○ 展示会・発表会で担当者の方から聞いたお話
   DELL(デル)のインタビュー

展示会・発表会インタビュー

DELL (デル)このページでは、各地で開かれている展示会や発表会に参加した際に、デル(DELL)の担当者さまから直接お聞きした話を掲載しています。

普段は解りにくい各メーカーの開発方針や販売傾向、重視しているポイント、扱っている製品の現状や今後の予定などをお聞きしています。

ただしそれぞれのお話はあくまで会場で聞いた担当者さんのセリフなので、その会社の総意という訳ではないのでご了承下さい。
(また、読みやすいよう言葉/単語などを一部修正したり、複数の担当者さんのお話をまとめている場合もあります)

お話をさせて頂いた担当者の皆さん、ありがとうございました。
(以下の文章の、「担」は担当者様「私」は筆者である私のセリフです)

※このページは過去のインタビューを掲載しています。 最新のお話はこちら になります。

インタビュー パソコンメーカー


・DELL(デル)
アメリカに本社を持つ世界最大級のパソコンメーカー。
HP(ヒューレットパッカード)や Acer(エイサー)と世界規模でシェア争いを展開しており、
コストパフォーマンスを重視したリーズナブルなパソコンを販売している。
コスト低減のため生産・組立は主に中国で行われる。
2009 年にアメリカのゲーム用パソコンメーカー「Alienware」を買収、自社ブランド化し、
ゲーム向けの高性能を持つ、本来のデルとは全く正反対の PC の販売も開始した。
デル株式会社 デル株式会社


DELL(デル) 展示ブースにて 2014年11月


私:「今回のデルさんはノートとタブレットのみ展示されていますが、注目の製品というのはどれになるでしょうか?」

DELL(デル) 2014年展示ブース
デルの展示ブースの模様
(クリックで拡大します)
担:「新製品では、クローム OS(Google Chrome OS)搭載のモデルを展示しています。
一般販売されない特殊な製品ですが、安価にセキュアな環境で使えるマシンとして提供しています。
データの記録容量が 16 GB しかないので、クラウドストレージ(ネット上にデータを保存するサービス)の使用が前提です」


私:「クローム OS を使う利点は何でしょうか?」

担:「軽い OS なので起動がとにかく速いです。 あと、バッテリーが持続します。
それと先ほど申しましたようにセキュアに使えるということですね。
底ランニングコストで使える、教育環境向けの製品です」


私:「低コストマシンの追求というのは、デルさんらしいですね。
今回は他社さんも含め、低価格のノートやタブレットが目立ちますが、そういう傾向があるんですかね」


担:「最近のパソコン市場は二極化しています。 安いか、高いかですね。
だからうちはローエンドの製品・・・ と言うか、コストパフォーマンス重視の製品に力を入れています。
デルの傾向としては、よりノートブックに寄っています。
2in1 のマシン(ノート+タブレット)は相変わらず人気で、着脱型や折りたたみ型などがよく売れています」

私:「確かに今回は XPS(高性能モデル)の展示がありませんね」

担:「XPS の出は少なくなってますね。 販売傾向は、中から低に動いています」

私:「前はモニター一体型もプッシュしていたようですが、今回は見られませんね」

担:「一体型は日本ではダメだったので・・・
でもアメリカでは大人気なので、うちの製品ラインナップから消えることはないです。 この辺はお国柄ですね。
日本では、今はノートが安くて良いので、一体型を買う人はノートに流れる傾向のようです」


私:「エイリアンウェア(デルのゲーミングモデル)はどうでしょうか?」

担:「エイリアンウェアは好調です。 倍々に伸びています。
最近は小型の 13 インチゲーミングノートも発売しました。
また、コンソールのような使い方が出来るマシン(ALIENWARE Alpha)も開発しています」

私:「コンソールというのは、家庭用ゲーム機という意味のコンソール? それってどういうマシンなんでしょうか?」

担:「専用のゲームパッドがあり、起動するとパッドで動かせる Steam(PC ゲームのダウンロード販売システム)のメニューが出てきます。
ここから直接、やりたいゲームを起動できるようになっています。
後は三角形のケースとか、相変わらず面白い製品が多いですね(笑」



【 感想 ・ 注記 】
クラウドストレージ前提の低価格ノートは HP も展示していました。 新世代ネットブックと言った感じで、そうしたモデルが一般化するようになるのでしょうか?
デルは 2013 年にやや高性能志向になっていたのですが、今年は再びコストパフォーマンス重視に戻っているようです。
パーツの性能向上により、低価格で相応の性能のマシンが作れるようになったということでしょうか。

エイリアンウェアは、元々独特な製品が多かったのですが・・・ 家庭用ゲーム機のような使い方が出来るパソコンは、確かに面白い存在ですね。

○ リンク : DELL(デル 個人向けストア) / エイリアンウェア



DELL(デル) 展示ブースにて 2014年6月


私:「今回は一体型(ディスプレイに本体が内蔵されているタイプ)の展示が多いですが、これが今のデルさんの一押しでしょうか?」

DELL(デル) 2013年展示ブース
Dell の折りたたみ 2in1 モデル。
裏側にタッチパネルモニターがあり
畳むとキーボードは反応しなくなる。
DELL(デル) 2013年展示ブース
Amazon 等で「艦これタブレット」として
特集されたという Venue 8 Pro。
(画像はクリックで拡大)
担:「そうですね。 でもメインで推しているのはやはりノート。 あとは『2in1』ですね」

私:「2in1 というのは・・・?」

担:「タブレットとノートの双方を兼ねているタイプです。 今年はディスプレイの裏にキーボードを折りたためるタイプを展示しています」

私:「あー、『ハイブリッド型』とも言われているやつですね。 確かにこの分野はデルさんは強いですもんね。
今年のモデルは見た目はサーフェス(Microsoft のハイブリッド型ノート)に似ていますね」


担:「確かに似ていますが、価格はこちらのモデルの方が安いですよ。 重量も軽いです。(そのぶん CPU 性能は控えめ)」

私:「一体型のモデルの方は、なにか特徴はあるでしょうか?」

担:「ビデオカードを搭載したモデルが増えました。 RADEON R7 を入れています」

私:「モバイル用の RADEON のようですね・・・ ゲームに使うにはちょっと非力な気がしますが、これはそういった用途も考えておられるのでしょうか?」

担:「いや、当社のゲーミングモデルはエイリアンウェアになります。
これは動画編集を考慮しています。 最近は Youtube などに動画を上げる方も増えていますが、その場合 CPU だけだとパワー不足ですからね」


私:「ノートの方は、今の売れ筋はどの辺りでしょうか?」

担:「8万円から9万円のモデルが良く出ています。 やはりコストパフォーマンスの良いものが売れますね」

私:「ああ、その辺はデルさんらしいですね。
タブレットの方は何か注目のものってありますでしょうか?」


担:「大きな話題にして頂いたのは、今回展示もしております Venue 8 Pro です。
小型で4万円を切るタブレットですが、Atom の Z3740D を搭載しており、各メディアで『艦これタブレット』として紹介して頂きました。
かなり注目されたモデルですよ」


私:「4万円は安いですね。 ただ、Atom だと『艦これ』はそこまで快適に動くかな・・・?
でもこの手軽なサイズで Windows も動くって、確かに良いですねぇ」


担:「タブレットは他にも、Sim フリーのものや、展開式のものなど、様々なタイプを用意しています。
最近、特に力を入れている分野ですね」



【 感想 ・ 注記 】
昨年、デルは「高性能型ノート」「ウルトラブック」「携帯性重視ノート」の3つを中心としていくと言われていたのですが・・・ 今年はそういう感じではありませんでした。
展示品を見た感じでは、タブレットと一体型を推していて、ノートはウルトラブックから 2in1(ハイブリッド型)に移行している印象です。
デスクトップは展示されておらず、担当の方も「デスクトップの需要は世界的に縮小しているので、力を入れていない」と言われていました。

「艦これタブレット」については、私が以前 Atom Z3770 のタブレットで試してみた限りでは、重くて快適とは言えなかったので、それと同クラス(若干下)の Atom Z3740D を搭載する Venue 8 Pro も、動くだろうけど快適とは思えません。
ただ、「4万円で(艦これも動く)8インチの Windows タブレットが手に入る」という意味で、話題になるのは頷けますね。

全体としては昨年・一昨年のウルトラブックからハイブリッド型へと移行し、より軽く、より手軽な方向に動いているようです。
確かにデルの方向性としては、それが相応しい気がしますね。

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DELL(デル) 展示ブースにて 2013年11月


私:「今回のデルさんのブースには、エイリアンウェア(ゲーミングモデル)やウルトラブックが見当たりませんが、今の売れているモデルは何でしょうか?」

担:「昨今は 14 から 15 インチのノートですね。 ウルトラブックも今回は展示していませんが、相応に売れてますよ。 エイリアンウェアも順調に伸び続けています。 前年比の売上も良好です」

DELL(デル) 2013年展示ブース
Dell のノートと一体型モデル。
手前の小型ノートはコートレスパソコンと
称されたモデルの1つ。
私:「配布されているカタログに『コードレスパソコン』と書かれていますが、これって何でしょうか?
ノートは最初からコードレスじゃないのかと・・・」

担:「まあ、そうなんですが(笑 これは我々が独自に定義した呼び名で、いくつかの特徴を備えたノートのことです。
携帯性を重視したモデルで、持ち運びやすく、大容量バッテリーで、起動が速く、収納が便利。 あと高い保証があるモデルのことです」


私:「それってウルトラブックとは違うんですか?」

担:「ウルトラブックでなくても、携帯性の高いものを開発していこうという取り組みですね」

私:「そういった目標というか、特化モデルというのは他にもあるのでしょうか?」

担:「デスクトップでは『グラフィックプロ』というシリーズを新たに用意しています。
クリエイター向けのモデルで、ビデオカードを搭載したものです」


私:「それはゲーミングモデルに近くなるんじゃないですか?」

担:「ゲーム目的ならエイリアンウェアを勧めます。
こちらはクリエイター向けで、ゲームも出来ますが、基本的には高いグラフィック機能が必要な業務での使用を考えています」


私:「あぁ、デルさんのエイリアンウェアは独特ですからね。
タブレットの方はどうなのでしょうか? 絵描きタブレットとして注目されていた Latitude 10 なども公開されていましたが」


担:「タブレットは主に法人向けと考えています。
Latitude 10 は試験的な取り組みだったのですが、絵描きさんにプロモーションをして貰ったら、すごく評判になりました。
『こういう需要もあるんだ』というのが解ったので、実績があれば今後その方面の開発も進むかもしれません。 ただ、まだ未定ですね」



【 感想 ・ 注記 】
ノートパソコンは高性能型の XPS と、ウルトラブックと、携帯性重視の一般モデル「コードレスパソコン」の3本立てで展開していく方針。
デスクトップは従来型と、ゲーミングモデルのエイリアンウェア、ゲーミングではないビデオカード搭載型「グラフィックプロ」の3本立ての模様です。
エイリアンウェアは見た目も中身も「ゲーム専用!」って感じなので、業務用としては使い辛く、それでグラフィックプロを別に用意したようですね。

お話を聞く限りでは、開発の方向性を明確化し、かつ需要のあるモデルを探っている印象がありました。
昨年のデルはウルトラブック一押しでしたが、そのブームが一段落して、次の段階に向けて動き始めているところのようです。

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DELL(デル) 展示ブースにて 2013年11月


私:「今回のデルさんのブースには、エイリアンウェア(ゲーミングモデル)やウルトラブックが見当たりませんが、今の売れているモデルは何でしょうか?」

担:「昨今は 14 から 15 インチのノートですね。 ウルトラブックも今回は展示していませんが、相応に売れてますよ。 エイリアンウェアも順調に伸び続けています。 前年比の売上も良好です」

DELL(デル) 2013年展示ブース
Dell のノートと一体型モデル。
手前の小型ノートはコートレスパソコンと
称されたモデルの1つ。
私:「配布されているカタログに『コードレスパソコン』と書かれていますが、これって何でしょうか?
ノートは最初からコードレスじゃないのかと・・・」

担:「まあ、そうなんですが(笑 これは我々が独自に定義した呼び名で、いくつかの特徴を備えたノートのことです。
携帯性を重視したモデルで、持ち運びやすく、大容量バッテリーで、起動が速く、収納が便利。 あと高い保証があるモデルのことです」


私:「それってウルトラブックとは違うんですか?」

担:「ウルトラブックでなくても、携帯性の高いものを開発していこうという取り組みですね」

私:「そういった目標というか、特化モデルというのは他にもあるのでしょうか?」

担:「デスクトップでは『グラフィックプロ』というシリーズを新たに用意しています。
クリエイター向けのモデルで、ビデオカードを搭載したものです」


私:「それはゲーミングモデルに近くなるんじゃないですか?」

担:「ゲーム目的ならエイリアンウェアを勧めます。
こちらはクリエイター向けで、ゲームも出来ますが、基本的には高いグラフィック機能が必要な業務での使用を考えています」


私:「あぁ、デルさんのエイリアンウェアは独特ですからね。
タブレットの方はどうなのでしょうか? 絵描きタブレットとして注目されていた Latitude 10 なども公開されていましたが」


担:「タブレットは主に法人向けと考えています。
Latitude 10 は試験的な取り組みだったのですが、絵描きさんにプロモーションをして貰ったら、すごく評判になりました。
『こういう需要もあるんだ』というのが解ったので、実績があれば今後その方面の開発も進むかもしれません。 ただ、まだ未定ですね」



【 感想 ・ 注記 】
ノートパソコンは高性能型の XPS と、ウルトラブックと、携帯性重視の一般モデル「コードレスパソコン」の3本立てで展開していく方針。
デスクトップは従来型と、ゲーミングモデルのエイリアンウェア、ゲーミングではないビデオカード搭載型「グラフィックプロ」の3本立ての模様です。
エイリアンウェアは見た目も中身も「ゲーム専用!」って感じなので、業務用としては使い辛く、それでグラフィックプロを別に用意したようですね。

お話を聞く限りでは、開発の方向性を明確化し、かつ需要のあるモデルを探っている印象がありました。
昨年のデルはウルトラブック一押しでしたが、そのブームが一段落して、次の段階に向けて動き始めているところのようです。

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DELL(デル) 展示ブースにて 2012年11月


DELL エイリアンウェア
エイリアンウェアのスリム型。
ゲームPCメーカーをデルが買収し
自社ブランドとしたモデルです。
私:(担当の方がエイリアンウェアの方だったので)「エイリアンウェア(デルのゲーミングモデル)の方で最近なにか変化がありましたでしょうか?
エイリアンウェアだと Windows 8 の影響も特になさそうですが・・・」


担:「エイリアンウェアについては特に大きく変わっていませんね。 CPU が9月に Ivy Bridge(2012年の新 CPU)になったぐらいです」

私:「Windows 8 の発売に合わせてセールなどを行う予定もない?」

担:「それは行っておりますが、Windows 8 と言うよりは、セガさんの『PSO2』(ファンターシースターオンライン2)とコラボしてスペシャルイベントなどを実施しております。
都内で PSO2 専用のネットカフェなどもオープンしたのですが、そこで使われているパソコンもエイリアンウェアです」


私:「ネットカフェでエイリアンウェアのようなハイエンドな PC が使われるって珍しいですね。
それはゲームをメインにしたネットカフェだから、ということでしょうか?」


担:「そうですね。 やはりパワーのあるマシンでプレイして頂いた方がゲームもより楽しめますからね。
他にも多くのゲームとの提携企画などを実施しております」


私:「最近はあまり特定のゲームと提携というのは聞かなくなりましたが、エイリアンウェアはその方面が活発なのですね。
最近だと人気があるゲームは、どんなものでしょうか?」


担:「PSO2 以外で有名どころとしては、FPS は『スペシャルフォース2』『AVA』などですね。
オンラインゲームはゲームオン(レッドストーンやミューなどの MMORPG 運営会社)さんとの提携を強化しており、共同イベントもよく行っています」


私:「一般のモデルの方はどうでしょうか? デルさんと言えば「安さ重視」という印象がずっとあるのですが・・・」

担:「モデルによりますね。 Inspiron(インスパイロン、個人向けの廉価モデル)なら従来通り、コストパフォーマンスをもっとも重視しています。
でも XPS(上位モデル)は価格より、性能を重視した開発を行っています。 もちろん高すぎないよう、コストも考慮しておりますが」


私:「デルさんの売れ筋というか、人気モデルというと何になるでしょうか?」

担:「Inspiron は低価格の5万円台のノートがよく売れてますね。 XPS はウルトラブックがかなり人気です。
15 インチの光学ドライブ付きのウルトラブックは、このサイズのウルトラブックが他にないため、非常に良く売れております」


私:(展示品を見ながら)「このモニター反転型のモデル(XPS 12)は面白いですね」

DELL の 12.5 型のコンパチブル・ウルトラブック、XPS12。
モニターがクルッと回転してタブレット型に早変わり! Windows 8 に最適なモデルです。
枠の中でモニターが回転する方式はデルが特許を取っているらしいので、このタイプはデルの専売です。
ただ、重量は 1.5 kg あり、タブレットとして使うにはちょっと重い印象です。

担:「Windows 8 の発売に合わせたハイブリッドモデルです。 モニターを一回転させてタブレットのように活用することが出来ます。
液晶の回りはゴリアグラスという強化ガラスで覆っていて、綺麗なことに加え、とても頑丈です。 法人でも使用できるよう堅牢に作られています」


私:「高級感もあって良いですね。 これをいち早く出したと言うのは、やはり Windows 8 向けの準備があったということでしょうか?」

担:「準備というか、実はこのタイプのモデルは当社では2年前にも発売していたんです。 ですからその時のノウハウを使えたのだと思います。
また現在はウルトラブックなどの XPS が主力になっているので、その方面の開発を重視しているのもあると思います」



【 感想 ・ 注記 】
昔のデルは法人向けのメーカーという印象でしたが、現在のデルは「法人向けモデル」「個人向けモデル」「エイリアンウェア(ゲーミングモデル)」の3つの特徴が大きく異なり、それぞれ独立して動いているような印象です。

エイリアンウェアは展示品を見ても、以前と変わっている様子はありませんでした。
ただ、販売にはかなり力が入れられており、好調なことが伺えます。
「キワモノ」というイメージもあったのですが、現在は日本の中心的なゲーミングモデルの一角を担っていると思います。

また、以前のデルは「安さで勝負」というカラーが強かったのですが、今は性能も重視した「バランス型」にシフトしている印象です。
これは2012年夏に発売したウルトラブック(XPS 13)が、HP のものより価格が高く、しかし性能では勝っていて、結果的にそのモデルで成功したため、その傾向を引き継いだ路線を進んでいるためだと思われます。

今後のデルは、やや性能重視の方向にシフトしていくのかも知れません。 エイリアンウェアは最初から高性能/高価格モデルですしね。

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2012年6月にお聞きした話(デル、DELL)


DELL XPS 13
Dell の Ultrabook XPS 13
際立った特徴はないものの、
軽さ・厚さ・見た目・価格が平均以上。
人気になるのは納得です。
私:「今期のデルさんはウルトラブックの『XPS13』が一押しのようですが、やはり今はウルトラブック(Ultrabook)に注力しておられるのでしょうか?」

担:「そうです。今はとにかくウルトラブックですね。
XPS13 は BCN(PC 関連のマーケティングや市場調査を行っている会社)のランキングでも
満足度1位を獲得しており、大変ご好評頂いています」

私:「今期は他社さんもウルトラブックを発売されますが、デルさんのウルトラブックのウリと言うのはどの点でしょうか?」

担:「もっとも薄いところで 6mm 、最大でも 18mm の薄さ、そして 1.36 Kg の軽量、それで8万円台という価格の安さですね。
また起動の速さにもこだわっており、通常の起動時間はもちろん、スリープからの起動は非常に高速で、開けたらすぐ使えます。
カーボンファイバーのボディと強化ガラスを使ったデザイン、8時間は持つ長時間駆動のバッテリーもウリと言えますね」


私:「総合性能が高い、という感じでしょうか。 デザインも今年のデルさんのモデルは角が丸くなっていて、以前とは違っていますね」

担:「今年の個人向けモデルは親しみやすさを重視して作っているようです。 もちろんデザインは重視していますよ」

私:「エイリアンウェアの方はどうでしょうか? こちらはあまり変わらないのかな?」

担:「いえ、新しい CPU に合わせてモデルチェンジしています。 売れ行きも好調ですね。
デザイン的には従来のままであまり変わっていませんが、14 インチのノートやスリムな小型モデルを発売しました。 相変わらず装飾は凄いです(笑」


私:「今年のデルさんのコンセプトと言うか、開発方針はやはり「安さ」でしょうか? 以前は一体型モデルなどにも力を入れていたようですが・・・」

担:「やはり『安さ』、そして『デザイン』です。 この点は不変ですね。 一体型モデルも新型が出ていていますよ。
昨年まで新製品は Inspiron (家庭用の廉価モデル)ばかりだったのですが、今年は高性能な XPS シリーズにも力を入れ、
もっと幅を広げて行こうという考えです。
特に XPS のノートは近日中に 14 型のウルトラブック(XPS 14)や、15 型でビデオカードを搭載したモデル(XPS 15)を準備しています」



【 感想 ・ 注記 】
2012年の PC 市場は「ウルトラブック」が注目ですが、2012年6月初頭に行われたウルトラブックの顧客満足度調査で1位になったのがデルの製品です。
この調査は「大きさ」「デザイン」「価格」の3項目で調査されていて、機能や性能は項目にないので、その点が PC の調査としてはどうかと思うのですが、デルのウルトラブック「XPS 13」は平均的に高い特徴を持ちながらも価格が安いため、多くのユーザーの支持を集めたようです。
実際、見るからに売れそうな、バランスが良くて購入しやすいウルトラブックである印象ですね。

あと、今年のデルのモデルはビジネス向けとエイリアンウェア以外、ノートPCやモニター一体型、デスクトップに至るまで、全てどこかに丸みがあるデザインになっているのが印象的でした。
全体的に「ちょっと変わったなー」という感じを受けましたね。



2011年11月にお聞きした話(デル、DELL)


私:「最近のデルさんのパソコンはカラフルなものが増えていますよね。
ノートパソコンの天板を自由に変えられるものなどもありますし、デザイン重視な傾向にあるのでしょうか?」


担:「はい、今後さらに女性へのアピールをしていこうと思っています。
うちのパソコンはリーズナブルなものが多いので、デザインを重視することで、より女性向けになると考えています。
見た目も重視して、新しい層を開拓していこうと」


私:「安さやコストパフォーマンスがメインというのは変わってないんですね」

担:「そこはもう、うちの方針ですから。 今回展示しているモデルもしっかりした性能を持ちつつ、価格は5万円〜6万円です。
ミニノートとして人気ですね」


私:「こちらで展示している XPS15 と XPS 15z(XPS はデルの高性能型モデル)は、ビデオカードも搭載しているようですが・・・ こちらは傾向が違うのでしょうか?」

担:「15z はビデオカードがない一般向けで、15 は GeForce GT540m が使われています。 同じ XPS でも棲み分けをしていこうという考えです」

私:「何かデルさんの方針などで、新しい変化のようなものはありますでしょうか?」

担:「最近、パソコンをウェブで買う人が増えているので、そういった方々を狙っていこうという考えはあります。
よりウェブから購入しやすくし、『特急便』で2日でお届けできるようにしており、サイトから手軽に買って頂けるよう改良を進めています」




2011年5月にお聞きした話(デル、DELL)


DELL ノートパソコンの天板
今年のデルのノートパソコンは
天板を自由に取り替え出来るようです
私:「今回はノートパソコンの展示が多いようですが、今年のデルさんはノートに力をいれて行こうと言う方針なのでしょうか?」

担:「そうですね。 元々うちはノートの販売数が多いのですが、パソコン全体の売れ行きも日本ではノート型が8割だと言われています。
今後もノートが主力になると思います」


私:「昨年、展示を見させて頂いた時はパソコンとディスプレイの一体型モデルをアピールされていたと思うのですが・・・
今年はまたノートに戻ったと言う事でしょうか?」


担:「一体型のモデルも販売は続けておりますが、新しいモデルは出ていませんね」

私:「ノートパソコンの方は新しいモデルになっているのでしょうか?」

担:「中身は一新されています。 Sandy Bridge(2011年に登場した新しい CPU と、それを使うためのマザーボード)になっており、従来型よりも大幅に処理速度が早くなっていますよ」

私:「この隣にある XPS のノートパソコンはハイスペック型ですよね? 従来のデルさんだと、こうしたモデルは無かったと思うのですが・・・」

担:「いや、そんなことはないですよ。 ただ、あまりアピールしていなかったのはあるかもしれません。 もっと処理能力が欲しい方に向けたモデルです」

私:「これはビデオカードが搭載されてるんですか?」

担:「はい。 これには GeForce 540M が積まれています」

私:「じゃあ 3D グラフィックのゲームや CAD(設計用ソフト)なんかも動かせる性能な訳ですね」

DELL ALienware
エイリアンウェアはラインナップが増加
すでにデルの主力の1つになった模様
担:「高性能が要求されるものでなければ動かせますが、ゲーム用途においては Alienware(エイリアンウェア)の方をお勧めしています」

私:「Alienware は新しくなっているのでしょうか?」

担:「こちらも中身は Sandy Bridge(最新の CPU)に合わせて一新されました。 また新しいモデルも増えています」

私:「(展示されていた小型の Alienware を見て)この小さいのは始めてみたのですが、小型モデルも出されたんですね」

担:「Alienware はより小型のモデルから、今までよりさらに大きなモデルまで登場し、新しいラインナップになっています」

私:「それでなくても大型のモデルでしたが、まだ上が出たのですか!?」

担:「(笑いながら)出ました。 18インチサイズです。 さらに大きくて、ビデオカードも2つ搭載しています。
CPU も Core i7 の一番上のもの(モバイル用の Core i7 Extreme Edition)を搭載でき、ノートとしては間違いなく世界一速いと自負しています。
ただこれだけ大きいと持ち運びなどは難しいので、ノートと言うよりはディスプレイ付きのデスクトップと言った形ですけどね」


私:「お値段もすごく高そうで・・・ デルさんの傾向とはますます離れてきてますよね」

DELL Inspiron M102
右が小型の Inspiron M102
大きさ・価格ともネットブックサイズです
担:「ああ、一般モデルは今も安価なモデルが主力ですよ。 ここは今もリーズナブルな価格帯をメインとしています。
より小型でお求めやすいものも開発しています」


私:「(展示されている小型モデルを見て)これはネットブックではないのですか?」

担:「ネットブックではないのですが、ネットブックと同じ価格帯で、同じ大きさです。
AMD VISION(AMD 社の小型パソコン用の規格)を使用していて、一般的なネットブックより高い性能を持っています。 価格も5万円前後で、ネットブックと同じですね」


私:「以前お話をお聞きした時、「BTO(受注生産)はやめる」というような話を聞いたのですが、これはどうなっているのでしょうか?」

担:「BTO のニーズは高いので、それをやめるという事はありません。 今後も続けていくと思いますよ」


【 感想 ・ 注記 】
今回お話をお聞きしたのは、今までの担当とは違う方でした。
前年のインタビューでは「BTO はやめるかもしれない」という話があったのですが、それは否定されておられました。

デルがメインとする低価格のノートパソコンが新型 CPU により高性能化したので、これを機にアピールしようとしている印象を受けました。
一方で、今まで展示されたことがなかった一般モデルの高性能型や、ビデオカード搭載型(以前のデルにはビデオカードを搭載した一般型ノートはほとんどなかった)、さらにエイリアンウェアのラインナップの拡張など、高性能モデルにも幅を広げている感じが伺えます。
さらにデザインを重視したノートパソコンのバリエーションも増えており、幅広い層にアピールしていく方針が伺えます。



2010年10月にお聞きした話(デル、DELL)


DELL ALienware
DELL Alienware
(レビューは こちら のページの下部にて)
担:「世界最大のシェアを持つデルの最新モデルをご紹介しております。
デルは安価なモデルを多く取りそろえておりますが、最近は高価格モデルの開発・販売も始めております。
また、ゲーム用モデルとして販売開始した Alienware(エイリアンウェア)は「ファイナルファンタジー14」の認証を受け、非常に良く売れております。
今回はディスプレイ一体型のモデルの展示も行っています」


私:「Alienware(エイリアンウェア)が好調のようですが、その最新モデルというのはあるのでしょうか?」

担:「Alienware はちょうど一通りのモデルの開発が終わり、出そろったというところですね。
そのため新しいモデルの予定は今のところありません。 しかし本社では Alienware 以外のゲーミングモデルを出そうという動きがあるようです。
新モデルとしては、今はディスプレイ一体型を新たに売り出し始めたところです」


私:「このディスプレイ一体型というのはデルさんでは初めてですよね?
こうしたタイプは日本では NEC や富士通などが良く販売している物ですが・・・ これは中身はノートパソコンになりますよね?」


DELL Inspiron One
DELL ディスプレイ一体型 Inspiron One
担:「パーツは主にノートパソコンの物ですね。 そのため性能的にはやや落ちますが、置き場所を問わないモデルとして注目されています」

私:「この手のパソコンは高いものが多いのですが、デルさんの場合「安さがウリ」というのもあると思います。
このモデルの価格はどうなのでしょうか?」


担:「正直、うちのモデルとしてはまだ高めです。 でも他社さんと比べると高いという程ではありませんし、まだ出始めですから今後は安価なモデルも出てくると思いますよ」

私:「デルさんは BTO もやめる予定があるという話を聞いたのですが・・・ 今後はこうした日本の家電メーカーのような傾向に向かっていくのでしうか?」

担:「BTO(ユーザーによるパーツ選択)をやめるという話は確かに上の方では出ているようです。 ただ、まだ決定した話ではありません。
BTO は様々なパーツに対応できる体制を整える必要がありますが、そうしたものを省いて価格を下げたいというのはあるようです。 ただ私個人としては、今後も BTO は続けていきたいと思っているのですが・・・」




2009年10月にお聞きした話(デル、DELL)


DELL担:「デザインに優れたノートパソコンや新たに販売を開始したゲーミングパソコンを展示しています。 ぜひご覧になって下さい」

私:「デザイン性を重視したデルさんのパソコンって、初めて見た気がするんですが・・・
前からこう言うの出してましたでしょうか?」


担:「いえ、今年が初めてです。 有名デザイナーの方にノートパソコンの表面の絵柄をデザインして頂きました。
壁紙なども特製のものになっていますよ」


私:「これは個人向けになりますよね? 最近のデルさんはビジネス向け以外にも力を入れられているみたいですね。
今回はゲーム向けのパソコンも展示されていますし」


担:「はい。 昨年から新たに出したゲーミングモデルの 「Alienware(エイリアンウェア)」 を展示しています。 性能は最高のものを持っています」

私:「これは従来のデルさんのパソコンとは設計もコンセプトも全く違いますが・・・
確か別のメーカーを買収して、そこのパソコンをデルさんの方で販売しているというものですよね?」


担:「そうです。 以前からゲーム向けのパソコンを開発していたメーカーを買収して、デルの方で販売しているものです。
よって従来のうちの製品とはかなり異なっています」


私:「これの開発にあたってデルの本社の方は全く関わっていないのでしょうか?」

担:「うーん、詳しくは解らないですが、おそらく口出しはしていると思いますよ」

私:「ノートパソコンの Alienware は、ノートパソコンとしてはものすごく厚さもありますが・・・ 価格も高いですよね」

担:「高性能を優先させてますから高価格です。 重さも 5kg ぐらいありますから、基本的には据え置きで使って貰うものですね。
デスクトップの Alienware は基本構成は 20 万ほどですが、最高構成にすると 70 万越えちゃいますね。(笑」


私:「Alienware 以外のデルさんのパソコンについてですが、昨年お伺いした時には「安さが一番のウリです」とお聞きしたのですが、その傾向は今年も同じでしょうか?」

担:「それは今も変わりません。 余計な機能を付けずにコストダウンを計る、と言うのは今も同じです」



2008年11月にお聞きした話(デル、DELL)

DELL(デル)担:「世界で最大のシェアを持つ当社の、春の最新モデルをご紹介しています」

私:「デルさんのパソコンと言うと「安さで勝負」という印象がありますが・・・ やはりデルさんの基本方針は「低価格」なのでしょうか?」

担:「そうですね。 デルの方針は、まず「安さ」ですね

私:「個人的には「安かろう悪かろう」というか、デルさんは安いけど性能は今ひとつ、といった感じも受けるのですが・・・」

担:「基本の性能は高いはずですよ。 同じパーツを使ったパソコンなら性能も同じになりますから、パーツの構成が同じなら、どこのメーカーでも大きな性能差というのはないはずです」

私:「安さを実現するために取り組んでいるという事はありますでしょうか?」

担:「余計なものを省く、という事ですね。 多くのメーカーさんのパソコンには、指紋認証機能とか、赤外線受信機など、多くの機能が付属されています。
でもそういった機能があると値段が高くなりますし、それらを活用されている人はあまり多くないと思います。
当社はそういった機能を省く代わりに、低価格で良いものをご提供しようと考えています」


私:「デルさんはサポートであまりいい話を聞かないのですが・・・ 例えば、日本でのサポートが中国経由になって言葉が通じなかったりとか・・・ そう言った点はどうなのでしょう?」

担:「確かに中国での組み立てを行っているため、サポートも中国経由になりますが、日本語が通じないと言う事はありませんよ。
ただ、中国人の日本語が分かるスタッフが応対に出る事があるので、その時は発音やイントネーションがヘンとか、そういう場合はありますね。
でも、サポートが悪いと言う事はないと思います。 「日経パソコン」(雑誌)さんの 「メーカー別のサポートランキング」 でも、うちは結構上位に行く事もありますよ。
あっ、でもこの前のランキングは下位だったかも・・・」


私:「あのランキングって結構、上下動激しいんですか?」

担:「まあ、大きな声では言えませんが、色々とありますからね・・・(苦笑)
うちは資料を提供する際に、全てのサポート関連の資料を一括でお渡ししているんですが、メーカーさんによっては・・・」

(以下、オフレコな話も含むため割愛 ^^;

私:「デルさんは基本的に企業向けのパソコンが多いのですが、今後、高性能モデルやゲーム用のモデルなどの発売は予定していますでしょうか?」

担:「高性能モデルは XPS というシリーズがありまして、それなら最新のゲームを動作させる事も出来ます。 ただゲーム用モデルというのは現時点はありません。
しかし XPS とは別の、ゲーム用モデルの発売も予定しています。 まだ開発中の段階なのですが、デルの今後の計画の1つとなっているため、今年中に新しい発表が出来ると思います」

(これは 2009年10月 のインタビューでお聞きした 「Alienware」 のことです)


【感想】
印象的だったのは、「デルのパソコンは安さで勝負ですよね?」と聞いた際、「そうです」と即答で答えられていた事です。
「いや、性能も悪くないですよ」みたいな返答が来るのかと思いきや・・・
もう製品開発の基本として、「安さ」「コストパフォーマンス」というのを中心にされているのでしょうね。

また 2009年〜2010年 のインタビューを聞いた限りでは、デルさんはちょうど新たな方針に移行する「過渡期」にある印象を受けました。
デルは世界 NO.1 のシェアを持つパソコンメーカーですが、近年は2位以下からかなり追い上げられています。 今のラインナップのままではもたない、という危機感を感じているのかもしれません。
BTO 廃止の話や 2010 年の開発傾向を見ると、アメリカの「メーカー品」という傾向に移っていくのかもしれません。

○ リンク : DELL(デル個人向けストア)へ

※最新のインタビュー記事は こちら をご覧下さい。


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