○ 実機レビュー (2010年 秋モデル)
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パソコンの概要と外観、内部構造 |
「G-Tune」は「マウスコンピューター」のゲーミングモデル(ゲームPC)です。
マウスコンピューターは会社の知名度がそれ程でもないため、この
G-Tune はゲーム向けの構成のパソコンや、特定のゲームに合わせた
ただ、FFXIV(ファイナルファンタジー14)の推奨認定モデルなどは用意されています。
現在(2010年モデル)の G-Tune のケースには、小型の LITTLEGEAR、中型の NEXTGEAR 、大型の MASTERPIECE の3種類がありますが、今回お借りしたのは中型の NEXTGEAR で、拡張性だけでなくデザインも重視されたものとなっていました。
前面パネルには綺麗な光沢処理が施されており、さらにこの前面パネルは片開きの扉になっていて、それを開くと中に CD/DVD ドライブとカードリーダーが装備されています。
ちゃんと内面部にもピアノブラックの光沢処理が施されており、扉もマグネットで「カチッ」と閉じるようになっていて、非常に高級感のある仕上がりとなっています。
以前に展示会で開発担当の方にお話をお聞きした時、「安っぽいものにはしたくなかった」と言われていたのですが、そうした考えが良く現れているデザインと言えます。
さらに中央の下部には青や赤に光るライト部分が用意されていて、このライトの色はとなりにあるボタンで変更することが出来ます。
ライトアップが行われるパソコンはいくつかありますが、こうした物理的なボタンでライトの色を変えられるものは珍しいですね。
ライトアップと言っても決して派手なものではないので、どんな部屋に置いても合うデザインと言えます。
お世辞抜きで、このクラスのパソコンとしては、デザイン的に最も優れているものの1つと言って良いでしょう。
前面の扉を開けたところ。 中も光沢のあるピアノブラック光沢塗装です。 |
ライトアップは4色に変更可能。 どれも綺麗ですね。 左側の銀色のボタンでカラー変更、右側のボタンはパワースイッチです。 |
ケースの大きさは幅 19 cm、高さ 42 cm、奥行き 49 cm です。
一般のパソコンは横幅が約 20〜25 cm、高さが約 40〜45 cm、奥行きは約 50〜55 cm が一般的ですので、ほぼ標準と言えます。
前面の最下部には USB が2つと、イヤホン・マイクの端子があります。
背面部には6つの USB 端子の他に、主にビデオカメラで使う
端子の数と種類については問題ないと言えますね。
内部の様子は以下のようになっています。
前面側に CD/DVD ドライブなどを入れるスロット(5インチベイ)が3つあり、その下部に 2.5 インチベイがあって、カードリーダーが装着されています。
その下には横向きに HDD (ハードディスク)を収納する HDD ベイ(3.5インチベイ)が、ぶら下がるように用意されています。
HDD ベイの下が空いているのは・・・ 通気性のためなのでしょうか?
この HDD スロットは正直言って、HDD が着脱しやすい形にはなっていませんでした。
横向きで入れるのは良いのですが、固定具などがないため HDD の両側をネジ止めしなければならず、しかし
しかし HDD ベイは前面パネルにネジ止めされているので、まず前面パネルを外さないと HDD ベイの取り外しが出来ません。
でも前面パネルもはずし辛い構造なので、結果として色々な部分をバラさないと HDD の着脱が行えなくなっています。
この辺はデザインを優先したための難点でしょうか・・・ 困難という程ではありませんが、内蔵 HDD の着脱はあまり考えない方が良さそうですね。
また、もう1つ気になるのがエアフロー(通気性)で、前面側にケースファン(扇風機)が存在しません。
吸気口はあるのですが自然吸気のみで、ケースファンは後部のみ。 CPU やビデオカードは主に側面の開口部から空気を取り込む形になっています。
よって冷却性がやや心配なのですが・・・ マウスコンピューターの解説文では、これでも十分な冷却は行えるとの事です。
でも、あまり暑い部屋の中で長時間使うのは避けた方がいい気はしますね。
ただ、前面ファンがないおかげで動作音が減っています。
CPU ファンにも静音性に定評のあるクーラーマスター社のものが使われていて、全体的に静かなパソコンになっていますね。
パッと見て、内部の様子で目立つのは・・・
銀光りして「鎌力」と漢字で書かれている、見た目からして豪奢な電源ユニットでしょう。
マニアからの評価も高い日本製の電源ユニットで、G-Tune は今年のモデルからこの高品質な電源ユニットを使うようになっており、パソコンのウリの1つにもなっています。
出力の安定性はもちろん、静音性が高い電源として知られていて、動作音が低いのはこれが使われているからでもあるのでしょうね。
電源ユニットはパソコンの寿命に直結する部分なので、確かにその品質は重要です。
電源からはかなり太いコードがたくさん伸びていたので、それらは結束バンドでまとめられ、5インチベイ(CD/DVD ドライブのスロット)の中に押し込まれていました。
「鎌力4」の字が目立つ電源ユニット周辺。 予備コードが多いので5インチベイに押し込まれている。 |
拡張カードは空きが4つ。 PCI Express x16 スロットは複数用意されています。 |
各種の拡張カードを取り付けるための「拡張スロット」は、ビデオカードの上に
ビデオカードを取り付けるための PCI Express x16 スロットが複数用意されているのは、使われているマザーボード(MSI X58 Platinum、MS-7522)が ATI 社のビデオカード RADEON シリーズを2つ装着できる技術「Cross Fire」に対応しているためです。
まあ今回のモデルは GeForce シリーズのビデオカードが使われているため関係ありませんが、PCI Express スロットはビデオカード以外の拡張カードを付ける事も出来るので、拡張性はある方だと言えますね。
ただし、注文時に地デジチューナーカードやサウンドカードを取り付けてもらう事が出来るかどうかは、モデルによって異なります。
今回のモデル i800SA6 は地デジチューナーなどを付けた状態で送って貰うことは出来ないものでした。
今回お借りしたパソコン「G-Tune NEXTGEAR i800SA6」のパーツ構成は以下の様になっていました。
OS | Windows 7 Home Premium 64bit 版 |
CPU | Core i7 970 (3.2GHz、6コア) |
メモリ | DDR3 12GB |
ビデオカード | GeForce GTX 470 (EVGA 製、VRAM 1.2 GB) |
HDD | 1TB (製品名 Western Digital WD10EALS-00Z8A0) |
マザーボード | X58 チップセット (製品名 MSI X58 Platinum、MS-7522) |
電源 | 750W 電源 (製品名 サイズ 鎌力4) |
パーツ構成、およびパーツの製品名は、あくまで今回の検証機に付いていたものですのでご了承下さい。
(時期により変わる可能性があります。 この辺りのパーツが使われるという「目安」として考えて下さい)
価格は約 23 万円という、かなり高価な構成です。
ただ、その価格の 1/3 は新型6コア CPU 「Core i7 970」によるものですね。
例えば CPU を Core i7 950 や Core i7 870 を使ったモデルにして、メモリも 6GB や 8GB
ぐらいにすると、価格は約 13〜15 万円ぐらいになります。
性能の検証(G-Tune NEXTGEAR i800SA6、Core i7 870) |
ツクモ G-GEAR GA7J-B23 2010年 夏モデル |
ドスパラ Galleria HX 2010年 秋モデル |
HP Pavilion HPE 290jp 2010年 夏モデル |
G-Tune NEXTGEAR i800SA6 2010年 秋モデル |
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CPU | Core i5 760 (2.8GHz、コア4つ) |
Core i7 870 (2.8GHz、コア4つ) |
Core i7 980X EE (3.33GHz、コア6つ) |
Core i7 970 (3.2GHz、コア6つ) |
メモリ | DDR3 4GB | DDR3 4GB | DDR3 12GB | DDR3 12GB |
VGA | GeForce GTS 250 | GeForce GTX 460 | GeForce GTX 260 | GeForce GTX 470 |
構成価格 | 約9万円 | 約13万円 | 約27万円 | 約23万円 |
Core i7 980X EE | 3.3Ghz x 6 (12) | 11381 8.71 |
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Core i7 970 | 3.2Ghz x 6 (12) | 11075 8.24 |
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Core i7 960 | 3.2Ghz x 4 (8) | 5.48 | |
Core i7 950 | 3.2Ghz x 4 (8) | 10536 | |
Core i7 920 | 2.6GHz x 4 (8) | 9304 4.75 |
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Core i7 870 | 2.9GHz x 4 (8) | 10633 5.49 |
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Core i7 860 | 2.8GHz x 4 (8) | 10130 5.05 |
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Core i5 760 | 2.8GHz x 4 | 9460 3.71 |
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Core i5 650 | 3.3GHz x 2 (4) | 9026 2.90 |
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Core i3 530 | 2.9GHz x 2 (4) | 7820 2.45 |
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Core 2 Quad Q9650 | 3.0GHz x 4 | 9528 3.65 |
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Core 2 Duo E8400 | 3.0GHz x 2 | 7460 1.80 |
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※ x2 や x4 はコア数、(4)や(8)は同時に可能な処理数です。 |
※3D mark 06 はゲームではありませんが、世界標準と言える 3D グラフィック性能の測定ソフトです。
3D mark Vantage は最新の標準的な測定ソフトですが、スコアの差やブレが大きめに出るので目安程度にして下さい。
大航海時代 Online はノーマル測定です。 このソフトは 2D(平面)グラフィックの描画速度もスコアに影響する特徴があります。
どのベンチマークソフトも特に表記がない限り標準設定のままで測定を行っています。
目安として、大航海時代 Online は 300 以上、FFXI は 4000 以上、モンスターハンターは 3500 以上、バイオハザード5は
60 以上で快適です。
大航海時代 や FFXI などの古い 3D グラフィックのゲームは、もうこのレベルになると大きな差は出なくなります。
モンスターハンターやバイオハザード5などの新しいゲームだと、今回検証している NEXTGEAR i800SA6 はさすがに高いスコアが出ています。
昨年の最上位型であった2枚組のビデオカード GeForce GTX 295 を搭載したマシンより、全体的に高いスコアを出しています。
この結果を見る限り、性能重視の構成を選ぶ場合は、もう GeForce GTX 200 シリーズを選ぶ意味はないと言えます。
今後 GeForce GTX 200 シリーズは値下がりすると思いますし、GeForce GTS 250 などのミドルクラスのものならコストパフォーマンスが良いので、価格の点では選択肢になりますけどね。
現在の 3D グラフィックのゲームの動作の基準と言える FFXIV のベンチマーク(性能測定)の結果は・・・
Core i7 970、GeForce GTX 470 という構成で 5580 という結果になっています。
FFXIV のベンチマークのスコアの目安は以下の様になっています。
「とても快適に動作します」の範囲ですね。
このレベルに達しているパソコンは 2010 年秋現在、ほとんど存在しません。
Core i7 970 と GeForce GTX 470 と言うかなりハイクラスな構成だからこそのスコアと言えます。
GeForce GTX 470 を使用していれば、CPU が低クラスのものでない限り、FFXIV のベンチマークスコアは 5000 を越えるようです。
5500 を越えているのは、CPU の Core i7 970 のパワーの分と言えるでしょうか。
ちなみに、GeForce GTX 470 は市場価格で4万円前後、1つ下の GeForce GTX 460 だと3万円前後ですがスコアは 4000〜4500
ぐらいのようです。
3D グラフィックのゲームに必要な性能については、こちらのページで詳しく解説しています。
G-Tune シリーズのパーツ構成 / パーツ選択アドバイス |
・Windows7 の 32bit / 64bit 版を選択可能 ※32bit 版だと使用できるメモリは 3GB まで ※64bit でも Home Premium だとメモリは 12GB まで。 |
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Core i7 900 シリーズを使うモデルは Core i7 950、970、980X から選択。 Core i7 800 / Core i5 のモデルは Core i7 870、875K、880 から選択。 Core i5 は Core i5 650 のみ。 Core i3 は小型モデルのみ選択可能。 |
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GeForce GTS 250、GTX 460 / 470 / 480 が選択可能。 小型や安価モデルは GeForce GT 240 / 220 から選択。 RADEON HD 5770 / 5850 / 5870 のモデルもあり。 また、2枚組(SLI や CrossFire)のモデルもあります。 |
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メモリの種類は PC3-10600(DDR3-1333、昨今の一般的なタイプ)。 Core i7 900 シリーズのモデルは3枚組(トリプルチャネル)で使用。 Core i7 800 シリーズのモデルは2枚組(デュアルチャネル)で使用します。 3枚組では 3GB〜24GB まで選択が可能。 |
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1TB〜2TB の容量を選択可能。 また、SSD も選ぶことが出来ます。 メーカーや高速型などの選択はなし。 HDD / SSD は2台まで選択できます。 RAID の設定はなし。 |
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選択できないモデルが多いですが、国産で高品質なものが使用されています。 80 PLUS 認証品。 出力も大きめのものが使われます。 500 W電源のモデルのみ 750 Wに変更可能。 |
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・CD/DVD ドライブはブルーレイに変更可能 ・地デジチューナーカードが選択出来るかはモデルによって異なります ・サウンドカードの選択はなし ・マウスコンピューターはディスプレイメーカーの iiyama を子会社化したため iiyama のディスプレイとのセット販売があります。 |
・G-Tune NEXTGEAR i800SA6 (ゲームPCブランド G-Tune) ※各モデルは新パーツの登場や価格の改定などで変更される場合があります。 よって上記のリンクは G-Tune のトップページに移動します。 ・マウスコンピューターの「ゲーミングモデル」のパソコンです ・CPU とビデオカード、HDD などの組み合わせによる各種モデルが存在 ・iiyama のディスプレイとセットにする事も可能です ・G-Tune の MASTERPIECE モデルは、NEXTGEAR とはケースが異なります ・RADEON 使用モデル、グラフィックカードを水冷にしたモデルもあり |
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