○ 2010年10月、パソコン展示会レポート

展示会・発表会インタビュー

対応して頂いた皆さん、ありがとうございました。2010年の10月、パソコンメーカーやソフトウェアメーカーが集まって開催された展示会に参加させて頂きました。

そこで担当者の方にお聞きした マウスコンピューター/G-Tune 様エプソン様デル(DELL)様の開発方針などに関するお話しは、それぞれのメーカーのインタビューページに追記しています。

ここでは「番外レポート」として、NEC富士通などのナショナルメーカー(日本の老舗パソコン会社)のブースの様子と、会場で見た面白いパソコンについてご紹介したいと思います。

なお、会場で聞いたお話はあくまで担当者さんのセリフなので、その会社の総意という訳ではないのでご了承下さい。

インタビュー パソコンメーカー



「NEC」のブースでは、今話題の 3D 映像(立体映像)が見れるディスプレイ(モニター)一体型のパソコンを展示しておられました。

3D 映像には高速で両目を目隠しする「アクティブシャッター方式」と、偏光メガネというものを使う「偏光フィルター方式」があります。
(この辺りの立体の仕組みについては こちらのレビューページ で解説しています)

NEC の今回の展示にはその2つの方式がどちらも用意されていて、双方を見比べられるようになっていました。
私的には、アクティブシャッター方式は慣れていないと目が疲れるため、多少解像度が落ちても「偏光フィルター方式」の方が綺麗でラクに立体に見えた印象ですね。
私はすでに立体映像を体験していたので、新鮮な驚きはなかったのですが・・・ 会場では見た人が「おぉ〜〜!」と言う歓声をあげたりしていました。

NEC バリュースター 展示モデル
NEC のメインは「モニター一体型パソコン」になっています。 特性としては処理能力よりも AV 性能重視。
3D 対応をウリにしていて、全機種 3D メガネが用意されていました。 矢印の部分は YAMAHA 製の高性能スピーカーです。

NEC のパソコンのラインナップには、すでに一般サイズのパソコンは存在しません。
ディスプレイ(モニター)と一体になっているパソコンと、スリムサイズのパソコンのみです。
ディスプレイ一体型のパソコンは中身はノートパソコンのパーツで構成されているため、処理能力は低めであり、3D グラフィックのゲームなどをプレイする事も出来ません
スリムタイプのパソコンにはビデオカードが搭載されているモデルもあるようですが、ゲームなどが出来るような性能ではなく、フルハイビジョンなどの高画質な映像を表示する際の補助として搭載されていたようです。

しかし NEC のディスプレイは非常に発色が良く、映りが綺麗で、スピーカーも高性能なものが付いています
今回展示されていた 2010年冬モデル の一体型パソコンには全機種ヤマハの高性能スピーカーが付いていて、地デジ放送にも対応していました。
3D 映像をアピールしていた事からも解るように、NEC のパソコンは「AVパソコン」としての性能・特徴を強化しいてく方針になっているようですね。

一応、高性能型やゲーム型のパソコンの発売予定があるかどうか聞いてみたのですが、今のところそういうモデルの開発予定はないようです。

参考リンク : NEC Direct



一体なにがあったんだ」と思ったのが、「富士通」の展示ブース

富士通というメーカーは企業や高齢者をターゲットにしているパソコンが多く、あまり「遊び」の要素があるモデルは少ない印象だったのですが・・・
今回展示されていたパソコンはそんな富士通「らしからぬもの」が並んでいました。

まず目に付いたのが小さなタッチパネルが付属された高性能型のノートパソコン(LIFEBOOK NH シリーズ)。
アイコンが並んでいて、これを直接タッチすることで様々な操作が行えるようになっているのですが、なんとこのタッチパネル、普通のモニターとしても活用できます
地デジチューナー内蔵のため、この画面にテレビを表示する事も可能で、それを見ながら作業することが出来るのです。
普通の「2つ目のモニター」として活用する事も出来るので、表示は非常に小さくなりますが、Windows のウィンドウなどをそのまま持って行くことも出来ます。

富士通 FMV LIFEBOOK NH
小さなタッチパネル付きのノートパソコン。 ここにテレビとか動画とか色々表示できる。
普通に2つ目のディスプレイにして、ウィンドウを一時的に持って行くことも可能。 なお、このモデルのみ 3D は非対応。

ノートパソコンとしてはかなり高い性能も有しているようで、ビデオカードも搭載しており、3D グラフィックのゲームも可能なレベルであるようです。
(さすがに FFXIV は無理ですが、モンスターハンターフロンティアについては動作認定を受けているそうです)

まあそれだけに高価格で、重量もノートパソコンとしてはかなり重めなのですが、ちょっと従来の富士通のイメージとはかけ離れたモデルと言えますね。


そして極めつけだったのは新発売のディスプレイ(モニター)一体型パソコン(ESPRIMO FH)で・・・
なんと後ろに「ナノイーイオン」の発生器が付いています。

ナノイーはパナソニックが開発した、除菌したり脱臭したり、お肌にうるおいを与えたりするアレですが、なんとそれがパソコンに付いているという・・・
自称「お肌が綺麗になるパソコン」です。
担当者の方いわく、「誰に説明しても苦笑される」という逸品。 というか珍品

富士通 ESPRIMO FH
パソコンにナノイーイオン。 これが近未来ということか・・・? 
他にも前に座ると自動で電源が入る「人感センサー」、手を振って操作する「ジェスチャー機能」など、人知と必要性を越えた機能が搭載されています。 富士通の向かう先はどこなのでしょうか・・・

いやー、素晴らしい。 個人的には大好きです、こういうおバカアイテム。 いや、マジメなんだろうけど。
とりあえず私が持っていた富士通のイメージも除菌されました。
まあ確かに、女性やタバコを吸う人とかには良い機能かもしれませんね。

性能としては、ディスプレイ一体型なので処理能力はそれ程ではありませんが、地デジ放送や 3D 映像には対応しています。
NEC が用意しているモデルと同じ「AVパソコン」と言えるものですね。

基本的には富士通は、ユーザーの年齢層がやや高めな事もあり、最新の性能よりも使いやすさや解りやすさを重視した方面の開発を行っていくそうです。
ただ今回のラインナップを見る限りでは、ややナナメ上に向かう気配も見えますが・・・

参考リンク : 富士通 WEB MART



「エプソン」については担当者の方から聞いた開発方針などのお話をインタビューページに追加しましたが・・・
他にも面白いパソコンを展示されていたのでご紹介します。

エプソンと言えば超小型パソコンも開発しているメーカーなのですが、今回展示されていたのがコレ。

エプソンの超小型デスクトップパソコン「Endeavor NP12」。
ディスプレイが別途必要だから結局これ単体では使えないし、何に使うんだ? と思っていたのですが・・・

一応コレも「デスクトップ型」になるのでしょうか・・・? 手のひらに乗ってしまうパソコンです。
USB 接続のモニターや外付けハードディスクを繋げて活用される場合が多いようですが、ディスプレイの後ろに「貼り付けて」使う事もできるそうです。

もちろん性能は高くないのですが、ネットブックと同じぐらいの性能はあるし、それより安いし、これだけ小型なので動作音や発熱も非常に小さく、省電力です。
つまり一日中つけっぱなしでも負荷や音が気にならない訳で、サーバーなどの用途で活用されている事が多いそうです。
確かに考えてみれば、色々と使い道がありそうなパソコンですね・・・ 担当者の方いわく、「マニアの方にもご好評」だそうです。

エプソンはこれを「ネットトップ」と称しているようです。
最初に見た時は「何に使うんだコレ」と思ったのですが・・・ 意外なもの(?)がヒットするみたいですね。

参考リンク : EPSON Direct



他にも様々なメーカーのブースがあったのですが、一通り見るにはやや時間が足りませんでした。
全体として国内大手メーカーは AV(オーディオ・ビジュアル)方面か、特殊機能を追加する方向で動いていた様子です。

私的にやや残念なのは、NEC や富士通などのナショナルメーカーに「高性能デスクトップ」を作る方針がなかったこと・・・
今後も性能やコストパフォーマンスを重視するなら海外メーカーかパソコンショップの製品の方が良く、国内大手メーカーは初心者向けか家族向けと言った印象です。
まあ同じようなものがたくさんあっても意味ないので、特徴や方向性があると言うのは、良いことなのかもしれません。


● 担当者の方からお聞きした話(パソコンメーカー) ページ1
  ドスパラ さん 日本HP(ヒューレットパッカード) さん
● 担当者の方からお聞きした話(パソコンメーカー) ページ2
  マウスコンピューター(G-Tune)さん エプソン さん パソコン工房 さん
● 担当者の方からお聞きした話(パソコンメーカー) ページ3
  デル(DELL) さん パナソニック(松下電器) さん レノボ(Lenovo Japan) さん
● 担当者の方からお聞きした話(ソフトウェア/周辺機器メーカー) ページ4
  EIZO さん シマンテック(ノートン) さん トレンドマイクロ(ウィルスバスター) さん マカフィー さん

PCハードウェア 初心者の館 へ 実機解説編のメニューページ へ