マザーボード の 性能とは

最終更新 2018年8月

マザーボード 解説メニュー

マザーボードってなに?
マザーボードの性能とは?
CPUソケット メモリスロット SATA コネクタ PCI Express スロット
PCI Express レーン数 M.2 スロット
チップセット I/O ポート、I/O パネル サイズ(フォームファクタ) VRM フェーズ
オンボード機能(オーディオ、グラフィック、RAID など)
古い接続部(PCI スロット、AGP スロット、IDE コネクタ)
BIOS / UEFI / CMOS について
マザーボードってなに?
マザーボードの性能とは?
CPUソケット メモリスロット
SATA コネクタ PCI Express スロット
PCI Express レーン数 M.2 スロット
チップセット I/O ポート、I/O パネル
サイズ(フォームファクタ) VRM フェーズ
オンボード機能(オーディオ、グラフィック、RAID など)
古い接続部(PCI スロット、AGP スロット、IDE コネクタ)
BIOS / UEFI / CMOS について

マザーボードってなに?

マザーボードとは、パソコンの基礎となる板のことです。

マザーボード

電気配線の施された板(基板)に、パソコンの各パーツを取り付けるための、専用の差し込み口(スロット)が付いています。
このマザーボードに各パーツが取り付けられ、それがケースに入ったものがパソコンだと思って構いません。

ですからマザーボードは、パソコンの本体となるものですね。
マザーボードは一見かなり複雑そうですが、基本的に各パーツの取り付け部だけ気にしておけば良いでしょう。
ここにパーツを正しくはめれば、パーツの増設や交換が出来る訳です。

マザーボードそれ自体は、パソコンの性能には大きく影響しません。
しかしパソコンにどんなパーツが付けられるかは、このマザーボードによります。
高性能なパーツや、新しい技術のパーツを付けようとしても、マザーボードが対応していなければ使えません。

よってマザーボードは、パソコンの最大性能や拡張性を決めていると言えます。

マザーボードはパソコンの全てのパーツが取り付けられるものですから、マザーボード自体の交換は簡単ではありません。
それは全てのパーツを外してマザーボードをケースから取り出し、新しい物に変えてからまたパーツを付け直すという作業になり、つまりパソコンを1から自作するようなものです。
初心者がすぐ出来るものではありません。

しかしマザーボードのことを知っておけば、パソコンの「作り」を、より理解することができるでしょう。
もちろんパーツの増設や交換を考えている人も、その取り付け部のことを知っておく必要がありますね。

マザーボードの性能とは?

マザーボードは製品によって、サイズ、部品配置、色などがそれぞれ異なりますが・・・
大まかには、以下のようになっています。

マザーボードの各機能

赤字はパーツを取り付ける重要な部分。
緑はマザーボードの部品とか、電源とか、他のコードを繋げる場所といった、パーツとは直接関係ない部分です。
それぞれの意味はこのページ内で解説しています。

マザーボードの性能は主に、どんなパーツを使えるかです。
パソコンの性能が旧式化して、マザーボードも新しいパーツに対応しておらず、欲しい性能のパーツを使えない場合は・・・
パソコン自体の買い替えになってしまいます。

マザーボードが使いたいパーツに対応しているなら、それを付ける、もしくは古いものと交換することで、パソコンの性能を強化できます。

ただ最近は技術の革新が早く、新技術のパーツを使いたければマザーボードや CPU も含めて、まるごと変えなければならない場合が多いです。
パソコン自体の値段も下がっているので、以前ほど「マザーボードの対応を調べて、使えるパーツを買って、それに付け替えて、末永く使って・・・」ということはされなくなりました。

またノートパソコンだと、そもそもパーツの付け替えは考慮されていません。
タブレットやモニター一体型なども同様です。

よって初心者の方だとあまり気にする必要はなくなっていますが・・・
中級者以上の方で、将来の拡張を考えている人は、パソコンの購入時にどんなスロット(パーツ取り付け部)がいくつ用意されているかは、必ず確認しておくべき点です。

他にマザーボードには、メモリをどれだけ搭載できるか、USB などの接続端子が豊富にあるか、新しい接続端子に対応しているか、といった性能差があります。
大きさもマザーボードの特徴と言えるでしょうか。

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CPU ソケット

CPU を取り付ける場所です。
様々な形状があり、それに合っている CPU しか付けられません。

CPU スロットCPU には、CPU 側にたくさんのトゲトゲが付いているものと、ソケット側(マザーボード側)にたくさんのトゲトゲが付いているものの2種類があります。
カバーを開き、トゲトゲとツブツブを合わせて CPU を置いて、金具で固定して取り付けます。

近年のマザーボードの中には、CPU に専用の器具を取り付けてから装着する場合もあります。
(ASUS 製マザーボードの CPU Installation Tool など)

CPU には Intel(インテル)社のものと、AMD 社のものがあり、マザーボードもそれに対応したものを使わなければなりません。

CPU ソケットにはいくつか種類があり、基本的には同じソケットを使う CPU なら、世代が違っても使用できます。
例えば「LGA 1155」という CPU ソケットは、第2世代 Core(Sandy Bridge)と第3世代 Core(Ivy Bridge)の CPU に対応していて、第2世代の CPU を外して第3世代に入れ替える事ができます。

ただし「LGA 1151」という CPU ソケットは、第6世代(Skylake)と第7世代(Kaby Lake)に対応しているものと、第8世代(Coffee Lake)にしか対応していないものの2種類があるので注意して下さい。

近年の CPU ソケットと対応 CPU は以下のようになっています。
(青は Intel 社、緑は AMD 社の CPU のソケットです)

CPU ソケット 登場年 対応 CPU
LGA 1156 2009年 初代 Core シリーズと
同世代の Pentium、Celeron
LGA 1155 2011年 第2世代 Core(Sandy Bridge)
第3世代 Core(Ivy Bridge)
同世代の Pentium、Celeron
LGA 1150 2013年 第4世代 Core(Haswell)
第5世代 Core(Broadwell)
同世代の Pentium、Celeron
LGA 1151 2015年 第6世代 Core(Skylake)
第7世代 Core(Kaby Lake)
LGA 1151
(v2)
2017年 第8世代 Core(Coffee Lake)
LGA 2011 2011年 第2世代と第3世代の高級 CPU
Sandy Bridge-E、Ivy Bridge-E
LGA 2011-v3 2014年 第4世代以降の高級 CPU
Socket FM2 2011年 2011~2013 の AMD A シリーズ
Socket FM2+ 2014年 2014年以降の AMD A シリーズ
Socket AM4 2017年 Ryzen シリーズ
Socket TR4 2017年 Ryzen の高級品 Threadripper

以前は CPU を取り付ける際には、FSB や データバス といったものに注意する必要がありました。
これは CPU とマザーボードがデータを通信する速度で、マザーボードが対応している FSB / データバスの CPU でないと付けても動きませんでした。

しかし近年は CPU ソケットが合っていれば、データバスが対応外であることは、まずありません。
CPU ソケット(及び後述するチップセット)の対応だけ確認しておけば良いでしょう。

マザーボードによっては CPU ソケットが複数あって、2つ以上の CPU を付けられる場合があります。
これは「マルチ CPU」と呼ばれていて、たくさんの処理を同時に行う時、作業を分散することができます。

しかしお金がかかりますし、一般のユーザーにそこまでの性能は必要ありません。
マルチ CPU のマザーボードは、たくさんのユーザーにネット接続されるサーバーコンピューター用である場合が多いです。

CPU を付ける際には、CPU を冷やす CPU ファン(CPU クーラー)も装着する必要があります。
CPU の着脱については、CPU 解説ページの こちら で説明しています。

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メモリスロット

メモリを取り付ける場所です。
メモリスロットの数はマザーボードによって異なり、スロットがたくさんあるほど メモリ をたくさん付けられます。

メモリスロット付けられるメモリの種類(メモリタイプ)はマザーボードや CPU によって決まっていて、対応しているものしか付けられません。
もちろん最新のものほど処理が早く、高性能です。

多くのマザーボードはメモリスロットが2色に分かれています。
これは同じメモリを2枚セットで使い、処理を分散させて高速にデータのやり取りを行う「デュアルチャネル」という機能のためで、これを活用するには同じ色のスロットにメモリを挿さなければなりません。
つまり、青と青、黒と黒といった具合。

間違って青と黒に1枚ずつ挿してしまうとデュアルチャネルが働きません。
マザーボードによっては3枚セットで使う「トリプルチャネル」に対応している場合や、どこに挿しても OK な場合があります。(どこでも OK な場合、色分けされていません)

メモリをどれだけ搭載できるかも、マザーボードの性能によります。
例えば「最大メモリ容量 16 GB」のマザーボードだと、8GB のメモリを4つ付けても、16GB までしか認識されません。

一般の人は気にする必要ありませんが、映像編集や CG 作成といった多くのメモリが必要な作業をする人、高負荷なゲームを超時間プレイする人は、搭載メモリと合わせて考慮しておく必要があります。

これはマザーボードの性能ではありませんが、メモリの最大量は Windows が 32bit か 64bit かにも影響されます。
もし Windows が 32bit 版の場合、メモリは 3.12 GB までしか認識されません。
これについては CPU 解説の 32bit / 64bit をご覧下さい。

メモリの着脱については、メモリ解説ページの こちら で説明しています。

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SATA コネクタ

HDD(ハードディスク)や SSD光学ドライブ(CD / DVD / ブルーレイドライブ)を繋げる場所です。
「SATA ケーブル」というコードを差し込んで使います。

SATA コネクタSATA はシリアル ATA(Serial ATA)という通信方式の呼び名です。
SATA には初期版の SATA(1.5)、長く主流だった SATA2、新型の SATA3 があり、新しいものほどデータの送受信速度が速くなっています。

上位の端子で下位の製品も使える(SATA3 の接続部に SATA2 の製品やコードを繋げても動作する)ので、単純に上位であるほど良いです。
2010 年頃から SATA3 が一般化しているので、現在のマザーボードの SATA コネクタは全て SATA3 だと思って構いません。

現在、高速にデータを読み書きできる SSD が普及したことにより、SATA3 でも速度不足になりつつあります。
そのため最新の SSD は、後述する「M.2 スロット」に取り付けるものが増えています。
しかし HDD や光学ドライブは SATA ケーブルで接続しますし、SSD も安価なものだと SATA 接続が一般的です。

なお、外付けの HDD を接続する端子として「eSATA」というものも普及していましたが、電気を送れなくて USB より不便だったため、現在は廃れています。
ただ近年、外付け SSD 用の端子として使われることもあります。

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PCI Express スロット

ビデオカードや、サウンドカードなど、様々な「拡張カード」を取り付けるための「拡張スロット」です。
名前が長いので「PCIe」や「PCI-E」と短縮して表記されることも多いです。

PCI Expressx1、x4、x8、x16 があり、それぞれ長さが違います。
もっとも長い PCI Express x16 スロットは ビデオカード(グラフィックカード)の取り付けに使われます。
x8 も主にビデオカード用。
他の一般的な拡張カードの多くは x1 ですが、x4 や x8 のスロットに x1 の拡張カードを付けることも可能です。
ただ、x4 や x8 のスロットが付いているマザーボードは、近年はあまり見かけられません。
取り付け方は、カード本体をそのままザクッと挿します。

PCI Express には 1.1、2.0、3.0 といったバージョン(Revision)の違いがあります。
新しいものほど一度に大量のデータを送受信可能で、1.1 は 500MB、2.0 は 1GB、3.0 は 2GB のデータを1秒間に送れるのですが… それほど気にする必要はないでしょう。
マザーボードと拡張カードの双方が新型なら、用途によっては速くなる、程度に思っておきましょう。
3.0 の普及は 2013 年頃から始まっており、2018 年現在のマザーボードや拡張カードは、ほとんど 3.0 対応です。

ビデオカード以外の拡張カードには以下のようなものがあります。

ただ最近は、拡張カードを増設することは減っていて、小型のパソコンだと物理的に付けられない場合も多いです。
サウンドカードやテレビチューナーカードなどは USB 接続の代用品もあります。
しかしマザーボードの性能としては、たくさんあるほど拡張性が高いと言えます。

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PCI Express レーン数

PCI Express を持つマザーボードには「最大レーン数」という性能があります。
これは言わば「PCI Express スロットに取り付けられるパーツの量」なのですが…

PCI Express x16 スロットを使うビデオカードだと、それ1つで 16 レーン使います。
x8 スロットに付けるパーツは8レーン、x4 スロットに付けるパーツは4レーン、1つで使ってしまいます。
よってマザーボードの最大レーン数が 16 の場合、ビデオカードを付けたら、それだけで一杯になってしまいます。

でも、そこに x1 スロットを使う拡張カードを付けても動かないのかというと、そんなことはありません。
マザーボードだけでなく、CPU も PCI Express のレーンを持っており、近年の CPU なら「直結の 16 レーン」があって、ビデオカードの 16 レーンはこれで賄えます。
また、マザーボードにもレーン数を調整する機能があって、もしビデオカードを2つ付けても、それぞれが使うレーン数が8に下げられ、不足しないようにしてくれます。

PCI Express の割り当てレーン数が多いほど、一度にたくさんのデータを送受信できるので、16 が8に下がったらビデオカードのピーク性能は下がってしまいますが、高性能なビデオカードでも 16 レーンが必要になるケースは少なく、性能にはほとんど影響ありません。
(だたし4レーンまで下がると高負荷な状況では影響する)

実際にパソコンにレーンがいくつあって、どれだけ使っているのかは… 知るのは難しいです。
CPU が持つ分は種類によって違い、マザーボードは製品ごとにレーン数が異なります。
また、マザーボードのサウンド機能などが内部で PCI Express で繋がっている場合、そちらにもレーン数が割り当てられるため、どれだけ使っているのかはマザーボードごとに違います。
Windows の機能で簡単にチェックすることもできません。

自動で調整してくれますし、あまり気にする必要はないのですが、拡張カードをたくさん付けたい人は最大レーン数は気にかけておいた方が良いでしょう。
マザーボードとしては、たくさんあるほど高性能と言えます。

ちなみに CPU が持っている PCI Express のレーン数は以下の通りです。

CPU のレーン数が増やされているのは、後述する M.2 スロットの SSD のためのようです。

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M.2 スロット

SSD を装着するための新しいスロットです。
SATA 接続では速度が追い付かない高速 SSD のために、新たに用意されたものです。

M.2 スロットM.2 の SSD は小型のスティック状になっていて、直接スロットに差し込みます。
多くの場合、その後にネジ止めして固定します。

正確には M.2 は小型の SSD のことで、特に高速だった訳ではありません。
初期のものは 2012 年頃には使われていました。

しかし 2015 年頃、PCI Express のシステムと、新しい通信規格 NVMe の技術を盛り込んだ、新しい M.2 が登場します。
2017 年頃にはより高速な SSD と、その取り付け用のスロットとして、多くのパソコンで活用され始めました。

M.2(NVMe 対応)の SSD には発熱が高いという難点がありますが、今後の主流になっていくことでしょう。
ただ、これを付けるスペースが必要になったことで、それでなくても減っている PCI Express スロットは、ますます削られる傾向にあります。

なお、現行の M.2 スロットは中身が PCI Express なので、SSD を付けると「PCI Express レーン数」が消費されます。
製品によって違いますが、通常4レーン使うので、拡張カードが多い場合は注意して下さい。

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チップセット

マザーボードを制御する部分です。
CPU やメモリ、その他のパーツを正常に動かし、マザーボードを介してデータをやり取りさせる処理を行っています。

チップセットCPU やメモリを制御するチップ(IC)、接続端子を制御するチップなどがセットになっているため「チップセット」と呼ばれています。
各パーツの橋渡しをする部分という意味で「ブリッジ」とも呼ばれます。
通常、画像のような放熱板(ヒートシンク)で覆われています。

チップセットは CPU を作っている Intel 社AMD 社が、自社の CPU に合わせたものを提供していて、それを使って各メーカーがマザーボードを製造しています。
Intel 社の最新のチップセットなら、Intel 社の最新の CPU と、Intel 社が開発した最新の技術に対応している訳です。

よって Intel 社のチップセットのマザーボードに、AMD 社の CPU を使うことはできません。
メモリやビデオカード、HDD / SSD といったその他のパーツは、基本的にどちらのマザーボードでも使えますが、新技術が使われたものだと古いチップセットでは対応していない場合があります。

チップセットには「Z370」「H270」「AMD X370」といった名前が付いています。
使える CPU やメモリはこれに左右され、一例として以下のようなものがあります。

チップセット 普及年 CPU
ソケット
メモリ
スロット
PCIe
レーン
USB
3.0
SATA
Z370 / Q370 2018 LGA1151 (v2) 4本/64GB 24レーン 10個 6個
H370 2018 LGA1151 (v2) 4本/64GB 20レーン 8個 6個
B360 2018 LGA1151 (v2) 4本/64GB 12レーン 6個 6個
H310 2018 LGA1151 (v2) 2本/32GB 6レーン 4個 4個
Z270 / Q270 2017 LGA1151 4本/64GB 24レーン 10個 6個
H270 2017 LGA1151 4本/64GB 20レーン 8個 6個
B250 2017 LGA1151 4本/64GB 12レーン 6個 6個
Z170 / Q170 2015 LGA1151 4本/64GB 20レーン 10個 6個
H170 2015 LGA1151 4本/64GB 16レーン 8個 6個
B150 2015 LGA1151 4本/64GB 8レーン 6個 6個
H110 2015 LGA1151 2本/32GB 6レーン 4個 4個
X299 2017 LGA2066 8本/128GB 24レーン 10個 8個
AMD X370 2017 Socket AM4 4本/64GB 8レーン 6個 4個
AMD B350 2017 Socket AM4 4本/64GB 6レーン 2個 2個
AMD A320 2017 Socket AM4 4本/64GB 4レーン 2個 2個
AMD A88X 2013 Socket FM2+ 4本/64GB 4レーン 4個 8個
AMD A78 2013 Socket FM2+ 4本/64GB 4レーン 4個 6個
AMD A68H 2014 Socket FM2+ 2本/32GB 4レーン 2個 4個
青は Intel、緑は AMD のチップセットです。
LGA1151 (v2) は第8世代 Core(Coffee Lake)対応です。

ただし、ここに表記されているのはチップセットがサポートできる「最大数」です。
実際にマザーボードにメモリスロットがいくつあり、メモリの最大量がどれぐらいで、PCI Express レーン数や USB 3.0 端子がいくつあるかは製品ごとに違います。
高価な製品だと多めですが、安価な製品だと少なめになります。

Intel 社のチップセットの Z や H の意味は、概ね以下のようになっています。

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I/O ポート、I/O パネル

「I/O」とは「インプット / アウトプット」の略で、「入出力」という意味です。
「I/O ポート」はパソコンの裏側の様々な端子(ポート)がある部分のことで、それらが付いた裏面のパネル(バックパネル)は「I/O パネル」とも呼ばれます。

デスクトップパソコンの裏面にある、この様々な端子が付いた部分は、一見ケースに付いているように見えますが、実際にはマザーボードに直結しています。
つまりここはマザーボードの一部がケースの外側に出ていて、ここにどんな端子があるかはマザーボード次第です。

I/Oパネル

上の画像の例だと、一番左の丸いのは PS/2 ポート、四角いのは USB 端子
PS/2 ポートはマウスやキーボードを接続するための古い端子ですが、現在は USB で繋げるのが一般的です。

その横の金色の丸いものは「SMA コネクタ」という端子ですが、日本ではあまり使われません。
次の金色の2つの端子は HDMI 端子と、Displayport 端子。どちらもディスプレイ(モニター)接続用です。
その隣の青いものは USB 端子。青色なので USB 3.0 です。

赤い端子は最新の USB である USB Type-C と、USB+eSATA の混合端子。
その横の黒いものはインターネットに接続する LAN 端子と、USB 2.0 の端子です。

金色の丸い5つの差し込みはサウンド端子で、昔は緑がフロントスピーカー用、黄色がセンタースピーカー用、黒がリアスピーカー用、白がサイドスピーカー用、青は他のオーディオ機器からの入力、赤(ピンク)はマイク入力だったのですが…
現在、これらの端子の役割は自動設定、もしくは Windows やソフトウェア側で設定するようになっているので、色分けされていないことが多くなりました。
(利用者を迷わせないため、その必要がなくても、あえて色分けしている場合もあります)
その横にある四角い端子は光デジタル音声端子(S/PDIF)で、光デジタル対応のオーディオ機器に繋げるものです。

実際にどの端子がいくつあるか、何色か、どこにあるかは製品によって違い、それが性能や特徴になっています。
USB がもっとたくさんあったり、古いディスプレイを繋げられる DVI 端子や D-Sub 15 Pin 端子があったり、逆に PS/2 コネクタや eSATA がないマザーボードもあります。

画像のマザーボードは一部の端子が金メッキされている高級品ですが、安価なものだとメッキはなく、端子も少なめ。
ビジネス用だと端子が最低限な代わりに、古い機器を繋げられる端子が用意されていたりします。

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サイズ(フォームファクタ)

これは性能というか… 大きさの規格です。
フォームファクタとは直訳すると「形状の種類」ですが、サイズだと思って構いません。

フォームファクタマザーボードの場合 ATX が一般のデスクトップのサイズ。
Micro-ATX はやや縦幅が小さく、この2つが主流です。
Flex-ATX はさらに横幅も小さくしたタイプです。

大型の Extended ATX や、手乗りサイズの NUC といった規格もありますが、一般的ではないですね。

ここまでに述べたものは Intel 社が制定したサイズ。
他に AMD 社が制定した DTXMini DTX、台湾の VIA 社が制定した Mini-ITX や Nano-ITX といった規格があります。
ただ、AMD 社の CPU を使う ATX マザーボードがあったり、Intel 社が VIA 社の規格のマザーボードを作ってたりもするので、どこが制定したかはあまり関係ありません。
どれにするかは製品ごとに製造メーカーが決めることです。

デスクトップパソコンのマザーボードのサイズは以下の通りです。

フォームファクタ 制定 サイズ(縦 x 横)
ATX Intel 305mm x 244mm
Micro-ATX Intel 244mm x 244mm
Flex-ATX Intel 244mm x 191mm
Extended-ATX Intel 305mm x 330mm
NUC Intel 101.6mm x 101.6mm
DTX AMD 244mm x 203mm
Mini-DTX AMD 170mm x 203mm
Mini-ITX VIA 170mm x 170mm
Nano-ITX VIA 120mm x 120mm
Pico-ITX VIA 100mm x 72mm

あくまでマザーボードのサイズであり、パソコン全体(ケース)はこれより大きいです。
ただ、パソコンのケースもこの規格に沿って作られていて、どのサイズのマザーボードが入るのかは、対応しているフォームファクタで判別できます。

ノートパソコンのマザーボードには決まった規格はありません。
過去、何度か共通規格の制定が試みられましたが、独自の製品が多く、ミニノートやタブレットなど多様な製品が登場していて、薄さと軽さでしのぎを削っているモバイル市場では、共通化は無理なようです。

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VRM フェーズ

一般の人は気にするは必要ないのですが…
マザーボードの製品の性能として、強調されることも多い部分です。

VRM フェーズVRM は「ボルテージ・レギュレーター・モジュール」の略で、直訳すると「電圧制御装置」。
CPU の周囲にたくさん並べられている電源回路で、これを通して CPU に電気が送られています。
熱を持つため、ヒートシンク(放熱板)で覆われていることも多いです。

モジュールと言うぐらいなので、色々な部品がセットになっているのですが、「CPU の周囲にたくさんある四角いやつ」という認識で良いでしょう。
単に「電源フェーズ」と呼ばれることもあります。
たくさんある理由は、CPU に供給する電力を分散することで装置の負荷を下げ、電力の安定性と効率も高めるためです。

ただ、VRM フェーズの数はそこまで性能に影響する訳ではなく、CPU が安定動作するために必要な分がどのマザーボードにも備わっています。(通常4~6つ)
そのためマザーボードの性能表に記載があっても、気にしなくて構いません。

気にする必要があるのは… CPU の動作速度を規定値以上に高め、無理やりパワーアップさせる「オーバークロック」を行おうとしている人。
この場合、通常以上の電力を安定供給する必要があるため、マザーボードにもそれを想定した数の VRM フェーズが欲しいことになります。

ただ、オーバークロックは失敗してパソコンが壊れても自己責任です。良い子は手を出すべきではありません。
VRM フェーズが多いマザーボードは、オーバークロック用のマニア向けの製品と言えます。

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オンボード機能

オンボードとはマザーボードに乗っている、つまりマザーボード自体に備わっている機能です。
一般的にサウンド機能はマザーボードに内蔵されています。
昔はグラフィック機能もマザーボードに備わっているのが一般的でした。

オンボードのサウンド機能があるとサウンドカードが無くても音を出せ、オンボードのグラフィック機能があればビデオカードなしで画面を表示できます。
サウンドカードやビデオカードを装着する場合は、オンボードの機能は意味がなくなります。

オンボード機能の代表的なものは以下のものです。

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古い接続部

ここで紹介するのは、今は使われていないマザーボードのスロット(取り付け部)です。
参考として表記しておきます。

BIOS / UEFI / CMOS について

BIOS」とはマザーボードの中に入っている、パソコンを動かすための最も基本的なソフトウェアです。
Basic Input / Output System の略で、「基本的な入出力システム」という意味。
通称「バイオス」です。

電源を入れると、まずこの BIOS が動いてパソコンの各機能のチェックを行い、実際にパソコンが動く環境を整えます。

UEFI」は「統合 拡張 ファームウェア インターフェイス」の意味で、「ファームウェア」とは BIOS のような、パーツや機器に内蔵されている、そのパーツを動かすためのソフトウェアのこと。
(これに対し、内蔵されておらず、パソコン側に保存されている動作用ソフトウェアはドライバと呼ばれます)

UEFI は BIOS を以前より手軽に扱えるようにしたもので、あくまで BIOS の操作方法の名前なのですが、「新しい BIOS」の意味で使われることも多いです。

BIOS(UEFI)設定画面は、「Delete」キーか、「F2」キーを押しっぱなし(もしくは連打)しながらパソコンの電源を入れることで表示されます。
(NEC や富士通などの日本の家電メーカー製のパソコンは F2、それ以外は Delete の場合が多いです)

UEFI-BIOS

昔の BIOS 設定画面はもっとシンプルで、操作もキーボードでしか行えませんでしたが、2011 年頃から UEFI に移行し、以後はマウスでの操作が可能になって、見た目も解りやすくなっています。
ただし外見はパソコンによって違います。

BIOS はパソコンを動かすために最初に起動するものですから、ここがおかしくなってしまうとそのパソコンは動かなくなってしまいます。
よって初心者がヘタに手を出してはいけない部分なのですが・・・

ただ、最初に起動する部分であるからこそ、パソコンやマザーボードの細かい設定を行うには、ここを通す必要があります。
異常がある時の診断も行え、新しいパーツを付けた時、ここで使用させる設定にしないと使ってくれないこともあります。
簡単に起動でき、ヘタにいじらない限り壊れたりもしないので、一度は見ておくと良いでしょう。

ちなみに下の画面は、内部の温度とファン(送風機)の動作状況の確認、及び設定ができる画面です。

UEFI-BIOS ファン設定画面

昔の BIOS は文字と数字だけだったのですが、今は簡単なグラフなども表示されます。
文章は英語である場合が多いですが、そんな難しい内容ではありません。
最近は日本語対応 BIOS も増えていて、画像の UEFI の場合は、右上にある地球のボタンから言語を選べます。

BIOS 画面は F10ESC キーを押す、及び「SAVE & EXIT」を選択する、もしくは右上にある「」をクリックすると終了します。
「Save configuration changes and exit now?」(設定を保存して終了しますか?)という表示が出て来るので、YES を選べばパソコンが再起動されて普段の状態に戻ります。
特に設定を変えていなくても YES を押して下さい。

SAVE & EXIT の選択から終了する場合は、Discard Changes and Exit(設定を変えずに終了)、Save Changes and Reboot(設定を変えて再起動)なども選べます。

なお、BIOS 設定中は Windows が起動していないため、無線のマウスやキーボードが使えない場合があります。
USB でパソコンに直接接続するマウスやキーボードを用意して下さい。
古い BIOS だと USB も使えず、PS/2 ポートという古い端子で繋げるキーボードが必要になることもあります。


BIOS は普段、いじる必要は全くありません。
パーツを新しく付けても問題なく動いている場合は BIOS は気にしなくても構いません。

BIOS の設定が必要なのは、例えば HDD や SSD を増設してもパソコンが反応しない時。
この時は機器を付けたマザーボードのコネクタが、BIOS の設定で「Disabled(未使用)」になっている可能性が高いです。
そういう時は付けたコネクタを BIOS で「Enabled(使用)」か「Auto(自動)」に変更し、パソコンに使うように指示する必要があります。

場合によっては BIOS をアップデート(バージョンアップ)しなければならないこともあります。
マザーボードが新技術に対応していなかったけど、BIOS のアップデートで対応できるようになる、といった場合です。
BIOS アップデートで性能が向上するケースもあります。

ただしアップデートは BIOS を直接書き換える作業なので、もし失敗してしまうと・・・ BIOS が壊れるかもしれません。
BIOS が壊れるという事は、つまりパソコンが起動しなくなるということです。
危険な作業なので、必要ないなら行うべきではありません。

BIOS のアップデートの方法はパソコンによって異なり、通常はアップデート用のファイルをメーカーのホームページからダウンロードして、それを所定の方法で使用します。
アップデートの作業自体は、それほど難しいものではないはずです。
ただ、アップデート中にパソコンの電源が切れたりすると失敗するので、雷とかネコとか停電とか、失敗要因になりそうなものがある時は避けて下さい。

念の為、BIOS アップデート用のファイルは2つダウンロードしておきましょう。
そしてダウンロード後に2つのファイルを見比べます。

ファイルサイズが全く同じなら問題ありませんが、もし違う場合はダウンロードミスが発生しているかもしれません。
BIOS アップデートの失敗で一番多いのはこのダウンロードのミスですので注意して下さい。
最近は失敗してもリカバリーできる(かもしれない)UEFI / BIOS も増えています。


なお、BIOS や内蔵時計は、マザーボードに付いているボタン電池で保存されています。
これを「CMOS 電池」と言います。
これが電池切れになってしまうと、BIOS が保存されないので当然パソコンは起動しなくなります。

CMOS 電池通常、CMOS 電池の寿命は気にしなくて構いません。
パソコンがコンセントやバッテリーに繋がっていれば、そちらの電気で保存が行われるので、電池は消費されないからです。
ただ、パソコンをコンセントが繋がっていない状態や、バッテリーがない状態で長期間放置したら、電池切れになる可能性があります。
通常、放置状態での寿命は5~6年と言われています。

最近はスイッチで電気を切れる省エネタップ(コンセント)が売られていたりしますが、それらを使ってパソコンの給電を完全に切っていると、CMOS 電池が消耗していくことになります。
この場合、数年後に電池切れでパソコンが動かなくなるかもしれません
ので注意して下さい。

ただ、CMOS 電池は交換可能です。
CR2032」というボタン電池を使うのが一般的で、普通にお店で売られています。

交換すると BIOS や時間がリセットされるため「CMOS Error」が表示されますが、F2 や Delete キーで BIOS(UEFI)画面に移動できるはずです。
そこで Save(保存)をすれば BIOS が再保存され、正常に起動するはずです。
もし電池交換する時は、電源を切ってコンセントを抜き、静電気などに注意して作業を行って下さい。