○ 実機レビュー (2012年 夏モデル、ウルトラブック)
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パソコンの概要 |
今回検証する東芝 dynabook R632 は昨年発売された国産初のウルトラブック R631 の後継機です。
「ウルトラブック」とは CPU の開発を行っている Intel(インテル)社が提唱した新しいノートパソコンの規格で、主に以下のような条件を満たす必要があります。
R632 の外観。 色はシルバーです 13.3 インチ、厚さ 16mm、重量 1.12 kg サイズは R631 と同一です |
・Intel 社の高性能 CPU「Core i」シリーズを搭載していること。
・厚さは 13 型以下のものは 18 mm 以下。 14 型以上のものは 21 mm 以下。
・軽量で持ち運びやすいこと。(規程はないが目安として 2Kg 以下)
・バッテリー駆動時間は最低でも5時間以上、8時間以上推奨。
・起動時間が速いこと。 スリープ状態からは7秒以内に復帰すること。
スマートフォンやタブレット PC の普及に伴い、ノートパソコンにもタブレットや携帯電話のような使い勝手の良さを求めた規格と言えますね。
要するに冒頭でも述べた通り、「薄くて軽くて手軽で高性能」なパソコンです。
(ちなみに当初は「価格が 1000 ドル以下」(日本円で8万円前後)という条件もあったのですが、さすがにそれは厳しかったようで、現在価格については「目標」という形になっています)
ウルトラブックはその条件を見ても解るように、「携帯しやすさ」が重視されています。
よってノートパソコンを頻繁に持ち出す機会が多い人に向いています。 用途としてはビジネス向けと言え、ゲームや映像を楽しむような使い方には向きません。
使い勝手の良いパソコンですが、非常に薄いため CD/DVD ドライブは内蔵されておらず、CD/DVD を使いたい場合は外付けのものを利用しなければならない欠点があります。 また、接続端子の数も少なめになります。
ただ、東芝のウルトラブックは機能性はかなり高い方ですね。
dynabook R632 の WEB 販売モデルには、上位の CPU 「Core i7」を搭載した上位型「R632/W1UF」と、中間の CPU 「Core i5」を搭載した廉価型「R632/W1RF」の2種類があります。
この2つはメモリの搭載量も上位型(W1UF)が 8GB、廉価型(W1RF)が 4GB と違いがあります。
もちろんその分、価格は廉価型(W1RF)の方が安いです。
一方、店頭販売モデルは「R632/28FS」という名前になっていて、基本スペックは廉価型の「R632/W1RF」と同じです。
しかしデータ記録容量(SSD のサイズ)が、WEB 販売モデルは 256 GB なのに対し、店頭モデルは 128 GB しかありません。
(さらに店頭販売モデルは SSD が旧型かもしれません。 SSD についての詳細は後述します)
要するに、上位モデルが欲しいなら通販サイト「東芝ダイレクト」で注文しなければなりません。
今回の検証で使っているモデルは Core i5 を搭載した R632/W1RF であり、WEB 販売モデルですが、上位型ではありませんのでご了承下さい。
各モデルの価格と基本スペックは以下の様になっています。
【 Dynabook Satelite R632 (個人向けウルトラブック、13.3 型のワイド液晶モデル) 】
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パソコンの外観の詳細と、他のウルトラブックとの比較 (dynabook R632) |
ウルトラブックの最大のポイントは、薄さと軽さ。
しかしパソコンは小さいほど機能が減る傾向にあるので、いかに「小ささと機能性を両立しているか」もポイントになりますね。
外観の様子は以下の通りです。
デザインはかなりシンプルで、全体的に角張った感じ。 単色のシックな見た目で、柄や模様はほとんどありません。 |
dynabook のロゴがある天板も控えめなデザイン。 あまり派手な模様はあえて廃しているようです。 |
全体的にシンプルで、シックなデザインと言えますね。
横幅は 31.6 cm、縦幅は 22.7 cm で、A4 サイズより少し大きいぐらいです。 この大きさは R631 とほとんど変わっていません。
A4(一般的な雑誌のサイズ)が入るカバンなら、このパソコンも問題なく入るはずです。
薄さや軽さも少し厚めの雑誌と同じぐらいで、ウルトラブックを持ったことがない方だと「なにこれ!? 薄い!軽い!」と思うはずです。
これだけ薄いと耐久性が心配になりますが、「ハニカムリブ構造」と呼ばれる蜂の巣のような構造とマグネシウム合金によって耐久性が高められており、見た目より丈夫に作られているようです。
東芝のノートパソコンは耐久性や信頼性は高いので、この点は問題はないと思われます。
また、片手でラクに開閉できるようヒンジ(蝶つがい)の硬さが調整されていて、指一本で開けられるようになっています。
本体が薄いためキーボードのキーストローク(キーの深さ)はかなり浅く(1.2mm)、打鍵感はあまり良くありません。 かなり軽い感じのキータッチですね。
この点はウルトラブック共通の難点と言えますが、キーピッチ(キーの幅)は 19mm と大きめで、打ち辛さはありません。
また、少しでもタッチ感を付けようとしているのか、キーを押した時にポチポチとした感触があります。
電源を入れてしばらくの間はキーボードのバックライトが光るので、暗い場所でもキーの位置を確認しやすくなっています。
(キーボードのバックライトや本体のカラーについては、R631 ユーザーの要望に応えたとのことです)
また東芝のモデルの特徴として、タッチパッドの ON/OFF を行える物理的なボタンが付いています。
これのおかげでタッチパッドに手が当たって起こる誤作動を防げるようになっており、これは地味に大きなポイントだと思います。
タッチパッドの下部にはマウスの左クリックと右クリックに相当する物理ボタンも付いています。 タッチパッドを直接ポンポンと叩いてもクリックは行えるのですが、やはり物理的なボタンがあった方が使いやすいのは確かですね。
この辺の配慮はもっと注目されても良いと思います。
キーボードの拡大写真。 四角いボタンのようなキーですね。 キーストロークが浅いのはウルトラブックの宿命です・・・ テンキーはありませんが、キーのサイズは大きめで、配列にも違和感はなく、使い勝手は悪くありません。 |
タッチパッドの拡大写真。 上に付いている小さなボタンが、タッチパッドの ON/OFF ボタン。 これがあるのは地味に嬉しいですね。 下部のボタン部分は光沢のある銀色になっています。 |
側面や背面から見た様子は以下の通り。
さすがに薄いですが、端子の数はやはり少なめです。
右側面の様子。 USB 端子が1つのみ。 この USB は青い USB 3.0 という新型で、データの高速なやり取りが可能です。 |
左側面。 イヤホンジャックと、SD カードのスロットがあります。 USB はなし。 |
背面部。 USB が2つと、モニター接続端子(HDMI 端子、15 pin 端子)があります。 有線 LAN(インターネット)のケーブル端子も背面に付いています。 |
前面部の厚さはなんと 8mm、背面部は 16mm です。
非常に薄いのですが、この薄さのため側面に接続端子を用意できなくなっています。
右側面には USB 端子が1つだけ、左側面も SD カードとイヤホンの端子があるのみです。
主な端子は後ろに用意されており、背面には USB が2つと、モニター接続端子(D-sub 15pin、HDMI 端子)、そして有線 LAN ケーブルの端子が用意されています。
しかし背面にある端子はやや使い辛く、いくらウルトラブックとはいえ側面の端子が USB 1つと SD カードのみというのは、さすがに少ない印象が拭えません。
使用時には USB ハブ(USB のタコ足)を用意しておきたいところですね。
もちろん CD/DVD ドライブもないので、ディスクを使う時は外付けのものを用意しておく必要があります。
通気は背面と底面から行うようになっており、CPU の真下にはドーム状の通気口があります。
その部分を塞ぐような使い方は避けるべきなので、布団やカーペットの上に置いて使うのは勧められません。
以下の表は、サイズや重さを(2012年7月現在)発売されている他社の主要なウルトラブックと比較したものです。
それぞれの特徴を知る参考にして頂ければと思います。
東芝 | 富士通 | ソニー | NEC | デル | マウス | ユニットコム | HP | レノボ | ドスパラ | |
dynabook R632 |
LIFEBOOK UH75/HN |
VAIO T | Lavie G タイプ Z |
XPS 13 | LuvBook X | Lesance NB S3431 |
ENVY-4 | IdeaPad U310 |
PrimeNote Altair F-5E |
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画面サイズ | 13.3型 | 14型 | 11.6型 | 13.3型 | 13.3型 | 11.6型 | 14型 | 14型 | 13.3型 | 14型 |
重さ | 1.12Kg | 1.44Kg | 1.42Kg | 875g | 1.36kg | 985g | 1.64kg | 1.77kg | 1.68kg | 1.7kg |
厚さ | 16mm | 16mm | 18mm | 15mm | 18mm | 17mm | 19mm | 20mm | 18mm | 21mm |
横幅 | 316mm | 327mm | 297mm | 313mm | 316mm | 298mm | 333mm | 340mm | 333mm | 348mm |
縦幅 | 227mm | 225mm | 215mm | 209mm | 205mm | 194mm | 230mm | 236mm | 225mm | 235mm |
バッテリー | 9時間 | 9時間 | 6.5時間 | 8時間 | 9時間 | 5.5時間 | 5時間 | 7.5時間 | 6時間 | 5.5時間 |
記録装置 | SSD | HDD+SSD | HDD+SSD | SSD | SSD | SSD | HDD+SSD | HDD+SSD | HDD+SSD | HDD+SSD |
CPU (Core i) |
i7-3667U i5-3317U |
i7-3667U i5-3317U |
i7-3517U i5-3317U i5-2467M i3-2367M |
i7-3517U i5-3317U |
i7-2637M i5-2467M |
i5-2467M | i5-2467M | i5-3317U | i5-3317U | i7-3517U i5-3317U |
有線 LAN | ○ | ○ | ○ | × | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
WiMAX | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × | × | × |
Bluetooth | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
価格 (万) | 13〜18 | 13〜20 | 5〜15 | 11〜14 | 9〜13 | 9〜11 | 6 | 7 | 8 | 7〜9 |
備考 | 性能最高 | サイズ小型 | ナスネ連携 | 世界最軽量 | バランス型 | 軽量モデル | 通販最安値 | 一般最安値 | かなり安め | CD/DVD有 |
独自機能の解説/検証 (dynabook R632、東芝 SSD) |
東芝のノートパソコンには様々な独自機能が内蔵されています。
それは東芝のテレビやビデオと連携する「レグザリンク」や、フル HD 画質ではない映像をフル HD 相当で表示する「レゾリューションプラス」、起動時間を速くする「東芝高速スタート」や省電力機能「エコモード」など、多様なものが存在します。
もちろんセキュリティを強化する「指紋認証」や「顔認証」など、一般的な機能も一通り備わっています。
機能面で言えばウルトラブックの中でも最高クラスと言って良いでしょう。(ウルトラブックは薄型軽量にするため、機能を削っているものが多いのです)
ここではウルトラブックである R632 にとって重要な、「高速スタート」と「エコモード」についてご紹介しておきたいと思います。
● 高速スタートモード
ウルトラブックは「起動が速いこと」もその条件となっています。
よって各社ともウルトラブックには独自の高速化技術を盛り込んでいるのですが、東芝がウルトラブック用に開発したのが、この「東芝高速スタート」です。
BIOS(パソコンの立ち上がり時に作動する基本システム)や、起動に関係するファイルの読み込みなどをチューニングし、起動時間を高速化したもので、この機能によって
R631 は 2011 年の段階では、13 型のノートパソコンとしては世界最速の起動時間を誇っていました。
もちろん R632 にもその機能は搭載されています。
パソコンを終了させる時にメニューボタンから「高速スタートモード」を選ぶことで、次回起動を高速化させることができ、公称では「7秒で起動する」と言われています。
以下が実際に計測してみた時の画像です。
「高速スタートモード」 はパソコンの電源を落とす時に使用するもので、使っておくと次回起動が速くなります。 ご覧のように使用するとデスクトップまで約8秒で表示。 おそらく今回も世界最速でしょうね。 |
こちらは高速スタートモードを使わなかった場合。 それでも約 11 秒でデスクトップが表示されます。 ぶっちゃけ、使わなくても十分速い。 そこいらの PC の高速起動より速いです。 |
ご覧のように電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまで、約8秒前後でした。
ほぼ公称通りといったところでしょうか。
高速スタートモードを使わなくても 11 秒ほどで起動するので、別に高速スタートでなくても十分に「超高速」と言えます。
ちなみに R631 は高速スタートを使って 15 秒、使わずに 18 秒ほどだったので、昨年の世界最速を大幅に更新していることになります。
これはおそらく高速スタートの改良だけでなく、後述する内蔵 SSD の高速化の影響が大きいのだと思いますが、いずれにせよ「めちゃ速い」ですね。
なお、スリープからの起動はほぼ一瞬です。 これは電源を入れるかフタを開いた直後に起動するので、計測とか無理なレベルです。
● エコモード
これは現行の東芝のモデル全てに搭載されている機能で、簡単に言うと「超省電力モード」です。
エコモードにするとピークパワーが落ち、画面もやや暗めになってスリープに入るのも早くなりますが、消費電力が軽減され、バッテリー持続時間も大幅に伸びます。
エコモードを使用すると消費電力のモニターが表示され、その変化をグラフで確認することができます。
消費電力を確認できる TOSHIBA eco ユーティリティ。 液晶表示が暗くなりますが、外出中に長時間使う時は eco モードの方がバッテリーがよく持ちます。 eco モードの ON/OFF はキーボードの隅にあるボタンで何時でも切り替え可能です。 |
いかにも「俺の省電力っぷりを見ろ!」という感じですね。
消費電力はエコモード中はアイドル状態で 10〜11 W前後、そして高負荷をかけても 20 Wを越えなくなります。
エコモードがオフの場合、アイドル中の消費電力は 12〜13 Wほどになり、高負荷をかけると 30 W を越えます。
しかしエコモードがオフでも普通に「超省エネ」と言えるレベルですね。
ウルトラブックは薄く小型に作る必要があり、どうしてもバッテリーは小さくなりますが、それでいて長時間駆動が求められますから、必然的に超省エネ型になります。
この点はウルトラブックを開発しているメーカーはみんな苦労している部分ですが、こうした面はやはり国産メーカーの方が一日の長がある印象です。
他にも東芝のパソコンには、解りやすい内蔵マニュアルや、PC診断ツール、引っ越しツール(データ移行ソフト)、独自のインターフェイスのファイル表示機能などが備わっています。
これらはパソコンに詳しい人だと無理に必要ないものですが、便利なものも多くありますね。
また東芝のパソコンは、一昔前のメーカー製パソコンのように余計な宣伝ソフトがてんこ盛りという事もありません。
初期起動するツールは簡単にオフ出来るようにもなっています。
パソコンの状態を調べられる dynabook Board。 ここから様々なツールにアクセスすることができます。 パソコンの前に人がいるかどうかを検知してディスプレイを ON/OFF する Active Display 機能も用意されています。 |
最近使ったファイルを大きく表示する Bulletin Board。 ファイル共有サービス Evernote に対応しており、手軽にファイルの送受信が行えます。 必要ない場合は簡単に OFF にすることも出来ます。 |
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「引っ越しナビ」。 以前使っていたパソコンからのデータの移行を簡単に行える便利なシステム。 東芝PCからの移行しか動作保証されていませんが、データ移行は買い換え時の大きな問題なので、あると助かります。 |
「パソコンで見るマニュアル」。 こうした初心者向けの機能が充実しているのは国産メーカー品の強みです。 PDF ではなく、ちゃんと1つのソフトとして作られているので、利用しやすくて見やすいです。 |
性能の検証 (dynabook R632/W1RF、Core i5-3317U、東芝 SSD) |
ここからはベンチマークソフト(パソコンの性能測定ソフト)を使った、性能の検証と報告を行っています。
今回検証している Dynabook R632/W1RF は廉価型モデルで、CPU は中間型の Core i5 が搭載されています。
上位型モデルには Core i7 が搭載されているのですが、それよりも基本性能はやや低くなります。
モデルの違いによって性能に差があることを予めご了承下さい。
さて、では実際に R632 がどのぐらいの処理能力を持っているのか?
以下は性能測定ソフト「PCmark 05」で各パーツの速度を計測した結果です。
Dynabook Satellite T571 / W4MD |
Dynabook R631 / W1TD |
Dynabook Satellite R632 / W1RF |
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タイプ | 17インチ大型ノート | ウルトラブック | ウルトラブック |
CPU | Core i5 2430M (2.4〜3GHz、コア2) |
Core i7 2677M (1.8〜2.9GHz、コア2) |
Core i5 3317U (1.7〜2.6GHz、コア2) |
メモリ | 4GB | DDR3 8GB | DDR3 4GB |
HDD | HDD 500 GB | SSD 128 GB | SSD 256 GB |
測定結果 | |||
CPU スコア | 7161 | 8260 | 7844 |
メモリスコア | 7277 | 9505 | 9314 |
グラフィックスコア | 3949 | 4690 | 5759 |
HDD/SSD スコア | 5128 | 18589 | 62655 |
以前検証した R631 には Core i7 が搭載されていたため、CPU のスコアは R632 の方が低くなっていますが、R632 も上位型(Core i7 搭載モデル)なら R631 より高くなるはずです。
また、今回の検証機に搭載されているのは Core i5 ですが、Ivy Bridge(アイビーブリッジ)と呼ばれる 2012 年の新型です。
R631 に搭載されている昨年型(Sandy Bridge)の Core i7 と比べても、大きな性能差はありませんね。 メモリのスコアも R631 と大差ありません。
新型の CPU は内蔵グラフィック機能が強化されているため、グラフィックのスコアは R632 の方がやや高くなっています。
ちなみに2012年7月現在、最新型 Core i7 の上位のもの(Core i7-3667U)を搭載できるウルトラブックは、東芝の Dynabook
R632 と、富士通の LIFEBOOK UH75 のみです。
つまり R632 は、現行のウルトラブックで最高クラスの処理能力を持っている事になります。
そして注目なのは、データの読み書きの速度を示す HDD Score。
このパソコンの場合は SSD の読み書きの速さになるのですが、R631 と比べて圧倒的に速くなっています。
R631 が 18500 なのに対し、R632 はなんと 60000! その差3倍以上!
あまりの速度差にビックリして、測定ミスしたのかと思い、何度も測定し直したぐらいです。 でも何度やっても6万以上のスコアが記録されました。
と言う訳で、HDD や SSD の速度を計る専門のソフト Crystal Diskmark でその速度を詳しくチェックしてみました。
結果は以下の通りです。
R631 搭載 SSD | 一般新型 SSD (Micron C400) | R632 搭載 SSD |
ご覧のように R632 に搭載されている SSD(一番右)の速度は、R631(一番左)と比べると圧倒的に速いです。
R632 で使用されている新型のマザーボードは、HDD や SSD を接続する SATA 端子が新しいもの(SATA 3.0、これが新しい方がデータのやり取りが速い)になっていて、その影響も大きいと思われますが、同じ SATA 3.0
の他の SSD(上記の中央、Micron C400)と比べても速いスコアが出ていますね。
(この Micron C400 は結構評判の良い SSD なのですが、R632 の速度はその上を行っています)
(ちなみに HDD だと、新型でも上から 140、70、0.7、1.5 ぐらいの速度にしかなりません)
冒頭でも述べたように、今年の春に発売された東芝の SSD はその速度に定評があります。
昨年までの東芝製の SSD は、SSD としては明らかに遅く、耐久性や信頼性重視の設計だと言われていました。
しかし遅い遅いと言われて奮起したのか(?)、今年のものは他の有名 HDD/SSD メーカーのものと比べても、トップを争える速度を持っています。
R632 はその東芝の新型 SSD が搭載されているため、これがかなりの実行速度の向上に繋がっている模様です。
と言う訳で、パソコンの用途別の速度を計測するソフト PCmark7 でもテストを行ってみました。
結果は以下の通りです
各項目で R631 より高くなっていますね。
今回の検証機の CPU は前回調査した R631 より下位なので、この差は新型 SSD の速度差から来ているものだと思われます。
と言う訳で、この SSD の違いの影響により、R632 は R631 よりかなり上の性能を持つという事が解りました。
パソコンの性能はカタログスペックや CPU だけに注目しがちですが・・・ 実際に使ってみないと解らないものですね。
※ただし、東芝ダイレクトのウルトラブック選択ページ(こちら)には 【Web直販だけの高速SSD搭載】 という表記があります。
そのため店頭販売モデル(R632/28F)には、この新型 SSD は搭載されていないかもしれません。 ご注意下さい。
なお、このパソコンは 3D グラフィックのゲームが出来るようなグラフィック性能は持っていませんが・・・
一応、新型の CPU は内蔵グラフィック機能も向上しています。
そこで 3D グラフィックのゲームの実行速度を測るテストも行ってみました。 結果は以下の通りです。
R631 / W1TD | R632 / W1RF | |
CPU | Core i7 2677M | Core i5 3317U |
内蔵グラフィック機能 | Intel HD Graphics 3000 | Intel HD Graphics 4000 |
3Dmark 06 | 4047 | 5383 |
FFXI ベンチ High 測定 | 3984 | 3809 |
モンスターハンター | 2291 | 3219 |
モンスターハンター 絆 | 1904 | 2408 |
モンスターハンター 大討伐 | 1712 | 2346 |
大航海時代 Online 最高設定 | 488 | 447 |
数値だけではよく解らないと思いますが・・・ 残念ながら、10 年ぐらい前のゲームである FFXI でも高画質にするとコマ送り状態になってしまいます。
また、古いグラフィック技術が使用されているゲーム(FFXI や大航海時代 Online)だと CPU の性能が大きく影響するため、今回の検証機の
CPU が Core i5 であったことから、スコアは R631(Core i7 搭載機)の方が高くなっています。
最近のゲームであるモンスターハンターの計測だとそれなりに動いていて、スコアも R631 より高かったのですが、快適にプレイできるかどうかは微妙なレベルですね。
それにグラフィック機能を酷使していると、冷却ファンが「フォーン」と高速で回り、薄い本体なので熱がキーボード側にダイレクトに伝わってきます。
ちょっと心配になるレベルなので、このパソコンでゲームをやるような事は考えない方が無難でしょう。
もちろん 3D グラフィックを使わない軽いものであれば、CPU のパワーは十分にあるので遊ぶことはできますが。
ゲームに必要な性能に関しては、3Dグラフィックのゲームをやるためのパソコンアドバイス のページも参考にして下さい。
なお動作音についてですが、通常の使用ではほとんど聞こえないレベルです。
グラフィック性能の測定時には大きめのファンの音が鳴り始めましたが、普段の使用でそうなることは滅多にないでしょう。
また、消費電力が 30 W を越えるとファンが高速で回り始めるようなので、消費電力を 20 W までに抑えるエコモードの場合、負荷をかけてもファンの音が大きくなる事はありません。
(その分、ピーク時の処理能力は落ちます)
いずれにせよ、消費電力の低さと SSD のおかげでほとんど動作音は聞こえないので、静音 PC と言っても良いレベルだと言えます。
・東芝 dynabook R632 (Ultrabook) ・Web 販売モデルと一般店頭用モデルは CPU や SSD が異なります。 (Web 販売モデルの方が上位です) ・当ページの検証は WEB モデルの方で行っていますのでご注意下さい。 ・Microsoft Office 搭載モデルと未搭載モデルがあります。 ・Web 購入のみ「クーポン番号」による割引が受けられます。 |
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