB まで。 |
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モデルによって選択出来る CPU が決まっています。 基本的に、Core i5 の上位型か Core i7 の最新型から選択し、 Core i3 は下位モデルでしか選べません。 AMD 社の CPU のモデルも用意されています。 |
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ほぼ全ての最新ビデオカードが用意されていますが、 電源ユニットの出力の問題があるため、 モデルごとに選択出来る範囲が決まっています。 RADEON シリーズにすることも可能です。 |
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メモリの種類は PC3-10600(DDR3-1333、昨今の一般的なタイプ)。 4GB、8GB、16GB が選択可能です。 |
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500GB〜2TB の各種容量を選択可能。 特定メーカーの HDD や、SSD も選択可能です。 ハードディスクは3台まで選択でき、RAID の設定も可能です。 |
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700W クラスの高出力の場合、標準で 80PLUS 認証品になります。 80PLUS の BRONZE、SILVER、GOLD の高性能型を 任意に選択することも可能です。 |
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・ケースを大型で通気重視の特殊なタイプにする事も可能 ・CD/DVD ドライブはブルーレイに変更可能 ・ハードディスクの静音化や CPU 水冷化、ファンの変更なども可能です ・サウンドカード、地デジチューナーカードも選択可能 ・他に無線 LAN アダプタや IEEE1394 カード、USB 3.0 カードなどもあり |
・ドスパラ Prime Galleria HX / XT (ガレリアシリーズ) ※ドスパラの各モデルはパーツの入荷状況によって一時的に販売停止になる場合があります。 よって上記のリンクは Galleria シリーズのトップページに移動します。 ・ドスパラの「ゲーミングモデル」のパソコンです ・CPU とビデオカードの組み合わせによる各種モデルが存在 ・時期によって HDD やマザーボードの種類が変わる場合があります ・選択パーツの種類も在庫や入荷状況により変化する場合があります ・同モデルでも新型パーツの登場などにより構成が変わる事があります |
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