○ 展示会・発表会で担当者の方から聞いたお話
HP / ヒューレットパッカード

展示会・発表会インタビュー

 

このページでは、各地で開かれている展示会や発表会に参加した際に、HP(日本ヒューレット・パッカード)の担当者さまから直接お聞きした話を掲載しています。

HP(ヒューレット・パッカード)普段は解りにくい各メーカーの開発方針や、販売傾向、重視しているポイント、扱っている製品の特徴や今後の予定などをお聞きしています。

ただしそれぞれのお話は、あくまで会場で聞いた担当者さんのセリフであり、その会社の総意という訳ではないのでご了承下さい。
(読みやすいように言葉/単語を一部修正したり、複数の担当者さんのお話をまとめている場合もあります)

お話をさせて頂いた担当者の皆さん、ありがとうございました。
(以下の文章の「担」は担当者様「私」は筆者である私のセリフです)


・HP(ヒューレットパッカード)
アメリカに本社を持つ世界最大級のパソコンメーカー。
販売台数は世界トップクラスで、モニターやプリンターなどの周辺機器でも最大手。
元は企業向けのビジネス用パソコンが中心だったが、現在は個人 / 家庭向けのモデルや、ゲーム向けの高性能モデルも扱っている。
自社でカスタマイズしたパーツを使用し、本体をコンパクトにまとめているのが特徴。
近年はデザインを重視し、インテリアや嗜好品として PC 開発もしている。
日本で販売されている製品は、すべて国内生産である。
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HP(ヒューレットパッカード) 展示ブースにて 2016~2017

【 2016年 11月 】

私:「まず、HP さんの『パソコンメーカーとしての特徴や傾向』を教えて頂けますでしょうか?」

HP ラグジュアリーモデル Spectre
HP のラグジュアリーモバイル PC
アイボリーの光沢ある装飾が特徴
スピーカーもデザイン化している
※画像クリックで拡大

担:「主にノートパソコンに注力しており、デザインを大切にしています。
特に新モデルは『ラグジュアリー』をテーマにしていて、美しく高級感のあるパソコンを目指して開発しております。
モデルさんを使ってプロモーションを行っており、男性はもちろん、女性にもご好評を頂いております」

私:「確かにオシャレなモデルが多いですね。この傾向はいつからでしょうか?」

担:「去年の冬からですね。 最近のパソコンはスペックで差が付きにくいので、こうした点で特徴を出しています。
ロゴも変わりまして、以前よりオシャレなものになりました。
もちろんデザインだけではなく、薄さや軽さにもこだわっていて、発売当時は世界最薄のモデルもありました」

私:「これは個人向けモデルですよね? 法人モデルは違いますよね?」

担:「法人モデルもデザインを大切にしていますよ。
もちろん法人モデルだと安さが求められますが、当社は法人モデルにもダイヤモンドカット(本体の端をナナメにカット)して光沢を出し、高級感を演出しています。
素材をアルミにして軽量で頑丈、キーボードのタッチ感の良さにもこだわっています」

HP の新ロゴ
HP の新しいロゴマーク
携帯電話の電波表示みたい?

私:「つまり、やや高級なモデルで勝負しているという感じでしょうか?」

担:「そうですね。外資系のメーカーの中では、うちは製品の品質、『モノの良さ』で勝負しています。
今はスマホが普及しましたから、パソコンの使われ方、働き方が変わっていて、それに合わせて行こうということですね。
パソコンを時計のような嗜好品として考え、相応しいものを作っていきたいと思っています」

私:「今はこれらが一番よく売れているのでしょうか?」

担:「いえ、よく売れているのはやはり安価なモデルですね。
サイズは 15 インチ、価格帯は 5~6 万円台がよく出ています」

私:「HP さんが今『力を入れているところ』はなんでしょうか?」

担:「法人か個人かで言うと、個人向けに力を入れています。
ただ法人モデルも堅牢性と共にデザインを考慮し、先ほども申しましたが、無骨なものが多い法人向けにも高級感をと考えています。
ペンタブレットにも力を入れていますね。 プロのイラストレーターさんからご意見を伺いながら、改良を続けています」

私:「ユーザーの方から、よく褒められる点というのは何でしょうか?」

担:「デザインが良くなったというのは、内外から言われています。
あと、法人モデルは拠点が日本にあって、サポートももちろん日本で行っています。
外資系の中では、特に法人モデルのサポートで評価して頂いています」

私:「HP が『他とはここが違う』という点はどこでしょうか?」

HP OMEN X
ゲーミングモデル「OMEN」の
1つ OMEN X by HP 900
独創的なメーカーらしい作り

担:「うーん、変わったモデルも多いことでしょうか。
モニター一体型はもちろん、一見スピーカーのような、インテリアにもなるモデルもご用意しています。
ゲーミングモデルの『オーメン』にも、本体をナナメにした独自のモデルを用意しました」

私:「そのオーメンの新しいモデルは、あそこにある・・・ ヘンなやつですね・・・」
(画像参考)

担:「ヘンなやつです(笑  でも、この形状にも理由があります。
電源ユニット、ストレージ、マザーボードのある部屋が完全に分割されていることで、それぞれの熱が他に流れないようになっています。
また、ナナメになっているおかげでメンテナンスしやすく、下から空気を吸い込みやすいので冷却効率が良く、内部スペースにも余裕があります。
前面のライトアップは PC ステータスを反映させることが可能で、CPU 使用率などに応じて色を変えることができます」

私:「どんだけキワモノなんだと思ってたのですが、説明を聞くと納得できる構造ではありますね。
水冷ラジエーターのスロット(CPU やビデオカードを水冷にする際、クーラーを装着する場所)が複数用意されてるのも特徴的ですね。
ただ問題は、デカ過ぎて置くスペースをどうするかですが・・・」

HP Pavilion Wave
HP のスピーカー一体型 PC
Windows の音声認識コルタナで
言葉で命令を出せる模様

担:「そうですね・・・(笑
スピーカー型のパソコンはパソコンには見えない形にして、お部屋のインテリアとして置いておけるようにしています。
音声認識機能もあり、テレビなどに繋げてリビングで使うことを想定しています。
もっと手軽に、オシャレにパソコンを使って頂きたいと思って開発したものです」

私:「モニター一体型パソコンは最近は減っている気がするのですが、人気はあるのでしょうか?」

担:「一体型も一定の需要がありますよ。
あまりスペックやデザインなどを気にされない、パソコンなら何でもいいという方に売れています。
テレビの代わりに買われる方もいるので、だんだん大型化していて、21~27 型のモデルをそろえています」

私:「あまり気付かれていないアピール点というものはあったりしますか?」

担:「上位モデルには『バンガードールセン』のスピーカーを去年から使っています。
高いスピーカーなんですが、音響も重視すべく採用しました。
以前はボーズのスピーカーを使っていて、そちらは重低音が響くのが特徴でしたが、バンガードールセンはナチュラルで、高音が綺麗で素直です。
ボーズが Apple に買収されたのも理由の1つですね」

【 2017年 11月 】

私:「HP の最近の特徴や傾向を教えて頂けますでしょうか?」

担:「まず1つは、一昨年から続けている『プレミアムブランド』を一層推進させています。
大人の男性はもちろん、コスメティックな要素を取り入れ、女性の方にもアピールできるよう取り組んでいます。
持っているものにコダワリを、というフレーズで高級感のあるモデルを作っており、オシャレなブランドのイメージを構築したいと考えています」

HP OMEN X
HP のオシャレ PC「Spectre」
後ろの支えもゴールドにして
高級感を演出(クリックで拡大)

私:「つまり Windows の Apple を目指しているということでしょうか?」

担:「そうです。まさにそこが目標です」

担:「もう1つは、ゲーミングモデルに力を入れています。
日本国内では難しいのですが、世界的にはかなり伸びている分野です。
我々は個人向けモデルにも力を入れているのですが、やはり HP は法人のイメージが強いです。
業務用パソコンやプリンターのメーカーだと思われているので、それ以外の分野にも力を入れて、もっと個人向けのアピールを行っていきたいと思っています。
パソコンも尖ったモデルを用意していこうと考えています」

私:「確かに今回はゲーミングモデルの展示が多いですね。
ノートや、VR、なにやら変わったものもありますが…
HP のゲーミングモデルの特徴と言える点は何になりますでしょうか?」

担:「当社のゲーミングモデルは『OMEN(オーメン)』というブランドですが、グローバル企業である当社の技術を生かした、作り込んだ製品となっています。
当社は周辺機器も強く、世界的なワークステーション技術も持っているので、部品などを自社開発できます。
そうしたスケールメリットを生かした開発力は、他社には真似できないと自負しています」

HP OMEN X
HP のゲーミング PC「OMEN」
上部が開いていますが、ここに
HDD をカートリッジのように
差し込み、手軽に交換できます。
ゲーム用ノートやモニターも展示

私:「以前見せて頂いた初代 OMEN は作り込んでいる分、発表が遅れ、発売時にはビデオカードの世代交代が進んでおり、時代遅れになっていた感がありました。
作り込んでいるとどうしても遅れ気味になり、価格も高めになると思いますが、その辺はどうでしょうか?」

担:「確かに他社よりも新パーツの導入は遅くなると思います。
しかし早さより、しっかりした開発やこだわりを重視していきたいと思っています。
今回に関して言えば、遅れていることはなく、最新のスペックでご提供できていると思います。
価格も確かにやや高めだと思いますが、それだけの製品になっております」

私:「HP さんのゲーミングモデルには、以前は水冷があったと思うのですが、今回はどうでしょう?
あと、VR もアピールされているようですが、あそこにあるヘンなのは…?」

担:「GeForce GTX 1070 は空冷、GeForce GTX 1080 は水冷ですね。
VR(仮想現実)や MR(融合現実、Mixid Reality。CG と現実を融合させた表現技術を Microsoft がこう呼称している)も重視しており、これから伸びていく分野だと考えています。
あの『ヘンなの』は、VR 用のゲーミングモデルで、背負う PC です。

私:「背負う!?」

HP OMEN X
HP の「背負うゲーミング PC」
遂にゲームはここまで来たか…
右のものは背負うための用具で
パソコン本体は左にあるもの。
ハイスペックながらコンパクト
(クリックで拡大)

担:「VR のゲームプレイ時には、コードが邪魔になるんです。
ゴーグルを付けているから周囲が解らないので、コードが絡まったり、外れたり、引っ張られたりするんです。
じゃあパソコンを背負ってしまえば、コードが邪魔にならないじゃないかと…(笑」

私:「それは… すごい発想ですね…
これって小型ですが、VR 用ゲーミング PC ってことは、スペックは相応にあるんですよね?」

担:「はい、最新の Core i7、ビデオカードは GeForce GTX 1080 です」

私:「この小型の本体で 1080 って、よく冷却できてますね」

担:「気化熱で冷却しています。
ワークステーション用の技術なのですが、そうしたものを注ぎ込んで作っています

私:「ここまで来ると、ハイスペックな超小型デスクトップとしても凄いですね…
かなり本気なのを感じますが、OMEN の売れ行きはどうなのでしょうか?」

担:「中国ではよく売れています。
中国は政治的な理由もあってプレステなどの普及が遅かったので、パソコンでゲームをする文化が強いのです。
中国はお膝元のレノボさんが強いのですが、レノボさんはゲーミングモデルについては、えー…」

私:「やる気を感じないですよね(笑」

担:「えぇ。 それでデルさん(エイリアンウェア)が強いのですが、そこに HP も普及させていきたいと考えています。
当社はグローバル企業なので、中国のような巨大市場は重視しています。
そういう点からもゲーミングモデルにはかなり力を入れています。
日本ではこれからと言ったところですが、何とか知名度を上げていきたいと思っております」

私:「ゲーミングモデル以外はどうでしょうか? モニター一体型なども展示しておられますが…」

担:「モニター一体型も新製品を出しています。
こちらも高級感のあるプレミアムな製品として作っていて、デザインを重視しています」

HP OMEN X
モニター一体型の Pavilion 27
何となく iMac なデザイン。
ハッキング盗撮防止のため
カメラは物理的に隠せます。
注目は Optane メモリ。

私:「確かにオシャレな作りですね。技術的な特徴は何かありますでしょうか?
HP さんの一体型には、テレビは付けられないですよね?」

担:「テレビは無理ですね。
外資なので、日本のローカルなテレビ接続には未対応です。
ただ、オプテインメモリを搭載し、HDD の大容量でありながら、高速のアクセスが可能になっています」

私:「え? えーと、おぷた… めもり?」

担:「OPTANE メモリです。 これも元々はワークステーション用のメモリで、まだ一般的ではないのですが、いち早く導入しています。
HDD の読み込み速度を飛躍的に高めるもので、SSD ほどではないですが、既存の HDD をかなり高速化できます。
価格もそれほど高くありません」

私:「それはすごい。 今後ノートなどで活用されそうですね」

担:「ワークステーション用だったのでサイズが大きく、ノートに搭載するのはまだ無理です。
これから改良が進んで、デスクトップに搭載されるようになって、さらに小型化されて、ノートはそれからですね。
こうした技術を早期に投入できるのが、当社の強さですね」

私:「他に、力を入れているところは何かありますでしょうか?」

担:「品質ですね。しっかり日本で検査して出荷しています。
海外では発送を早くしたりもしているのですが、日本は商品に厳しいので、同じようには考えていません。
箱が汚れているだけでも文句を言われるのは日本だけです。
しっかり検査したものを、安定して発送できるよう気を配っています」

私:「今回まだ見ていないのですが、ビジネス用の PC には何か特徴がありますでしょうか?」

担:「ビジネス用でも、デザインや品質を重視しています。
画質やサウンドにも気を配っています

私:「ビジネス用なのにサウンドも重視しているんですか?」

担:「むしろサウンドはビジネスモデルの方を先に改良していますね。
なぜなら海外では電話会議が一般的で、パソコンをテレビ電話として使う機会が多いからです。
音声をしっかりと聞き取れるよう、音響を整えています。
日本のビジネスモデルも、それをそのまま持って来ています」


【 まとめ 】

デザインと高級感を重視したノートパソコンを主力にしているようで、実際に好評なようです。
そうした高級感重視の傾向は一体型やビジネスモデルにも影響しており、またウルトラブックの流行から続く「薄さ・軽さ」の追求も続けています。

ゲーミングモデルは初期製品が不振だったのですが、一旦仕切り直し、特に 2017 年からかなり力を入れています。
会場でもかなりの本気度を感じました。
また、ワークステーションやサーバーコンピューターの技術を個人向けモデルにどんどん投入しているようで、世界的企業ならではの開発力を感じます。

HP は数年前に業務用 IT 部門と、個人向けパソコン部門に分社化されました。
これ以後、体制が円滑化されているそうで、個人向けパソコンへの投資がどんどん伸び、業務用部門からの技術投入も急速に進んでいるそうです。
2014 年頃は不振だったのですが、それをバネとして一層伸びているようですね。

○ リンク : HP Directplus(日本 HP オンラインストア)へ

※古いインタビュー記事は こちら をご覧下さい。


● 展示会・発表会でメーカー担当者さまからお聞きした話

マウスコンピューター/G-Tune ・ドスパラ(DOSPARA)
HP(ヒューレットパッカード) ・DELL(デル) ・パソコン工房
マイクロソフト(Surface)
国内家電メーカー(富士通、東芝、NEC)

エプソン(EPSON)パナソニック/レッツノートレノボ(Lenovo)

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