○ 実機レビュー (2013年 年末モデル、高性能型デスクトップPC)
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パソコンの概要 |
GALLERIA(ガレリア)はドスパラの「ゲームパソコン」のブランド名です。
ゲーム用のパソコンは一般的に、高性能なビデオカード(グラフィックカード)が搭載されていて、長時間の使用に耐えられるよう冷却性(エアフロー、通気性)が重視されています。
もちろん価格も高くなりがちなので、安価なゲーミングモデルはビデオカードを優先する分、CPU を弱めにして、値段を抑えている場合が多いです。
ただ今回試用した GALLERIA XG-A はハイスペックモデルであるため、CPU の処理性能も最高クラスです。
ゲーム以外のどんな用途でも快適に使うことが出来るでしょう。
ドスパラのゲームパソコンには全て GALLERIA(ガレリア)のブランド名が付けられていますが、実際にはいくつかの種類があります。
ガレリアのデスクトップパソコンのケースには大型からコンパクトサイズまで4つの種類があり、今回試用した XG-A は中サイズの上位モデルになります。
ただし中サイズといっても大型のビデオカードを搭載できる大きさですから、デスクトップ全体から見ればやや大きめですね。
小型のケースは搭載できるビデオカードに制限があり、大型ケースは拡張パーツをてんこ盛りにしたり、ビデオカードを2枚組(SLI)にしたりしない限り必要ありませんので、この中型のパソコンが一般的です。
今回試用したモデルの構成は CPU が Core i7-4770、ビデオカードは GeForce GTX 780 で、2013 年末時点の最上位型としてはもっともバランスが取れた組み合わせです。
ただ、ビデオカードに関しては、GeForce GTX 780Ti という 780 の改良型も登場しています。
少し高くなりますが、より高性能を求める人は、そちらが搭載された GALLERIA XG-A 780Ti を選ぶのも良いですね。
OS | Windows 7 64bit |
CPU | Core i7-4770 (Haswell、3.4GHz〜3.9GHz、4コア/8スレッド) |
メモリ | DDR3 PC-12800 (1600MHz) 8GB |
HDD | HDD 2TB (シーゲイト製 ST2000DM001) |
グラフィックカード | GeForce GTX 780、VRAM 3GB |
電源ユニット | 750W 電源 (検証機は DELTA 製) (2013年12月の販売モデルでは 700W の静音電源、AcBel 製 / 80PLUS BRONZE が標準) |
マザーボード | Z87 チップセット |
構成価格 | 179,980 円 (2013年12月24日現在。 税込み、送料別、モニタ別) |
CPU やメモリ、ハードディスク/SSD や電源ユニットなどは、注文時のカスタマイズ(BTO)によって変更可能です。
ただしビデオカードとマザーボードはこのモデルでは固定です。
ドスパラのガレリアシリーズには数多くのモデルがありますが、それらは「ケース+マザーボード+ビデオカード」の違いだと思って構いません。
ちなみに GeForce GTX 780Ti を搭載した XG-A 780Ti の方は 189,980 円で、1万円高くなります。
やや注意すべきなのは、モデルに応じてマザーボードが違うこと。
パソコンの上級者の方以外はあまり気にする必要はないのですが、例えば同じ Core i7 で GeForce GTX 780 を搭載したモデルでも、XG-M
はマザーボードが「B85」、XG-A はマザーボードが「Z87」です。
他に「H87」が使われているモデルもあります。
Z87 は CPU のオーバークロック(性能調整)が可能で安定性も高く、B85 は SSD と HDD を連動させて HDD の速度を少し高める「SRT」という技術に対応していません。
また B85 は(一部を除き)古い拡張スロットである PCI スロットがありません。
意味が解らない方は気にしなくても良いレベルなのですが、SSD と HDD を双方搭載したい方は、B85 のマザーボードの機種は避けた方が良いですね。
私的には、このクラスのパソコンでデータ記録装置が HDD だと、その部分が動作速度のボトルネック(足かせ)になるため、SSD を搭載したいのが本音です。
もちろんその場合、価格はさらに高くなりますが・・・
パソコンの外観 (ドスパラ GALLERIA XG-A) |
ここではパソコンの外観と中身をチェックしてみたいと思います。
まずは外側の様子。
側面や天井には通気用の開口部が。 さらに底面にも通気口があるのが特徴です。 本体はつや消しブラック一色ですね。 |
前面下部にはメッシュの通気口。 前面 USB は 3.0(青)が2つ、2.0(黒)が2つ。 角に面取りがある以外は、かなりシンプルなデザイン。 |
正面の角が大きく面取られているのが特徴ですが、目立つ凹凸や装飾があったりする訳ではない、ほぼ黒一色のシンプルなデザインです。
サイズは高さが 45 cm、幅は約 21 cm、奥行きは約 52 cm。
ゲーミングモデルというと、メーカーによってはいかにもゲーム的なデザインをしている場合もあるのですが、この本体はそういった感じではありません。
地味と言えば地味ですが、どこに置いても恥ずかしくないデザインでもありますね。
正面の下部にはメッシュ付きの開口部があり、ここが吸気口になっています。
さらに左側面、右側面、天井、底面、後部と、全ての方向に開口部が存在します。
CPU の裏側にある開口部はマザーボードの冷却のためのようで、ここに開口部があるパソコンはちょっと珍しいですね。
底面の吸気口を活用するためか、底には少し高さのあるゴム足が付いていて、これは振動を弱め、本体を安定させる特殊な素材で作られているようです。
四方八方から吸気しようというのが伺え、この辺りは冷却が重要になるゲーミングモデルらしいと言えます。
内部の様子は以下の様になっています。
ケース内部の全景。 中は広々していますね。 CPU の側面だけでなく、上部にもファンがあるのが特徴。 空きスロットは PCI Express が2本あります。 |
底面にも通気口があるのに注目。 ファンの取り付けも可。 底を塞いでしまうのでカーペットの上に置かないように。 HDD はカートリッジに取り付けて側面から差し込む形。 |
内部の様子はオーソドックスです。 ただ、天井の開口部にも廃熱ファンが付いているのは特徴ですね。
また、注文時の選択で、底面や側面の開口部にもファンを付け、通気性をさらに高めることも可能です。
もちろんケースファンを増やせば動作音も大きくなると思いますが。
5インチベイ(CD/DVD ドライブの収納場所)は5つ、HDD ベイ(HDD の収納場所)も5段あり、本体が大きめで設計が一般的なおかげで拡張性は十分。
HDD はカートリッジ型の専用ケースで容易に着脱を行えるようになっています。
全体としてはシンプルで一般的、堅牢性と内部スペースを重視した設計です。
中に手を入れやすく、パーツの交換や増設はしやすいですね。
性能の検証 (Core i7-4770、GeForce GTX 780) |
ここからはベンチマークソフト(性能測定ソフト)を使った、性能の検証結果を報告します。
今回の検証機の CPU は Core i7-4770。 Haswell(ハスウェル)と呼ばれる 2013 年型の CPU で「第4世代 Core プロセッサ」とも呼ばれます。
クロック数は 3.4GHz〜3.9GHz で、4コア8スレッドで動作。
現行の(一般的な価格の)最高クラスの CPU と言えます。
ビデオカード(グラフィックカード)は GeForce GTX 780。
ランクとしては一般型の最上位でしたが、最近 GeForce GTX 780Ti というもっと上位なものが出たので、その1つ下となりました。
とは言え現行最上位クラスであることは変わりません。 お値段も最上位クラスですが。
では、この最上位クラスの性能でどれだけのパフォーマンスが出るのか・・・
以下は性能測定ソフト「PCmark 05」で各パーツの速度を計測した結果です。
今回の検証機(GALLERIA XG-A)は一番右で、比較として他のパソコンの結果も並べています。
マウス G-Tune NEXTGEAR-MICRO im520 |
HP Pavilion h8-1080jp |
グッドウィル REGALIA Enforcer-i7k |
ドスパラ ガレリア XG-A |
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時期 | 2013年 夏モデル | 2011年 夏モデル | 2013年 春モデル | 2013年 年末モデル |
価格 | 69,930 円 | 170,000 円 | 174,900 円 | 179,980 円 |
CPU | Core i3-3240 (3.4GHz、2コア) |
Core i7-2600 (3.4GHz、4コア) |
Core i7-3770K (3.5GHz、4コア) |
Core i7-4770 (3.4GHz、4コア) |
メモリ | DDR3-1600 8GB | DDR3-1333 12GB | DDR3-1600 16GB | DDR3-1600 8GB |
VGA | GeForce GTX 650 | GeForce GT 550Ti | GeForce GTX 680 | GeForce GTX 780 |
記録 | HDD | SSD (Intel X25-M) | HDD | HDD |
結果 | ||||
CPU | 10753 | 12727 | 14312 | 15084 |
メモリ | 7700 | 10935 | 14958 | 14892 |
グラフィック | -- | 17450 | 35314 | 37575 |
HDD/SSD | 7156 | 29870 | 9123 | 7885 |
(CINE) | (3.32) | (6.80) | (7.50) | (8.04) |
CPU の速度は 2012 年型(Ivy-Bridge、第3世代 Core)の Core i7-3770K よりも一回り上位。
2013 年型(Haswell、第4世代 Core)は消費電力と発熱の軽減、内蔵グラフィック機能の強化が中心で、処理能力はそれほど向上していないと言われていますが、ちゃんとスコアに現れるぐらいの強化が行われているのは見て取れますね。
メモリの速度は 2013 年初頭のモデルと大差ありません。
ただ、さすがは Core i7 と言える速度で、メモリコントローラーの性能は依然として高いのが解ります。
2年前のモデルと比べると大きく違いますね。
HDD のスコアは、HDD としては速い方ですが、さすがに一級品ではない模様。
(ちなみに今回の検証機にはシーゲイトの ST2000DM001 という製品が使われていました)
そして最大の注目点は、ゲーミング PC ですから、グラフィック性能と「最新のゲームがどれだけ動くのか」という点になります。
以下はグラフィック性能の測定ソフト、及び各ゲームのベンチマーク(動作速度測定)の結果です。
今回の検証機は表の一番右で、比較対象として他のパソコンのデータも併記しています。
※3D mark 06 と 3D mark11 は世界標準と言える 3D グラフィック性能の測定ソフトです。 大航海時代 Online は 2D(平面)グラフィックの描画速度もスコアに影響する特徴があります。 モンスターハンターのベンチマークは3種類公開されていますが、1つ目を対象としています。 目安として、モンスターハンターと新生 FF14 は 3500 以上、ドラクエX は 5000 以上で快適です。 |
右から2番目のパソコン(Goodwill REGALIA Enforcer-i7k)は 2013 年初頭のモデルで、CPU とビデオカードが同じクラスの1世代前のものです。
今年のモデルで性能がどれだけ上がったのかを比べる目安になります。
今回の検証機の性能は、もう圧倒的と言えます。 3Dmark06 のスコアが3万越え、3Dmark11 のスコアが P10000 を越えるのは初めてみました。
そういうスコアが出る時代になったんですねぇ・・・
特に新生 FF14 の最高画質でのスコアは驚きです。 今年初頭のモデルの2倍近くになっています。
加えて、ここ数年はスコアが上限に達していた FFXI の測定で、今回の検証機は従来の上限を突破しました。
単純なパワーアップではこういう結果にはなりません。
GeForce 700 シリーズは VRAM(ビデオメモリ)周辺や、GPU(ビデオカードの CPU)のコアなどが大幅に強化されたため、それらの影響が出ているのだと思われます。
単なる強化ではない、新しい段階の性能になっていると言えそうですね。
ただしこれだけの高性能ですから、消費電力は大きく、待機中でも 60W〜65W、ベンチマーク中は最大 320 W になりました。
発熱も大きいため、高負荷時のファンの音も相応に大きめです。
最近は省電力化が進んでいるため、ここまで消費電力が大きいパソコンは少ないのですが・・・
まあそれでも GeForce 700 シリーズは、同クラスの他社のビデオカード RADEON シリーズよりは消費電力は少なく、性能を考えると電力効率は良いです。
最上位クラスのゲーミングモデルとしては、従来と同レベルの消費電力とは言えますね。
・ドスパラ ゲーミングPC 「ガレリア」シリーズ
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