○ 展示会・発表会で担当者の方から聞いたお話
 (パソコン周辺機器、及びソフトウェアメーカー編)

展示会・発表会インタビュー

これはサンワダイレクトさんのブース。「おばかアイテム」がたくさんありました。ここのページでは、各地で開かれている展示会や発表会に参加した時に、各パソコンメーカーの担当者さまから直接お聞きした話を掲載しています。

このページはパソコン周辺機器やソフトウェアメーカーさんからお聞きした話を掲載しています。

普段は解らない・解りにくい、各メーカーの開発方針や販売傾向、重視しているポイント、扱っているパソコンやソフトウェアの現状、さらに今後の予定などを知る事が出来ます。

ただしそれぞれのお話はあくまで会場で聞いた担当者さんのセリフなので、その会社の総意という訳ではないのでご了承下さい。
(また、読みやすいよう言葉/単語などを一部修正したり、複数の担当者さんのお話をまとめている場合もあります)

お話をさせて頂いた担当者の皆さん、ありがとうございました。
(以下の文章は、「担」は担当者様「私」は筆者である私のセリフです)

周辺機器・ソフト インタビュー


EIZO さん(ディスプレイメーカー、旧ナナオ) 2009年10月

EIZOさんのブース。担:「今回は縦に回転もさせられるディスプレイを展示しています。 ぜひご覧下さい」

私:「これ、縦にして地に接するぐらい低くできるんですね」

担:「はい、特製のスタンドを使っており、自在に動かすことが出来ます。
縦に出来るディスプレイで、ここまで自由に稼働するのはこの製品だけだと思います」


私:「実は私、今年 EIZO さんのディスプレイを買ったんです。
それで、ディスプレイの品質は良かったのですが、安めのモデルにしたからかスタンドがかなり簡素で、高さ調整さえ出来なかったんですけど・・・
こう言うのって、スタンドだけ別売りしてないんでしょうか?」


担:「うーん、サポートに言って頂ければ対応してくれるかもしれませんが・・・
でもスタンドの作りはけっこう細かく、ネジも異なっていたりするので、このモデルのスタンドだけ売ると言うことは出来ませんね。
でもスタンドの別売りについては検討はしています」


○ 2009年2月

EIZOさんのブース。担:「当社はパソコンのディスプレイのメーカーとしては老舗で、性能の高いモデルを販売しております。 今日は24インチのフルハイビジョンテレビなどをご紹介しています」

私:「(展示されていたテレビ「FORIS.TV」を見て)これってテレビですよね? EIZO さんはパソコンのディスプレイのメーカーだと思うのですが、テレビも作っているんですね」

担:「販売しています。 でも、一般の電気店などでは販売しておらず、ネット販売しかしていません。 他にはインテリアショップなどに少し卸しているぐらいですね」

私:「電気店に置かないのはなぜでしょう?」

担:「高性能でスタイリッシュなモデルとして開発していますので、低価格な一般のテレビと一緒に並べられる電気店には卸さないようにしています。
まあ、ポリシーですね(笑) インテリアとしてのデザインも重視していますので、主に女性の方が良く買われていますよ」


私:「性能的な特徴はありますでしょうか?」

担:「大型でなくてもフルハイビジョンを楽しめる、ディスプレイの開発技術を生かした製品をご提供しています。
あと、スピーカーは非常に良いものを使っています! スピーカーはテレビに付いているものとしては「最強」と言えますよ。
机の上に置いて、パソコン用のディスプレイとして使う事ができるタイプも用意しています」


私:「EIZOさんのディスプレイは、高性能だけど価格が高いというイメージが強いのですが・・・ 安くてリーズナブルなモデルを作る予定はないのでしょうか?」

担:「安い製品は作れないんです。 当社のテスト環境や製造方法、素材の調達などが、高性能品質に準じたものになっていますので・・・
その分、安いものでは得られない品質をご提供しています。 ディスプレイの色やグラデーションの表現力などは、当社のものを越えているメーカーはないと思います。
また、ディスプレイの色の調整を行うためのカラーマッチングツールも付属しています」


私:「ディスプレイの色調整は確かに苦労するところですからね・・・ 私も先日、ディスプレイを買い換えた際に四苦八苦したところですが・・・ カラーマッチングツールというのがあれば、簡単にできるのでしょうか?」

担:「(ツールを見せながら)こちらがカラーマッチングツール(EasyPIX)です。 こうした調整用のツール(機器)を付属しているのは当社だけで、ツールの単体販売はしていません。 このツールがあれば、標準の色やプリンター出力の色に、ディスプレイの発色を正確に合わせる事が出来ます」


【感想】
ディスプレイの色の調整についてはもっと色々と聞いたのですが、専門的すぎるのでここでは省きます。
とにかく EIZO さんは、ディスプレイメーカーとして高性能・高発色を追求しており、定期的にディスプレイ調整や使い方のセミナーなども開かれています。
グラフィック関連の仕事をしている人の多くは EIZO さんのディスプレイを使っていますね。

ただしその分、値段は高いです。 「高性能製品に準じた仕入れやテスト環境にしているため低価格なものが作れない」というお答えは印象的でした。
展示会では一般の人にもアピールしやすい、テレビやリモコンなどの展示も行っておられました。

○ リンク : EIZO Direct (EIZOオンラインショップ)へ




シマンテック(アンチウィルスソフト「ノートン」のメーカー) 2009年2月

担:「ノートンアンチウィルスの 2009 年度版をご紹介しています。 「速さ」を重視した新製品です」
(一通り2009年度版のノートンアンチウィルスの説明をして頂きました)

私:「ぶっちゃけ、ノートンのアンチウィルスソフトは「超遅い」っていうイメージがあるのですが・・・ 実際、私も昔使ってた時、メチャメチャ重かったし・・・ 今は速いみたいですね」

担:「今は速いです(苦笑い)。 昔は確かに遅かったですが、2008 年度版から大幅に速さの改善を行い、2009 年度版でさらに速くしています。
今は一番速いアンチウィルスソフトになっていると思います」


私:「以前のノートンは関係ないところで騒いだりする事が多かったのですが(ウィルス対策機能が強く効きすぎて、無害なファイルやウェブサイトで警告を出したり、パソコンの動作を遮断する事が割とあった)、今は大丈夫なのでしょうか?」

担:「え〜〜、まあ、今は大丈夫だと思いますよ(また苦笑い)。 バージョンアップしていますからね」

私:「ゲームエディションというのはどう言ったものなのでしょうか? 私はゲームをよくやるので気になっていたのですが・・・
特に、アンチウィルスソフトで「ゲーム」というのを前面に打ち出した製品は初めてですよね」


担:「これは通常のノートンアンチウィルスに「ゲームモード」が追加されているものです。
これを ON にしておくと、全画面のゲームのプレイ中に一切のポップアップ表示などを行わなくなり、ゲームの動作を阻害しないようになります。
これはゲーム以外にも、全画面で映像などを見ている時にも有用ですね。 もちろん、背後ではちゃんとウィルス対策は実行されています」


私:「ノートンはオンラインゲームなどの場合、結構アップデートや通信の接続などを邪魔する事があったのですが、今はそういうこともなくなっているのでしょうか?」

担:「ラグナロクオンライン(有名なオンラインゲーム)などを開発しているガンホーさんなど、いくつかのゲームメーカーで動作の確認を行って貰っています。 ですので、そうした面での対応力は向上しているはずですよ」


【感想】
私があまりノートンに良いイメージを持っていなかったので、質問がネガティブなものばかりになってますが・・・ ^^;
しかしノートンの最新版がかなり早くなっているというのは、よくパソコン雑誌や情報サイトなどでも話題になっていました。

かつてのノートンはウィルス検出力がウリだったのですが、現在 検出力に関しては「カスペルスキー」というソフトの方が上になっています。
そのためノートンは、動作速度を強化する事で対抗しているようですね。(2009 年度からは再び検出力も上がっているようです)
「ゲームモード」は提携ゲームメーカーでの動作確認も行われているとの事です。

○ リンク : symantec store (ノートン)へ




トレンドマイクロ(アンチウィルスソフト「ウィルスバスター」のメーカー) 2009年2月

担:「さらに軽くなった、ウィルスバスターの 2009 年度版をご紹介しています!」

私:「私はウィルスバスターを主に利用しているのですが・・・ 2009 年度版は何が違うのでしょうか?」

担:「まず、動作の「軽さ」を大幅に向上させました。
ウィルスバスターは 2007 年版の頃は重かったのですが
(と言っても当時のノートンよりは軽かったし、私的にはそんなに重かったイメージはないです)、2008 年版でメモリの使用量を50%削減して大きく改善しました。
そして 2009 年版では、そこからさらにメモリの使用量を45%削減しています。」

私:「ノートンさんの製品には、全画面でゲームなどをしている時にウィンドウを表示しないモードなどを追加していますが、そういった追加機能はないのでしょうか?」

担:「サイレントモードというものがあり、これを利用しているとウィンドウを表示しなくなります。 全画面のソフトウェアの動作中にも、その阻害をしなくなりますよ」

私:「最近は、ノートンさんは「速さ」、カスペルスキーは「検出力」を重視しているようですが・・・ ウィルスバスターの特徴というのは何でしょうか?」

担:「ウィルスバスターは・・・ 特徴がないのが特徴ですね(笑) 何かに秀でていると言う事はないのですが、バランスの取れた高い性能を持っています。
パソコンの雑誌の調査でも、検出力はカスペルスキーさんでしたが、総合性能でのナンバー1はウィルスバスターでした。
(PC Japan 2007年12月号の調査の事だと思います。 確かにこの調査では総合能力でウィルスバスターが1位でした。 調査に使われていたのは 2008 年度版です)
(最新の PC Japan 2008年12月号の調査だと、総合能力はカスペルスキーが1位、ウィルスバスターは2位になっていました)

それに、アンチウィルスソフトごとの検出力というのは、誤差程度の差しか出ないはずです。
調査の結果、どのアンチウィルスソフトでも検出力は 90 %だったと聞いていますね。 ZERO さんは 80 %だったかな」

私:「2009年版の新機能というのはありますでしょうか?」

担:「(一覧表を見せながら)キー入力を暗号化する機能(キーロガーというウィルスの対策。 最近、キー入力を不正送信するウィルスにより、ログインIDやパスワードなどを盗まれる被害が多く発生しているため、その対策)や、システムチューナーというシステムの最適化機能などが付加されています。
システムチューナーにより、パソコンの使用環境の改善を行う事も可能になりました」


私:「実際にウィルスバスターを使っていて気になるんですが・・・ 最近、アップデートしたら「お友達紹介キャンペーン」みたいなポップアップが出るようになってしまったんですけど・・・ アレ、邪魔なので非表示に出来ないですかね?」

担:「え〜、それは・・・ ちょっと出来ないかな・・・
う〜ん、まあ、あれは確かに邪魔かもしれませんが・・・(苦笑)」

(2008年末頃に出まくっていました。 さすがに不評だったのか、最近(2009年2月)は出ていませんが・・・)


【感想】
秀でた特徴がない反面、総合的に高い能力を持っているアンチウィルスソフトですね。
現在、ウィルス検出力は「カスペルスキー」や「マカフィー」、安さは「ウィルスセキュリティZEROicon」、軽さとバランスは「ウイルスバスター」という図式になっていると考えて良いと思います。

2009年10月にも少しお話を聞きましたがさらにメモリや CPU の使用率を軽減しているようで、現在のウィルスバスターは「動作の軽さ」を追求している印象です。

なお、価格に関しては、ウィルスバスターやノートン、マカフィーは1つのライセンスで3つのパソコンにインストールできるため、複数のパソコンを使っている人やパソコンの買い換えを考えている人だと、初回購入費はカスペルスキー以外、どれを選んでもあまり変わりません。
(カスペルスキーは1ライセンスで1PCのみです。 ZERO は更新費用が無料で、一度買えばもうお金を払う必要がなくなるのが利点です。 その分、ウィルス検出力は他より低めです)

○ リンク : ウィルスバスター ダウンロードサイト へ




マカフィー さん(アンチウィルスソフト「マカフィー」のメーカー) 2009年10月

担:「検出率に自信のあるアンチウィルスソフト「マカフィー ウィルススキャン」をご紹介しています」

私:「マカフィーさんの製品の特徴やアピールポイントは、どんな所なのでしょうか」

担:「まずはウィルスの検出力ですね。
2009年9月に行われた第三者機関
(ドイツのウィルス調査機関)の発表で、マカフィーはウィルス検出率で NO.1 を獲得しました。
第三者機関の調査報告ですから信頼のおけるものですし、これがマカフィーの大きなアピールポイントと言えます」


私:「ウィルス検出率を高めるための、具体的な特徴のようなものはありますか?」

担:「ウィルス検出時に、ネット上から最新のデータをチェックして、それを元に検出を行っています。
もちろんローカルで保存されているデータも使用していますが、ネット上の最新データも使って、ダブルで検出力を高めています」
また、ウィルスの情報が入ってから、アンチウィルスソフトのアップデート(定義ファイルの配布)が行われるまでは、通常1日ほどかかります。
しかしマカフィーはネット上のデータをチェックするので、
常に最新の検出力を持つ事が出来ます

私:「ネット上のデータをチェックすると言うことは・・・ ネット回線が混雑してたりすると、検出に時間がかかったりするのでしょうか?」

担:「いえ、回線が繋がらない時は普通のローカル検出のみを行います。
ネットのデータは参照できませんが、パソコン側に保存されているデータを使う通常の検出も行いますから、回線が繋がっていなくてもローカルで検出可能です。
また、ネット上のデータによる検出も 0.1 秒で終了するようになっています。 検出速度が速いのも特徴ですよ」


私:「検出力は、どのアンチウィルスでもそれほど違わない、と言うのを聞いたことがあるのですが・・・」

担:「確かに検出力の差は数%の違いですが、ウィルスはネット上に1万種類以上あると言われています。
たとえ1%の違いでも、1%違えば、100 種類以上のウィルスは検出できない事になります。
第三者機関の調査で上位にあるというのは、大きな事だと思いますよ」


【感想】
マカフィーさんがアピールしていた 「ドイツの第三機関の調査」 というのは、ComputerBild 誌の調査のことのようです。
この ComputerBild の発表は、確かにウィルスの検出力を計る重要な指針とされています。
マカフィーさんは 2009 年度に入ってからトップクラスになっているようで、2009年9月の発表では首位だったようですね。
なお、日本で一般的なアンチウィルスソフトの中では、G DATA やノートン、カスペルスキーも上位になります。

ちなみに、マカフィーさんのサイトにはウィルスの「無料オンラインスキャンサービス」があり、古くから利用されています。

○ リンク : マカフィー公式サイトへ


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