○ 実機レビュー (2015年 夏モデル、ゲーミングパソコン)
 マウスコンピューター / G-Tune NEXTGEAR i640(BTO / カスタマイズモデル)

G-Tune NEXTGEAR先月、マウスコンピューター / G-Tune のデスクトップパソコン「NEXTGEAR i640 GA6」を購入したので、そのレビューをお届けいたします。

ただ、先に言っておきますが・・・ このパソコンはメイン PC にするつもりで購入したものなので、BTO(カスタマイズ)で構成をかなり変更しています。
CPU クーラーを水冷に変え、大容量の SSD を搭載し、HDD も増量、電源やメモリも変えました。

つまり普通に G-Tune の NEXTGEAR i640 GA6 を買った場合とは構成が異なるので、そういうパソコンのレビューであることをご了承下さい。
どんなカスタマイズをしたのか、それによりパソコンがどんな性能 / 性質を持つようになったのか、使用感はどんなものか、そして1ヶ月使った後の感想はどうか、その辺りをお伝えしたいと思います。

G-Tune NEXTGEAR はゲーミングパソコンの1つで、「NEXTGEAR i640 GA6」は CPU が Core i7-4790K、ビデオカードは GeForce GTX 970 のモデルです。
かなりハイスペックなパソコンで、ゲームはもちろん、一般の作業や画像 / 映像処理など、あらゆる用途で高い性能を発揮します。

実機レビュー
















マウスコンピューター/G-Tune
 パソコンとカスタマイズ(BTO)の概要

G-Tune」は秋葉原を拠点とする日本のパソコンメーカー「マウスコンピューター」のゲーミングモデル(ゲーム用パソコン)のブランドで、ゲーム PC の先駆けです。
高性能な CPU と ビデオカード(グラフィックカード)を搭載したタイプで、ほとんどのソフトやゲームを快適に使うことが出来ます。
そのぶん一般向けよりも値段は高めですが、ゲーム PC としては G-Tune は安い方です。

G-Tune NEXTGEAR 外観

今回購入したパソコンに搭載された CPU は「Core i7-4790K」で、2014 年の夏に公開されたものです。
コアの名称は「Devil's Canyon」(デビルズキャニオン)で、通称「悪魔」。
ただ、実は 2015 年6月 に「Broadwell」(ブロードウェル、第五世代)、8月に「Skylake」(スカイレイク、第六世代)と呼ばれる新型コア(CPU)が発表されていて、それらを搭載したマシンもすでに市場に出回っています。

よって私が買ったパソコンの CPU は、いきなり1〜2世代前という事になってしまったのですが・・・
前に使っていたパソコンの調子がおかしくなり、急いで買い変えないといけなくなったので仕方がない・・・
(パソコンを買ったのは Skylake 発表の2週間前でした)

ともあれ、Core i7-4790K は前世代とは言え、Core シリーズの上位型「Core i7」であり、その中でも一般型で最上位の製品で、性能は十分です。
「K」と付いているのは性能を調整できるモデルであることを表わしており、その詳細は後述します。

ビデオカードは「GeForce GTX 970」を選びました。
一般型の最上位は GeForce GTX 980 ですが、さすがに値段が高すぎる。(8万円前後)
GeForce GTX 970 も十二分な性能を持ち、価格はその半分ぐらいなので、こちらを選択。

それでも安くはなく、コストパフォーマンスを重視するなら GeForce GTX 960 が一般的です。(2万円前後)
GTX 960 でも現行の 3D グラフィックのゲームなら、ほぼ不足なく高画質で遊べるのですが、将来のハイスペックなゲームをする時でも快適な環境でプレイしたかったので、許せる範囲で高性能なものを選びました。

なお、GeForce GTX 970 には「VRAM 3.5 GB 問題」と呼ばれる不具合があり、かなりの高負荷をかけた時に性能が下がる場合があります。
ただ、これは発生する状況が限定的で、ドライバの改善で対応されているようなので、今回は無視しました。

他のパーツも含む、今回の実機の構成は以下のようになっています。

【 G-Tune NEXTGEAR i640 GA6 (をベースに、カスタマイズしたPC) 】

OS  Windows 7 Home Premium 64bit
CPU  Core i7-4790K水冷クーラー
(Haswell Refresh 世代、4.0 GHz 〜 4.2-4.4 GHz、4コア/8スレッド)
メモリ  DDR3 16GB (PC3-12800)
 8GBx2、デュアルチャネル、ヒートシンク付き
HDD / SSD  480 GB SSD
(インテル製、SSD 535 シリーズ)
 2TB HDD、7200 rpm
(シーゲイト製 ST2000DM)
グラフィックカード  GeForce GTX 970、VRAM 4GB
 ZOTAC 製
マザーボード  Z97 チップセット
電源  700W 電源 (80PLUS 認証 GOLD)
 FSP グループ製
構成価格  204,300 円
(2015年6月時点。 税別。 モニター含まず)

赤字で書いている部分が、標準構成から変更した点です。

CPU クーラーは一般的なファン(扇風機)ではなく、水冷クーラーにしました。
水を循環させて冷やすもので、風で冷やすよりも当然よく冷えます。
大型の水冷ユニットが CPU に付くため、CPU の交換が難しくなるデメリットもありますが、今時のパソコンは CPU を変えるのはパソコン自体を買い換える時なので、そこは考慮しませんでした。

水冷にした理由は「これから夏だから」「騒音の軽減」「一応 CPU がオーバークロックモデルだから」の3つ。
夏だと室温が上がるため、CPU の温度も高くなり、その分だけ冷却ファンがブンブン回ります。
水冷ユニットにもファンは付いているのですが、空冷ファンより音は少なさそうだし、放熱が減るため、部屋がパソコンのせいで暑くなるのを幾分か防げます。
ただ、ファンの音については・・・ 目立った違いはなかったですね。
ケースファンやビデオカードのファンもあるので、高負荷時にはやはり相応の音はします。

「オーバークロック」というのは CPU の性能を引き上げることですが、そのぶん発熱が高くなるので、冷却を強化する必要があります。
まあ、普段からオーバークロックをするつもりはなかったので、この辺は「一応」という感じです。
本当の理由は、「なんとなく水冷にしたかった」「CPU 周りの掃除がめんどくさかった」だったりしますが・・・(笑

G-Tune NEXTGEAR 水冷ユニットと稼働中の模様
水冷ユニットの写真。 CPU が完全に覆われており、冷却液がパイプ内を循環、左のファン付きラジエーターで冷やされます。
このファンはケースの排気ファンを兼ねています。 昔はもっと大きかったのですが、最近のものはコンパクトですね。
右は我が家で絶賛稼働中の外観写真。 青いライトアップが施されています。 前面カバーは外しています。

SSD は、今のハイスペックパソコンには必須でしょう。
CPU が大幅に高速化している昨今、HDD が遅いままだと、そこがボトルネック(処理速度の足かせ)になってしまいます。
高性能なパソコンを買うなら SSD にしておかないと宝の持ち腐れになります。

ただ、SSD は容量が少ないのが問題。
OS のみを入れるならそれほど容量は要りませんが、頻繁に使うソフトは SSD 側に入れたいし、OS のデータも徐々に肥大化していきます。

そこである程度余裕を持って使えるよう、Intel の 480 GB の SSD(Intel 535 シリーズ)を選びました。
お値段は約3万円。 同じもので 240 GB なら 18000 円、120 GB なら 11000 円です。
高いけどしょうがない。 これでも一昔前よりはだいぶ安くなっていますが。

G-Tune(マウスコンピューター)では他にも、Kingston や ADATA、Crucial や SAMSUNG の SSD も選べます。
ただ、Kingston は安かろう悪かろうという評判が多く、SAMSUNG は速度の評価は高いけど耐久性の評価は低い。
ADATA や Crucial は最近の評判は良いようですが、やはり SSD は Intel のものが速度と耐久性・寿命のバランスが良く、トラブルも少ないようなので、無難にインテル入ってるにしました。

電源は 700W の 80PLUS 認証 GOLD のものを選びました。
このパソコンは標準でも 500W の 80PLUS 認証 SILVER のものが搭載されるようで、それでも十分に信頼に足ると思うのですが、電源は経年劣化があるし、USB 機器を使う機会も増えているので、今後のために余力のあるものを選んでおきたく、多少は省エネも考えたかったので出力を 700W に上げて上位ランクの GOLD 認証のものにしています。
ちなみに、さらに上の Platinum 認証のものも用意されていましたが、そこまでは要らないかな・・・
なお、購入時に電源のメーカーが解らなかったのですが、搭載されていたものは台湾の FSP グループ製でした。

他に、メモリ もヒートシンク(冷却板)付きのものにしています。
まあ、これは必要ないとは思ったのですが、G-Tune 特製だったのでなんとなく・・・
水冷パソコンはマザーボードやメモリが冷えない」というデメリットも聞いたことがあったので、 心配ないとは思うのですが一応。

他に HDD を 2TB に増量するなどの変更を行い、その結果、標準構成で 14万9800円 の G-Tune NEXTGEAR i640 GA6 が、カスタマイズ後は 約20万5000円 になりました。 消費税込みで 22万5千円。
うん、まあ、色々付けると高くなるよね・・・

でも私的に納得できるパソコンを得られたと思っています。
カスタマイズやパーツ選択理由の一例として、参考になればと思います。

 パソコンの外観と内部 (G-Tune NEXTGEAR)

ここでは G-Tune NEXTGEAR のケースの外観、及び構造を紹介したいと思います。
パソコンを買う際に G-Tune NEXTGEAR を選んだのは、このケースを前に見ていて、「これは良い」と思っていたからです。

G-Tune NEXTGEAR 前面パネル G-Tune NEXTGEAR カバーを外したところ
鋭角なデザインが特徴の前面カバー。
部屋や電灯が映り込んでいますが・・・
光沢があることが解ると思います。
カバーを外した状態。 この状態でも使えます。
前面の中央から下部には大きなメッシュが。
ここからケース内への吸気を行っています。

正面のカバーが特徴的ですね。 マジンガーとかロビンマスクとか言われているそうですが・・・
ともあれ鋭角なデザインが特徴で、表面には光沢のあるピアノ加工が施されており、高級感があります。

ただ、このカバーは取り外し可能です。 で、私は取っ払っています。
取り払うと普通の平らな外観になりますが、若干の凹凸があり、電源 ON 時の青いライトアップと内面にも施されているピアノ加工により、それでも高級感のある外装です。
正直、カバーの出っ張りが邪魔だったし、好みもあったので・・・ カバーをデザインした人、ごめんなさい。

そして前面の下部にあるメッシュ加工の部分は、押すだけで簡単に取り外せます。

G-Tune NEXTGEAR 着脱式メッシュカバー G-Tune NEXTGEAR インターフェイス G-Tune NEXTGEAR 背面
押すだけですぐ外せるメッシュ部分。
簡単にホコリを取り除けて良いですね。
上部の端子部。 SD カードリーダー付き。
USB は 3.0 が2つ、2.0 も2つ。
背面の様子。 側面にも吸気口があります。
背面の USB は 3.0 が4つ、2.0 が2つ。

このワンタッチで取り外して掃除できるメッシュカバーが、私的にポイント高かった部分です。
というのも、前のパソコンはほこりを掃除するためにメッシュを外そうとした時、前面のカバーを全部取り外さないといけなかったので・・・
それでも取り外せるだけマシだったのですが・・・

ともあれ、このメンテナンスしやすいこの構造は非常に良いです。
取り付け時も押すだけで「カチッ」とはまります。

USB 端子やイヤホンジャックなどは、本体の上部にナナメ上向きに付いています。
よってこのパソコンは床置きに向いています。
机の上に置くと使い辛くなりますが、机の下に置いて使う分には、ナナメ上向きの端子は非常に使いやすいですね。

マルチカードリーダーもここに用意されていて、USB 同士の間隔も広めに取られており、扱いやすい設計。
電源ボタンもここにあり、CD / DVD ドライブも含め、全てのアクセスが1ヶ所にまとめられています。

内部の構造は以下のようになっています。

G-Tune NEXTGEAR ケース内部 G-Tune NEXTGEAR ケースファンの裏側
内部の全景。 前面の吸気ファンが中央付近にあるのが特徴。
そしてその裏が空いていて、風が通りやすくなっています。
前面を裏から見たところ。 風が VGA に直に当たります。
HDD / SSD は側面から入れる方式。
G-Tune NEXTGEAR 電源ユニット周辺 G-Tune NEXTGEAR メモリと CPU
電源ユニット周辺。 VGA 直下を除いても、電源の上には
PCI Express スロットが x16 が1本、x1 が2本あります。
銀色に光っているのが G-Tune 特製ヒートシンク付のメモリ。
VGA の上の PCIe スロットはパイプがあるので使えなさそう。

ケースファンが前面中央部にあり、その後ろが空いていて、ファンの風が直接ビデオカードに当たる設計が特徴です。
つまりビデオカードの冷却を最優先に考えていて、まさに「ゲーミングモデルのためのケース」ですね。
また、このような構造なので内部全体のエアフローも非常に良く、電源やメモリ、CPU の方にも風が行きやすくなっています。

そのぶん5インチベイ(CD / DVD ドライブなどをセットする部分)は2つしかなく、その点の拡張性は低いです。
(5インチベイの下には 3.5 インチベイが1つあります)

ただ、今は CD / DVD ドライブをたくさん装着する時代ではなくなりました。
私も昔は CD の出し入れが面倒くさかったのと、音楽 CD やデータディスクの作成、CD の焼き増しなどをするため、CD / DVD ドライブは2つ付け、CD を入れるための引き出しも付けていました。
しかし今は音楽はスマホで聞くし、データの記録は USB メモリで行うし、ソフトもダウンロード販売になったので、CD / DVD はそんなに使いません。
ブルーレイをよく使う人や、今でも CD / DVD を焼いている人だと別だと思いますが、私は5インチベイはもう1つでも良いかなという感じです。

NEXTGEAR のケースは幅 19cm、奥行き 47cm、高さは一番高い部分で 45cm。 前面カバーを付けた状態だと奥行きは 54cm になります。
ミニタワーとしてはサイズは一般的で、ゲーミングモデルとしてはやや小さめ。

中は十分に広く、メモリなどの着脱はしやすいですね。 HDD / SSD は側面から出し入れできます。
PCI Express スロットもビデオカードの上部と直下以外に、x16(x4動作)が1本、x1 が2本あるので、不足はない印象です

 性能の検証 (Core i7-4790K、GeForce GTX 970)

ここからはパソコンの性能を、ベンチマーク(性能測定)の結果や使用感をレビューしたいと思います。

まずは今回のマシンの各パーツの詳細について。
やや専門的な説明になるのでご了承を。

CPU は前述したように「Core i7-4790K」。
コアの名称は Devil's Canyon ですが、このコアの Core i7 はこれだけしか発売されなかったので、一般には 2013〜2014 年の CPU である「Haswell」(ハスウェル)の世代に含まれます。 その最後期型ですね。
「第4世代 Core プロセッサ」とも呼ばれているタイプで、クロック数 は定格 4GHz、最大で 4.2〜4.4 GHz で動作。
4コア / 8スレッド の CPU で、L3 キャッシュ は 8MB、第4世代の一般型 Core i7 の最上位モデルです。

ちなみに「第5世代 Core」の Broadwell(ブロードウェル)は、デスクトップパソコンではほとんど使われていません。
「第6世代 Core」の Skylake(スカイレイク)は内蔵グラフィック機能の強化に加え、公称で性能が 10 %上がっているとされています。
ただ、状況によっては Haswell と変わらない場合もあり、得手不得手があると言われています。 省電力性能は向上している模様。

ビデオカード(グラフィックカード、VGA)は GeForce GTX 970 で、台湾の ZOTAC 製。
現在主流の GeForce シリーズの「中の上」にあたるモデル。
性能重視のゲーマーが選ぶ VGA としては一般的なものでしょう。
GTX 980 はお金持ちか超ヘビーゲーマー用、GTX 960 は一般のゲームプレイヤー用ですね。
(ちなみに GeForce GTX 950 は、この記事を書いた時点では発表されていませんでした)

メモリ は DDR3 を 16 GB(8GB x2)搭載。デュアルチャネル で動作。
米 Kingston の製品で、巷のメモリのベンチマーク結果などを見る限りでは、同世代の製品の中では速い方の模様。
SSD はインテル製を選択、HDD はシーゲイト製のものが搭載されていました。

とりあえず一通り見た感じ、安物が使われている様子はありません。
マザーボードには MSI の刻印がありましたが、マウスコンピューターはマザーは自社で調整したものを使っているそうです。
今回のマシンもそうなのか解りませんが、パーツの物理的な干渉や、安定性の問題などを改良しているそうで、市販品そのままではないそうです。

そして調査結果。
CPU とメモリ、HDD / SSD のベンチマーク、及び一般的な作業速度の測定結果は以下の通りです。
比較対象として他社のパソコンも併記しています。 今回測定したマシンは一番右です。

マウス G-Tune
NEXTGEAR-MICRO
im520
パソコン工房
15GSX8050-i7-YFB
(ノートPC)
ドスパラ
GALLERIA XF
マウス G-Tune
NEXTGEAR
im640 GA6 (BTO)
タイプ 廉価型ゲーミングPC ゲーミングノート ゲーミングPC ゲーミングPC
時期 2013年 夏モデル 2014年 夏モデル 2014年 秋モデル 2015年 夏モデル
価格 69,930 円 142,980 円 139,980 円 (149,800円)
CPU Core i3-3240
(3.4GHz、2コア)
Core i7-4710MQ
(2.5GHz、4コア)
Core i7-4790
(3.6GHz、4コア)
Core i7-4790K
(4.0GHz、4コア)
メモリ DDR3-1600 8GB DDR3-1600 8GB DDR3-1600 8GB DDR3-1600 16GB
VGA GeForce GTX 650 GeForce GTX 870M GeForce GTX 970 GeForce GTX 970
記録装置 HDD(東芝製) HDD(ウェスタンデジタル製) HDD(東芝製) SSD(インテル製)
PCmark05
CPU 4スレッド測定
10753 5876 15006 16073
CINE BENCH 11.5
CPU 最大スレッド測定
3.32 7.15 8.29 9.18
PCmark05
メモリ速度測定
7700 6337 11941 13616
PCmark05
HDD/SSD 速度
7156 5487 10235 53788
PCmark7 Lightweight
軽処理能力 総合評価
2486 1447 3265 6486
PCmark7 System Storage
読込/書込能力 総合評価
1835 1496 2257 5408

CPU の速度はさすがですね。 上位モデルらしい高性能。 16000 を超えるスコアを出しています。
上位マザーボードであることもあってか、メモリ の速度も速くなっています。
データ記録装置も SSD なのでスコアは非常に高く、50000 を越えています。

その結果、PCmark7 の作業速度の評価もすごい高スコアが出ました。
実際、ブラウザの表示切り替えテストとか、メチャメチャ速かったです。

以下は SSD の速度を別に計測した結果です。

Crystal DiskMark 3 Intel 535 480GB Crystal DiskMark 5 Intel 535 480GB

この数値だけ見ても解りにくいですが・・・ 最新の SSD だけあって、一昔前の SSD よりもさすがに速いです。
ただ、近年の SSD と比べると、読み込みは速いけど、書き込みの速度はそれほどでもないですね・・・

Crystal Diskmark 3 の測定で、この SSD(Intel 535)の書き込み(Write)は上から 270・230・20・80 といったスコアですが、「ADATA SP900」や「Crucial BX100」といった SSD は上の2つは 300 越え、下の2つも 100 を超えるデータが見られます。
そしてこれらの SSD も G-Tune での注文時に選択することが出来るので、速度重視の方はそちらを選んだ方が良さそうです。
ただ、インテルや東芝の SSD は寿命や信頼性に定評があるので、そういったデータに出にくい部分で優れていると思いたいですね。

そして、実際の使用感ですが・・・ まず Windows の起動は、超速いです
Windows 7 にしていますが、Windows が起動し始めて、デスクトップ画面が出るまで 10 秒ぐらいです。
起動時に表示される旗とロゴの画面が「出切る前に」デスクトップになります(笑

電源を入れてから Windows が起動し始めるまでの時間は、USB 機器の有無などに左右されますが、マウスとキーボードだけならこちらも 10 秒ほど。
結果、電源ボタンを押して 20 秒程でデスクトップ画面になります。 これが最新 CPU と SSD のパワーか・・・
ちなみに1ヶ月ほどの使用では、起動時間は特に変わっていません。

ただ、それ以外の使用時の速度は・・・ そこまででもないかも。
もちろん速いことは速いのですが、インターネットにアクセスする作業は通信接続とデータの受信に時間がかかるので、やはりそこで待つことになるし、容量の少ない SSD に大きなソフトをインストールする訳にはいかないので、iTunes やメールソフト、データや画像などは HDD 側に置くことになります。
そうすると、それらの読み込みは HDD からなので SSD の恩恵は少なくなる。
もちろん快適にはなっているのですが、普段から「ちょーはえー!」と思うぐらいではないかな。

それでも Windows の起動が速くなったのは大きいし、全体的にサクサク動いているとは思います。
まあこの辺は、どんな環境から移行してきたかでも違うでしょう。
私の場合は前のパソコンも Core i7 の上位型でしたから、やや感じにくいかもしれません。

続いてグラフィック性能について。 ゲーミングモデルですからここは重要な点ですね。
今回の検証機は一番右です。

ドスパラ
GALLERIA XG-A
パソコン工房
15GSX8050-i7-YFB
(ノートPC)
マウス G-Tune
NEXTGEAR
i850PA3
マウス G-Tune
NEXTGEAR
im640 GA6 (BTO)
タイプ ゲーミングPC ゲーミングノート 最上位ゲーミングPC ゲーミングPC
時期 2013年 年末モデル 2014年 夏モデル 2014年 年末モデル 2015年 夏モデル
価格 179,980 円 142,980 円 239,800 円 (149,800円)
CPU Core i7-4770
(3.4GHz、4コア)
Core i7-4710MQ
(2.5GHz、4コア)
Core i7-5820K
(3.3GHz、6コア)
Core i7-4790K
(4.0GHz、4コア)
メモリ DDR3-1600 8GB DDR3-1600 8GB DDR4-2133 32GB DDR3-1600 16GB
VGA GeForce GTX 780 GeForce GTX 870M GeForce GTX 980 GeForce GTX 970
記録装置 HDD(シーゲイト製) HDD(ウェスタンデジタル製) HDD(シーゲイト製) SSD(インテル製)
グラフィック
3Dmark11
通常画質 P 11754 P 6950 P15047 P 13857
高画質 X 4542 X 2300 X 5768 X 5114
グラフィック
3Dmark
Cloud Gate -- -- 29096 28072
Fire Strike -- -- 11486 9966
FF XIV ベンチ
キャラクター編 最高画質
12637 9255 20723 21996
モンハンオンライン
1280x1024
38656 21600 49342 43618
ドラゴンクエストX
最高画質
13625 ※ 5370
正常測定不可
18201 19293
測定結果一例 G-Tune NEXTGEAR i850PA3 3Dmark11 G-Tune NEXTGEAR i640 GA6 FF14ベンチ
消費電力 アイドル時 60〜65W -- 65〜70W 50〜55W
消費電力 高負荷時 280〜300W
最大 315W
-- 265〜270W
最大 295W
240〜280W
最大 300W

3Dmark のテストでは、さすがに GeForce GTX 980 搭載機には達していませんが、それでもかなりの高スコア。
むしろ GTX 980 と比べても大きな差ではないので、やはりコストパフォーマンスは高いですね。

一方、FF14 のベンチマークでは GeForce GTX 980 搭載機よりスコアが高くなりました。
これはドライバの問題か、それとも GTX 980 搭載機は他のパーツも規格外の超ハイスペックマシンで、逆に計測がうまく行かなかったりしてたので、その辺の相性の問題なのか・・・
モンスターハンターオンラインの計測でも思ったほどの差は付かなかったので、やや古めのグラフィック技術のゲームでは、差が出にくいのかもしれません。

一応、今回 Windows 7 と Core i7-4790K を選んだのは、相性や新型パーツのリスクも考えてはいます。
ドラゴンクエストX のベンチマークでも、今回の実機が一番高いスコアを出していますね。

GeForce GTX 970 ベンチマーク結果
※左は FF14 の最新ベンチ(蒼天のイシュガルド編)の測定結果。 右は ドラクエX。 どちらも設定は最高品質。

以下は 3Dmark の Fire Strike(ハイパフォーマンス測定)の結果グラフ。
測定中の CPU の温度などを確認できます。

G-Tune NEXTGEAR i640 GA6 3Dmark FireStrike

計測中の GPU(ビデオカードのコア)の温度は 80 度に達していました。 GeForce GTX 970、思ったより熱くなるなぁ、という印象。
CPU の温度は水冷だからか、高くても 60 度以下に抑えられていました。

テスト中のファンの音は、やはり相応に大きかったです。
GeForce 900 シリーズは前のモデルより発熱や消費電力が軽減されていると言われていますが、それでも高性能なビデオカードですから熱は持つ訳で、そうするとケース内の温度も高くなり、ケースファンも勢いよく回っていました。
普段の駆動音は割と静かなんですけどね。

消費電力は、アイドル時(作業していない時)は 50〜55 W。 このクラスのパソコンとしては低めの消費電力です。
しかしベンチマーク中は、ビデオカードのテスト時で 220〜280 W。 さすがに高いですね。 ただ、負荷によって消費電力が大きく変わっていた印象で、負荷の低い時は出来るだけ消費を抑えているようです。
CPU のみのテストの時は 120〜130 W 程度。 両方のテスト時には最大で 300 W に達しました。
このクラスのゲーミング PC としては、一般的な消費電力と言えるでしょうか。
省電力化が進んでいるかと思いましたが、やはり高性能なパーツは相応に電気を使いますね。

 余談 : オーバークロックについて

最後に、少し「オーバークロック」について・・・

オーバークロックとはパソコンの性能を引き上げることです。
例えば、CPU には少し余力があり、本来ならもっと出せる性能を、安定性や安全のために抑えています。
それを限界まで出してやろうというのがオーバークロックです。

しかしそんなことをすると非常に高温になったり、パソコンが急に止まったりする危険があります。
よって良い子はやってはいけません。 この項目は悪い子だけ見て下さい。

オーバークロックはリスクを伴う行為ですが、今回の CPU「Core i7-4790K」は性能調整が可能なモデル、いわゆる「オーバークロック仕様」です
そもそも Devil's Canyon というコアの名称も、オーバークロック用であることを想定して付けられたもののようです。
また、オーバークロックする場合は熱対策が必要になりますが、今回のマシンは水冷です。 メモリもヒートシンク付き。

という訳で、少し CPU の性能を引き上げて、その結果を報告したいと思います。

今回は簡単にオーバークロックを行える、Intel が公開している「Intel Extreme Tuning Utility」というソフトを使います。
これは こちら でダウンロードできます。

CPU のクロック数(速度)は、ベースクロック(リファレンスクロック)を何倍かして、実際に動作するクロック数にしています。
この CPU のベースクロックは 100 MHz。
Core i7-4790K は、コアを1〜2つ使っている時は 44 倍(4.4 GHz)、3つの時は 43 倍(4.3 GHz)、4つなら 42 倍(4.2 GHz)で動くようになっています。

Core i7-4790K コア倍率

この倍率を引き上げれば、クロック数、つまり処理性能がアップします。

まずノーマルの状態で、このソフト付属のベンチマークテストを行ってみます。
ベンチマーク中は最大コアで動くので、動作は 4.2 GHz になります。 結果は以下の通り。

Core i7-4790K オーバークロック前

スコアは 973。 グラフは水色が温度で、最高は 67 度でした。
CPU の温度は 80 度を超えると危険と言われていますが、まだ余裕がありますね。
ちなみに水冷だからか、計測が終わるとすぐ温度は 40 度以下まで下がりました。

そして今回は、簡単な「Basic Tuning」の設定で、倍率を一律 46 倍にしてみます。つまり 4.6 GHz
また、最近の CPU は「Processor Cache Ratio」という部分も変更できます。
これはコア以外の部分の速度(メモリとの通信速度など)の設定のようで、これも 40 倍から 42 倍にしてみます。

これでどうなるのか・・・ 結果は以下の通り。

Core i7-4790K オーバークロック後

スコアは 1017。 4.5 %ほどアップ。 ただ温度は最高で 75 度まで上昇しました。
80 度近いので、この辺が無難なところでしょう。

CPU の性能をチェックする CINE ベンチではスコアは 9.18 → 9.92 に上がっていました。
こちらだと8%のアップですね。

Core i7-4790K オーバークロック CINE ベンチ

4.5 %や8%と言うと大したことなさそうですが、4.2 GHz が 4.6 GHz で動くようになった訳で、それだけの性能差があれば CPU の値段は1万円以上変わって来ます。

とはいえ、オーバークロックはリスクのある行為。
メーカーの保証も受けられなくなる場合があるので、十分な知識と自己責任の下で行うものだと思いましょう。




以上、マウスコンピューター / G-Tune のゲーミングパソコン「NEXTGEAR i640 GA6」のレビューでした。

レビューと言うより、「俺様のパソコン自慢」みたいな感じになった気もしますが・・・ カスタマイズの一例になったと思います。
普通に標準構成で買っても悪い訳ではないのですが、自分で色々と選んで買った方が、使う楽しみが増えるし、性能に納得することも出来ますね。
ヘンなパーツを選ぶとトンでもないことになりそうだと思われている方もいそうですが、そういうパーツはマウスコンピューターでは選べないのでご安心下さい。
パーツごとの相性などはしっかりチェックされているようなので、ぜひ BTO(カスタマイズ)にも挑戦して欲しいと思います。

マウスコンピューターは構成に対する価格が安く、技術力も高いメーカーです。 ゲーミングパソコンを扱うメーカーとしても老舗です。
昔は知名度が低かったのですが、「秋葉原のパソコンショップ」らしいマニアも納得のパソコンを送り出し続け、今や日本のトップクラスのメーカーに成長しています。
長野県飯山市の大規模工場で組み立てを行っている「国産組み立て」のメーカーであり、安心感もあります。

日本のゲーミングモデルとしては、G-Tune NEXTGEAR は定番と言っても良いでしょう。
まあ、自分のメイン PC に選んだぐらいですし、オススメのマシンです。

(実売価格はキャンペーンや時期・構成などで変動します。 下記メーカーページでご確認下さい)

G-Tune NEXTGEAR マウスコンピューター(G-Tune トップページ) icon

すでに新しい世代の Core を搭載したモデルが公開されています。
よって上記のリンクは NEXTGEAR i640 ではなく、G-Tune のトップにしています。
今回の実機は「ゲームPC(G-Tune)」の「デスクトップPC」に含まれる NEXTGEAR の1つです。
各モデルの構成や選択できるパーツは、在庫等により変わる場合があります。
このページの内容は 2015 年 8 月時点のものです。



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